【203号室】2話あらすじから結末までわかりやすくネタバレ解説!

ずっちー

【203号室】第2話をネタバレありで簡単に解説する

前回、主人公・蓮のバイト先でのトラブルをきっかけに、謎の涙を見せた隣人・高梨さん。彼女が口にした「これで最後ですよ」という言葉の真意とは一体何なのでしょうか。不穏な余韻を残して終わった第1話に続き、第2話では彼女の異常性がさらに浮き彫りになっていきます。

バイト先の異変と高梨さんの影

物語は、蓮がアルバイト先のラーメン屋「萬珍」で忙しく働く場面から始まります。前回、蓮とシフト交代を巡って口論になった同僚の

真帆さんが、あの日を境に無断欠勤を続けていることが判明します 。店長は「なんだかんだで真面目に働くいい子だったのにねぇ…」と彼女の身を案じている様子です

その夜、バイトで疲れてアパートに帰宅した蓮は、遅い時間に掃除をしている高梨さんに会います。蓮がバイトの同僚が急に来なくなったせいで仕事が増えたと愚痴をこぼすと、高梨さんは冷たい表情でこう言い放ちました。

「バイト…ってあのブスのこと?

「あんな女 居なくなって良かったじゃないの……

真帆さんをあからさまに見下す言葉と、彼女がいなくなったことを歓迎するかのような口ぶりに、蓮は言葉を失います。さらに彼女は、戸惑う蓮の顔を覗き込み、「

好きだったの?」と核心を突くような問いを投げかけるのでした 。彼女のこの言動は、真帆さんの失踪に何か関わっているのではないかという、恐ろしい疑念を蓮に抱かせます。


強まる疑念と謎の忠告

高梨さんへの恐怖と疑念が渦巻く翌朝。蓮が寝坊して慌ててゴミ出しに行くと、そこで201号室の住人、強面の男性・城さんにばったり会います。ぶっきらぼうながらも挨拶を交わした後、城さんは去り際に、蓮に重々しく告げました。

あんまあの女に関わらねえほうがいいぞ

この予期せぬ忠告は、蓮の不安を一層かき立てます。高梨さんの異常性を知る人物が他にもいたという事実は、彼女の謎がより根深いものであることを示唆していました。蓮は恐怖を感じながら、駅へと続く薄暗い近道へと足を速めるのでした


蓮の過去と新たな出会い

物語はここで、現在の不穏な雰囲気から一転し、蓮の高校時代の回想シーンへと移ります。彼が大学を目指すことになった、大切なきっかけが描かれます。

当時、蓮は学園祭のクラスの出し物「キッチンさくらの少ない料理屋」の準備に励んでいました。その中心にいたのが、料理上手なクラスメイトの

小島さくらという少女です。彼女が作ったスープを味見した蓮は、その美味しさに「うん♪美味い!」と満面の笑みを見せます

「なんのために大学生になったのかですよ♪」と明るく夢を語るさくらの姿に、蓮は次第に惹かれていったようです 。この楽しかった思い出が、現在の彼の心の支えの一つになっていることがうかがえます。


現在と過去の交錯、そして学園祭へ

再び、物語は現在へ戻ります。学園祭の準備で多忙な蓮は、朝から大声を出してしまい、その声は壁の薄いアパートを通じて高梨さんの耳にも届いていました 。すると彼女は、蓮を気遣うように「スタミナつけないとでしょ?」と言って、特製のカレーを差し入れてくれます

しかし、城さんの忠告が頭をよぎる蓮は、「一緒に食べる?」という彼女の誘いをきっぱりと断り、お礼もそこそこにドアを閉めてしまいます 。彼女の親切ともお節介ともとれる行動の真意が読めず、蓮の心は揺れ動くばかりです。

そして、いよいよ学園祭当日。蓮はクラスメイトたちと模擬店で活き活きと働いています。その楽しそうな輪の中には、高校時代のかけがえのない思い出を共有した、さくららしき少女の姿もありました。蓮が彼女と親しげに話す、その光景を――。

遠くから、高梨さんが無表情で見つめていました。

彼女の瞳には、楽しそうにする蓮とさくらの姿がはっきりと映り込んでおり、物語は再び不穏な空気に包まれて幕を閉じます。


まとめ【203号室】第2話を読んだ感想(ネタバレあり)

第2話は、高梨さんの異常性がより鮮明になり、物語が本格的なサスペンスへと舵を切った回でした。バイト同僚・真帆さんの失踪と、それを喜ぶかのような高梨さんの言動が直接的に結びつき、彼女への恐怖と疑念は最高潮に達したように感じます。

また、201号室の城さんからの「関わるな」という忠告が、物語に新たな深みを与えました。彼はただの傍観者なのか、それとも高梨さんの過去を知る重要人物なのでしょうか。彼の存在が今後の鍵を握ることは間違いないでしょう。

そして、今回新たに描かれた蓮の過去の思い出。小島さくらという存在は、現在の蓮が置かれた不気味な日常とは対照的な「光」として描かれており、非常に印象的でした。この過去の輝かしい記憶が、これから蓮を襲うであろう闇とどう関わってくるのか、目が離せません。

最後の、学園祭に現れた高梨さんのシーンは、まさに鳥肌ものでした。彼女はなぜそこにいるのか。蓮とさくらの関係に嫉妬しているのか、それとも何か別の目的があるのか。彼女の静かな狂気が、次なる惨劇を予感させ、ページを閉じた後も心臓のドキドキが止まりませんでした。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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