【人間関係アディクション】72話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

【人間関係アディクション】第72話をネタバレありで簡単に解説する
前回の第71話では、これまで気弱だった学級委員のアラムが、主人公ダナの偽善と矛盾を痛烈に論破しました。正論という名の刃で心をえぐられたダナは、ついに自らの行動と向き合うことを迫られます。
第72話は、その衝撃的な舌戦の続きから始まります。アラムの言葉によって引き起こされたダナの心の葛藤、そして彼女が自らを変えるために下した、あまりにも大きな決断が描かれる、物語の重要な転換点です。
突きつけられた正論、崩壊するダナの世界
「友達」という名の暴力
トイレでアラムと対峙するダナ。アラムは、ダナの虚勢に満ちた脅しに対し、一歩も引きません。
「…黙らなかったらどうするっていうの?あんたの友達と同じように殴ってカツアゲでもする気?」
そして、「もし私が…スギョンやランだったとしたらあんた同じこと言えるの?」と、ダナが相手によって態度を変える卑怯さを見抜き、その矛盾を鋭く突きつけます。
「陰キャ」への侮蔑
核心を突かれたダナは、論点をすり替えるように、アラムが自分たちへの嫉妬からこのような態度をとるのだと決めつけ、彼女を見下します。「なれないだけでしょ?笑わせないでよ」と嘲笑し、「どう見てもあの子たちから好かれそうにない陰キャだもんね」と、アラムの人格そのものを否定するような、残酷な言葉を浴びせるのでした。
罪悪感との戦い、ダナの内なる声
アラムに痛いところを突かれ、トイレの個室で一人、激しい吐き気に襲われるダナ。彼女の心の中では、アラムが放った言葉の数々が、鋭い矢となって突き刺さっていました。
「アラムを傷つけようと放った言葉が…そのまま跳ね返ってきて私に刺さった」
彼女は「…違う あの子に何がわかるっていうの…」と必死に自己正当化を試みます。「私にはいつもやさしいし、友達思いだし…」と、スギョンたちの良い面だけを信じようとしますが、その心には「自分はあの子たちと違うと安心したのはなぜ?」という、自分自身の本音を問う声が響きます。
彼女は、「一軍」のグループが持つ力に憧れ、その一員でありたいと願いながらも、彼らと完全に同じ存在だとは思われたくない。その引き裂かれた感情と矛盾が、彼女を深く苦しめていました。
小さな反逆、自分を変えるための第一歩
「おめでとう」という悪魔の囁き
ダナの心の中に響く悪魔の幻影は、彼女をさらに追い詰めます。「それに あんたさっき…アラムを殴ろうとしたわよね?」と、ダナが暴力で正論を封じ込めようとした事実を突きつけ、そして、とどめの一言を告げました。
「おめでとう これであなたもあの子たちとまったく同じね」
自分が最も恐れていた、スギョンたちとの「同化」。その現実を突きつけられたダナは、強烈な自己嫌悪に襲われます。
「あげない」という決意
場面は、ドンフンとスギョンが待つトッポッキ店へ。アラムとの一件で心身ともに疲弊したダナは、「ちょっと気持ち悪くて…お腹も空いてないし」と、食事に手をつけられません。
そんな彼女の様子を意にも介さず、ドンフンは「ダナが金をくれればこの店にあるもの全部食うんだけどな」と、いつものように悪びれもなく金を要求します。これまでのダナであれば、恐怖からその要求を呑んでいたかもしれません。しかし、アラムの言葉で自分自身と向き合った彼女は、ついに勇気を振り絞ります。
彼女は、ドンフンの目をまっすぐに見つめ、震えることなく、はっきりとこう告げました。
「悪いんだけどお金はあげないわ」
予期せぬ反逆に凍りつく空気
ダナのあまりに予想外な反逆に、ドンフンは「…はあ?」と、食べていたトッポッキを口からこぼしてしまうほど、完全に意表を突かれます。その場の空気は一瞬にして凍りつき、スギョンが「汚いわね!いい加減にしなさいよ!」とドンフンを叱責する、異様な光景で物語は幕を閉じます。
まとめ【人間関係アディクション】72話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回の第72話は、主人公ダナが初めて自らの意志で、所属するグループの理不尽な要求に「NO」を突きつけた、非常に大きな一歩が描かれた回でした。彼女の成長と変化に、読んでいて胸が熱くなりました。
特に印象的だったのは、ダナの内面で繰り広げられる、アラムの幻影との対話です。彼女の心に突き刺さった「言葉の矢」は、物理的な暴力よりも深く、そして鋭く、彼女の偽善と自己欺瞞を暴き出しました。この内なる葛藤こそが、彼女を次のステージへと押し上げる、重要なきっかけとなったのでしょう。
そして、ラストの「悪いんだけどお金はあげないわ」というセリフ。これは、この物語における、とてつもなく大きな意味を持つ反逆の狼煙です。これまでただ支配されるだけだったダナが、初めて見せた抵抗の意志。この小さな、しかし確かな一歩が、ドンフンやスギョンとの歪んだ関係に、今後どのような変化をもたらすのでしょうか。ダナの自己変革の物語が、ついに始まったことを予感させる、一筋の希望が見えた素晴らしい回でした。
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