【みんな、ボドになった。】34話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

【みんな、ボドになった。】第34話をネタバレありでわかりやすく解説する
前回、仲間たちの秘められた想いを知った沙織。しかし、彼らが傷つき、母と友人が囚われているという絶望的な状況は変わりません。第34話では、自らの罪と向き合おうとする沙織に、幸信が「本当の悪」の存在を示唆します。そして、救世主だと思われたクレープ屋の主人の口から、物語の根幹を揺るがす、あまりにも残酷な真実が語られるのでした。
「償わなきゃ…」沙織の決意と、幸信の否定
すべては私のせい――罪を背負う覚悟
惨状を目の当たりにし、沙織は自責の念に駆られます 。もし13年前にあんな事件が起きなければ、清太郎は死なず、自分も村を出て行かず、みんな違う人生を歩んでいたはずだ 。
「それを壊したのは私だから…」
「自分がした事と向き合って みんなにも償わなきゃ…」
すべての罪を一身に背負い、償うことを決意する沙織。しかし、その悲痛な覚悟を、幸信は力強く遮るのでした。
「本当に悪いのは…」幸信が示す真犯人
「違う…!」と叫ぶ幸信は、沙織の肩を掴み、必死に訴えかけます 。
「ああなったのは沙織のせいじゃないんだ…」
「思い出したんだろ…? あの時の事 全部」
「だったらお前もわかってるはずだ本当に悪いのは誰だったのか」
彼の言葉は、沙織が父を殺めたあの事件の裏に、まだ沙織が思い出していない、あるいは気づいていない「本当の黒幕」が存在することを示唆していました。
救世主の真の目的、消えた「裏帳簿」
新たな協力者、百一の登場
幸信が真実に迫ろうとしたその時、戸口にクレープ屋の主人が現れます 。彼は壊れたドアを直すためだと、工具箱を探し始めますが、その目は明らかに何か別のものを探していました 。
沙織が神社の帰りに彼からクリーンセンターの新聞記事を渡されたことを思い出し、この家にも同じような資料があるのかと尋ねていると、そこへ百一が割って入ります 。
「何を お探しですか?」
「これが目的でしょう」
百一は、主人が探しているのが、沙織の妹・実里が持ち出したあの血塗られた「祭り概要」のファイルであることを見抜いていました。
村を滅ぼす切り札、「裏帳簿」の存在
しかし、主人の真の目的は、そのファイルそのものではありませんでした。彼は、このファイルと対になる、村の完全な犯罪の証拠となる**「裏帳簿」**を探していたのです 。
「このファイルには 対になる『裏帳簿』があるはずなんだ」
その「裏帳簿」には、村が裏社会の組織と交わした金の流れや契約書といった、言い逃れのできない証拠が記されているといいます 。処刑リストである「祭り概要」ファイルと、それを裏付ける「裏帳簿」。二つが揃って初めて、村の罪を白日の下に晒すことができる。それは、互いを裏切らないための**「保険」**として、村のどこかに隠されているのでした 。
明かされる血の繋がり、最も残酷な真実
「弟を殺された」――主人の悲痛な告白
なぜ、主人はそこまでして「裏帳簿」を求めるのか。彼は、どんな手を使ってでもそれを手に入れ、「あいつの家族を…!」守らなければならないと、悲痛な決意を語ります 。
「私の弟は町からこの村に移住し…穏やかに暮らしていたが…」
「ある日あのリストに載せられてしまい…殺された…」
彼の弟もまた、この村の狂気の犠牲者だったのです。
「私は…君の伯父だ」
沙織は、殺された弟の名前を尋ねます。そして、主人の口から告げられた名前に、彼女は全身の血が凍りつくような衝撃を受けました。
「弟の名は帰村井……隆文……」
帰村井 隆文――それは、13年前のあの日、沙織がその手で殺めてしまった、
実の父親の名前でした 。沙織を助けてくれたクレープ屋の主人は、彼女の父の兄。つまり、沙織自身の伯父だったのです 。
まとめ【みんな、ボドになった。】34話を読んだ感想(ネタバレあり)
ただただ、愕然としました。これまでの伏線が怒涛の勢いで回収され、物語の構造そのものをひっくり返すような真実が次々と明かされた、まさに驚天動地の回でした。
幸信が示唆した「本当の黒幕」の存在。沙織が犯した「父殺し」という罪が、実は彼女一人に背負わされたものではなく、さらに大きな悪意によって仕組まれた悲劇だった可能性が浮上し、物語のミステリーが一層深まりました。
そして、クレープ屋の主人の正体。彼が沙織の「伯父」であり、殺された弟(沙織の父)の復讐のために動いていたという事実は、あまりにも衝撃的で、運命の残酷さに言葉を失います。彼が沙織を助けたのは、単なる善意からではなく、血の繋がった姪を守るため、そして弟の無念を晴らすためだった。この重すぎる背景が、彼のキャラクターに計り知れない深みを与えています。
被害者の兄であり、加害者の伯父。加害者であり、巨大な陰謀の被害者。登場人物たちが、単純な善悪では決して割り切れない、複雑で悲しい因果の鎖で繋がっている。この救いのない構図こそが、本作の真骨頂であり、読者の心を強く掴んで離さない魅力なのだと改めて感じました。すべてのピースがはまった今、沙織たちは本当の敵にどう立ち向かうのか。息を呑んで次回の展開を待ちたいと思います。
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