【人間関係アディクション】71話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

【人間関係アディクション】第71話をネタバレありで簡単に解説する
前回の第70話では、ホヨンの宿敵であるヒョンシクの、悲痛な過去が明らかになりました。妹を守るために暴力の世界に足を踏み入れた彼の物語は、この作品が描く「人間関係」の複雑さと悲劇性を、より一層深めました。
第71話では、物語の視点は再び主人公のダナへと戻ります。彼女が犯した過ち、そして見て見ぬふりをしてきた罪。その全てを、これまで最も気弱だと思われていた人物から突きつけられる、息をのむような心理戦が描かれます。
地下商店街の決闘:劣等感が生んだ非情な問い
前回のラスト、ホヨンが仕掛けた罠にはまり、復讐に燃えるヒョンシクが地下商店街に姿を現しました。第71話の冒頭は、この二人の因縁の対決から幕を開けます。しかし、それは単なるケンカではなく、ホヨンが抱える心の闇を浮き彫りにする、一方的な「確認作業」でした。
圧倒的な力の差
「チクショウ…」と悪態をつきながら、ヒョンシクはホヨンに殴りかかります。しかし、かつてホヨンを打ち負かした彼の力は、もはやそこにはありませんでした。ホヨンは、ヒョンシクの攻撃を軽々と受け止めると、強烈な一撃を叩き込み、彼を地面に沈めます。
そのあまりの弱さに、ホヨン自身が「コイツこんなに弱かったっけ…?」と疑問に思うほどでした 。彼は、ドンフンと共にトレーニングを重ね、体格も成長したことで、ヒョンシクとの力関係が完全に入れ替わってしまったことを実感します。そして、このヒョンシクとの敗北こそが、「すべての始まりだったよな…」と、自らが強さに執着するようになった原点であることを再確認するのでした 。
歪んだ執着、ドンフンへの問い
倒れたヒョンシクを前に、ホヨンは暴力を振るうのをやめます。しかし、それは決して慈悲からではありませんでした。彼には、どうしても確かめなければならない、たった一つのことがあったのです。彼は、ヒョンシクにこう問いかけました。
「あの時のドンフンと今の俺はどっちが強い?」 「正直に答えてくれ」
この質問こそ、ホヨンの行動原理の全てを物語っています。彼の目的は、ヒョンシクを倒すことではありませんでした。彼が本当に知りたかったのは、自分が親友であり、最大のコンプレックスの対象でもあるドンフンを超えられたかどうか、その一点だけだったのです。
答えなき問いと、さらなる暴力
しかし、ヒョンシクは「ハッ 知らねぇよ…」と、その問いを一笑に付します 。自分の物差しでしか価値を測れないホヨンにとって、この答えは到底受け入れられるものではありませんでした。
ホヨンは、静かに辺りを見回し、防犯カメラがないことを確認します 。そして、一度は手放したはずの、壁際に立てかけてあったバットを、再び手に取りました。その不穏な行動に、ヒョンシクは「な…何をするつもりだ?」と、本能的な恐怖を感じます 。
妹への言及、そして非情な制裁
バットを手にしたホヨンは、ヒョンシクの最も触れられたくない心の傷を、容赦なくえぐります。
「お前…妹がいたよな?」「足がちょっと不自由な…」 。
第70話で描かれた、ヒョンシクが暴力の世界に足を踏み入れるきっかけとなった、最愛の妹。その存在を持ち出すことは、彼にとって最大の侮辱でした。恐怖と怒りに顔を歪めるヒョンシクに対し、ホヨンは「じっとしてろ 動いたら外れるだろ」と、バットを振り上げます 。
次の瞬間、血に濡れたバットが床に転がる光景が映し出されます。ホヨンは、自らの優位性を証明するためだけに、ヒョンシクを徹底的に、そして非情に叩きのめしたのです。
戦いを終え、一人バスに乗り込むホヨン。彼は「…疲れたな」と呟き、自らの拳にできた傷を見つめるのでした 。彼の心を満たしていたのは、勝利の余韻ではなく、深い疲労感だけでした。
トイレでの遭遇、逃れられない罪悪感
ドンフンたちから逃れるように、ダナはトイレの個室に駆け込みます。しかし、そこで彼女は、最も会いたくない人物と遭遇してしまいました。それは、以前自分が脅して金を奪った、学級委員のアラムでした。
