【203号室】1話あらすじから結末までわかりやすくネタバレ解説!

ずっちー

【203号室】第1話をネタバレありで簡単に解説する

これから、漫画「203号室」の第1話のあらすじと詳しい解説をお届けします。物語は、一人の青年が新生活を始めるアパートでの、奇妙で少し不気味な隣人との出会いから始まります。

新生活の始まりと隣人への挨拶

物語の主人公は、二浪の末に大学へ進学することになった金井蓮(かない れん)、20歳の青年です 。彼は「明日から大学生だ」と、新たな生活に胸を膨らませながら、築5年、風呂なし、家賃4万8千円の「あけぼの荘」というアパートの202号室に引っ越してきます

荷解きをしながら、蓮は引っ越しの挨拶に行くべきか悩みます 。しかし、今後の関係が気まずくなることを避けるため、勇気を出して隣の部屋へ挨拶に向かうことを決意しました 。ここから、彼の平穏だったはずの日常が少しずつ歪み始めることになります。

不気味な隣人たちとの出会い

蓮が最初に訪れたのは、201号室の「城(きずき)」さんの部屋です 。ドアを開けて出てきたのは、いかつい見た目の強面の男性でした。蓮は恐怖で言葉を失い、ただ挨拶の品を差し出すことしかできません 。男性は無言でそれを受け取ると、すぐにドアを閉めてしまいます。残された蓮は「気むずかしそうだったもんなぁ」と、早くも新生活に一抹の不安を感じるのでした

次に彼が向かったのは、問題の203号室、「高梨(たかなし)」さんの部屋です 。ドアが開くと、そこに立っていたのは、生気のない大きな黒い瞳が印象的な、どこかミステリアスな雰囲気を持つ女性でした。蓮は「隣の202に越してきた金井といいます」と丁寧に自己紹介をしますが 、彼女もまた無言で品物を受け取るだけです。立て続けに起きた愛想のない出来事に、蓮は「東京は・・・・・・こんな人ばっかりか?」と、都会の人間関係の冷たさに戸惑いを隠せません

奇妙な隣人関係の幕開け

引っ越しの疲れと空腹でぐったりしていたその日の夜、思いがけない出来事が起こります 。なんと、隣人の高梨さんが「作り過ぎちゃったから」と言って、肉じゃがをおすそ分けに来てくれたのです 。ぶっきらぼうな第一印象とは違う彼女の行動に、蓮は戸惑いながらも素直に感謝して受け取ります

この出来事をきっかけに、二人の間には奇妙な交流が芽生え始めます。後日、蓮が肉じゃがの器を返すと、今度は高梨さんが彼宛ての郵便物を渡してくれました 。それは大学のゼミの大切な資料で、蓮は心から感謝を伝えます 。その時、彼女は「ゆうべも遅くまでやってたみたいね…勉強」と、蓮の生活を気にかけるような言葉を口にするのでした

深まる謎とすれ違う日常

ゴミ捨て場で顔を合わせたある日、高梨さんは「私なんかオバさんだから」「若い人と出会う機会もないわ」と寂しそうに呟きます 。彼女の自虐的な言葉に対し、蓮は「全然お若いじゃないですか」「僕応援します!!」と励ましの言葉をかけました 。その真っ直ぐな言葉に、高梨さんは少し驚いたような、それでいて何か心に響いたような表情を見せます。

しかし、二人の関係にはどこか噛み合わない部分が見え隠れします。蓮のアルバイト先である中華料理店「萬珍」に、ある日高梨さんが客としてやって来ました 。蓮が驚いていると、彼女は「この前教えてくれたわ…バイト先」と呟きますが、蓮には全く教えた記憶がありません 。この小さなすれ違いが、彼女の存在の謎を一層深めていきます。

衝撃の事実と彼女の涙

物語のクライマックスは、蓮のバイト先で起こります。同僚の真帆さんが、彼氏とのデートを理由に強引にシフトの交代を迫ってきました 。二浪している蓮にとって、大学の講義は絶対に休みたくないものであり、彼ははっきりと断ります 。二人の口論はエスカレートしますが、店長の一喝でその場は収まりました

この一連のやり取りを、高梨さんはカウンター席でじっと聞いていました。そして、注文したラーメンをすすりながら、彼女は静かに涙を流していたのです。その涙は、蓮と真帆さんのやり取りの何に反応したものだったのでしょうか。

物語の最後のページでは、何かを決意したような高梨さんの表情が描かれます 。彼女の部屋はゴミで散らかり放題になっており、心身ともに疲れ果てた様子がうかがえます。彼女の「これで最後ですよ」という言葉は、一体何を意味するのでしょうか

まとめ【203号室】第1話を読んだ感想(ネタバレあり)

第1話を読んで、まず心を鷲掴みにされたのは、その巧みな雰囲気作りです。主人公・蓮の視点を通して描かれる「あけぼの荘」の住人たち、特に203号室の高梨さんの存在は、不気味でありながらもどこか目が離せない不思議な魅力に満ちています。

最初は単なる「気味の悪い隣人」として描かれていた彼女が、肉じゃがを差し出したり、蓮の勉強を気遣ったりと、時折見せる人間らしい一面に、読んでいるこちらも蓮と同じように混乱させられました。彼女の行動一つ一つに裏があるのではないかと勘ぐってしまいます。

そして何より衝撃的だったのは、最後の涙のシーンです。バイト先での蓮の悩みや葛藤、若い男女の恋愛模様を目の当たりにして流した彼女の涙は、一体何を物語っているのでしょうか。彼女が過去に経験した何かと重なったのか、それとも蓮の境遇に自分を重ねてしまったのか。多くの想像を掻き立てられます。

荒れ果てた部屋の様子と、「これで最後」という彼女の決意。この出会いが、孤独を抱える二人の運命をどのように変えていくのか。ただのホラーやミステリーでは片付けられない、人間の心の深い部分に触れる物語の始まりを予感させ、次回の展開が気になって仕方がありません。

▷次の記事はこちらから

あわせて読みたい
【203号室】2話あらすじから結末までわかりやすくネタバレ解説!
【203号室】2話あらすじから結末までわかりやすくネタバレ解説!

ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
記事URLをコピーしました