「うっ…アラムだ」と、ダナは気まずさから目をそらします。彼女の心の中では、「私なりに仲よくしたいと思って(お金を一部)返したのに…」「感謝されるどころか無視されるなんて…」と、自分の行動を正当化し、アラムへの逆恨みに近い感情が渦巻いていました。彼女は、自分の罪と向き合うことから、必死に逃げようとしていたのです。
弱者の反撃、突きつけられた「正義」
偽りの優しさとアラムの失望
意を決したダナは、アラムに「叩かれたところは大丈夫?」と、上辺だけの優しさで話しかけます。しかし、その偽善は、アラムの心の最後のタガを外す引き金となりました。
「あんたってホントひどい子ね…私がそんなにバカに見える?」
これまで常に怯えていたはずのアラムが、冷たく、そして鋭い眼光でダナを睨みつけます。彼女は、ダナがこれまでしてきた全ての行動を、その裏にある打算まで含めて、完全にお見通しだったのです。
「コウモリ」への断罪
アラムは、堰を切ったようにダナへの怒りと失望をぶつけ始めます。彼女が教科書をボロボロにされても文句を言わなかったのは、転校生(チヒョク)のことでダナを心配していたから。しかし、その心配すら、ダナは踏みにじりました。
「あんたはご自慢の不良仲間が私からカツアゲしたお金の一部を返したというだけで…恩着せがましく私に感謝しろと言うわけ?」
アラムは、ダナの偽善的な行動をそう断罪すると、彼女の本質を、「コウモリみたいにこっちでは利益を得てあっちでは嫌われないように媚びてるだけじゃない…」と、痛烈に批判します。そして、「いい子ぶるのはやめて!自分勝手なだけのくせに!」と、ダナが必死に守ってきた自己欺瞞を、木っ端微塵に破壊するのでした。
崩れ落ちるプライド、そして決別
アラムのあまりに正論な言葉に、ダナは「わ…私に…どうしろって言うのよ…?」「何も知らないくせに…!」と、逆上して叫ぶことしかできません。もはや彼女のプライドは、ズタズタでした。
しかし、今のアラムはもう怯えません。「どうすればよかったかですって!?」「私があんたなら最初からあんな子たちとつるんだりしなかったわよ!」と、毅然とした態度で言い返します。彼女は、真の友情とは「対等なものでしょ?間違ってれば指摘するのは当然よ」と語り、ダナが友人たちと対等な関係などではなく、ただ恐怖に支配されているだけの存在だと見抜いていました。
最後に、ダナが「黙れ…このクソ女!」と、もはや悪態しかつけ無くなりました。
まとめ【人間関係アディクション】71話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回の第71話は、これまで物語の片隅にいた学級委員のアラムが、主人公のダナに痛烈な「正義」を突きつけるという、まさにカタルシスに満ちた回でした。彼女の言葉の一つ一つが、ダナの、そして読者の心に深く突き刺さります。
アラムが語った「コウモリみたい」という比喩は、ダナの行動原理の本質を完璧に捉えていました。強い者には媚びへつらい、その力を借りて弱い者を見下す。しかし、そのどちらのグループにも心から属しているわけではない。その中途半端な立ち位置が、彼女自身を最も苦しめているのだと、アラムの言葉は教えてくれます。
そして、彼女の「友達は対等」という言葉。これは、この「人間関係アディクション」という物語全体のテーマを貫く、非常に重要なメッセージだと感じました。恐怖や損得で繋がった関係は、決して本物の友情ではない。その当たり前の事実を、私たちはダナの姿を通して、改めて痛感させられます。
正論で全てを論破され、ただ悪態をつくことしかできなかったダナ。彼女は、このまま歪んだ人間関係の沼に沈んでいってしまうのでしょうか。それとも、アラムの言葉をきっかけに、何かが変わるのでしょうか。物語は、主人公の人間性が試される、新たなステージへと突入しました。
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