【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】2話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】第2話をネタバレありでわかりやすく解説する

第1話のラストで、バイト仲間のシュウから「お前は俺をイジメ抜いた悪魔だ」と告げられた主人公・斎藤悠介 。あまりに衝撃的な展開で幕を閉じましたが、第2話では悠介自身の内面と、彼が記憶を失うに至った失踪事件の真相に、少しずつ光が当てられていきます。果たして、彼は本当に「悪魔」なのでしょうか。それとも、そこにはまだ知られざる事実が隠されているのでしょうか。

病院での目覚めと蘇る復讐の宣告

確かめられる現在の自分

物語は、シュウに殴られた悠介が病院のベッドで目覚めるシーンから始まります 。意識を取り戻した彼は、まず自分の置かれた状況を確認するかのように、記憶をたどります。「俺は斎藤悠介 16歳 A型 6月10日生まれの双子座」 。そして、通っている高校の名前や、つい先日、彼女である環と初キスを済ませたことまで、直近の記憶が失われていないことを確認し、安堵の表情を浮かべるのです

脳裏から離れない呪いの言葉

しかし、その安堵も束の間、彼の脳裏にはシュウから突きつけられた呪いのような言葉が鮮明に蘇ります。

「たとえお前が忘れても 俺達は絶対に忘れない」

「これからオマエは未来永劫 過去に復讐され続けるんだ」

この言葉は、これから始まる悠介の壮絶な運命を予言するかのように、重く響き渡ります。

母親の恐怖と半年前の失踪事件

息子を失うことへの恐怖

悠介を迎えに来た母親は、彼の顔の怪我を見てひどく心配しますが、それ以上に、彼の記憶が再び失われてしまうことを極度に恐れている様子です 。悠介が「軽い打撲だけだ」と軽く受け流しても、彼女は「念のために精密検査を受けた方が…」と食い下がります 。その必死な姿からは、過去に同じような、あるいはそれ以上の辛い経験をしたことがうかがえます。

「だってもしまた あなたの中から私がいなくなったらって考えただけで 怖くて――…」 。母親のこの言葉は、単なる心配ではなく、一度息子を失いかけた親の悲痛な叫びでした。

半年間、彼はどこにいたのか

母親との会話の中で、悠介の記憶喪失の原因となった衝撃的な過去が明らかになります。今から1年前の春、

悠介は都内の高校に入学した直後に失踪していました 。そして、半年もの間行方不明になった末に、家から10キロも離れた公園のボート乗り場で、外傷もなく、ただ眠りこけているところを発見されたというのです 。この謎に満ちた半年間の失踪こそが、彼の15年分の記憶を奪った原因でした。

卒業アルバムに記された「完璧な自分」

鏡の中の「何者」か

自宅に戻った悠介は、鏡に映る自分に問いかけます。「お前は一体 何者だ?」 。母が愛する自慢の息子なのか、それとも、シュウが言うような残虐非道な悪魔なのか 。彼は、シュウの告発がデタラメであることを証明するため、一つの確証を求めて中学の卒業アルバムを開きます

優等生か、それとも悪魔か

アルバムに記されていた中学時代の斎藤悠介は、シュウが語った「クラスのボスでイジメの主犯」という人物像とは、あまりにもかけ離れていました 。そこにいたのは、

「成績優秀」「スポーツ万能」で誰からも頼りにされる「リーダー的存在」 。まさに、絵に描いたような完璧な優等生だったのです

この明らかな矛盾に、悠介は「ギャグじゃ…ねーってのかよ」と激しく混乱します 。そして、自分にとって最も身近な存在である母親が、ずっと自分を騙していたのではないかという、恐ろしい疑念を抱き始めるのです

新たな復讐者と悠介の開き直り

ショックじゃない自分へのショック

悠介は、自分自身の中に潜む可能性に気づき始めます。中学までの自分は、「優等生」の表の顔と「悪魔」の裏の顔を、巧妙に使い分けていたのではないか、と 。そして、本当に恐ろしいのは、その可能性に**「そんなにショックじゃない自分」がいることでした** 。彼は、自分の中に眠る闇の存在を、薄々勘づいていたのかもしれません。

笑顔で復讐に来た男

翌日、悠介が登校していると、新たな人物が声をかけてきます。彼の名は会澤陽二郎(あいざわ ようじろう) 。悠介の中学の同級生だと名乗る彼は、昨日卒業アルバムで見たばかりの顔でした

会澤は、人懐っこい笑みを浮かべながら、おもむろに自身の左手を見せつけます。その掌には、向こう側が透けて見えるほどのおぞましい穴が空いていました。そして、彼は悠介に向かってこう言うのです。

「キミが一生懸命 開けてくれた穴じゃないか ボクのために」

彼は、シュウに続く二人目の復讐者でした。「笑顔で復讐に」来た、と彼は静かに告げます

「知らねーモンは知らねー」

次々と現れる過去の被害者たち。しかし、悠介の反応は予想を超えるものでした。彼は悪びれる様子もなく、むしろ開き直ったかのような不気味な笑顔で、会澤にこう言い放ちます。 「過去の俺が何やらかしてようが」「知らねーモンは知らねーんだから カンベンしてくれよ」

記憶がないことを盾に、過去の罪から逃れようとする悠介。彼のこの態度は、彼が本物の「悪魔」であることを、より一層強く印象付けます。彼の失われた過去には、一体どれだけの地獄が隠されているのでしょうか。物語は、さらなる謎と恐怖をはらみながら、次の展開へと続いていきます。

まとめ【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】2話を読んだ感想(ネタバレあり)

第1話の衝撃が冷めやらぬ中、第2話は主人公・悠介の内面を深く掘り下げることで、物語の恐怖をさらに一段階引き上げたように感じました。特に印象的だったのは、自分が「悪魔」かもしれないという恐ろしい可能性に対して、「そんなにショックじゃない自分」の存在に気づき、静かに戦慄するシーンです 。この内面の描写が、悠介というキャラクターの得体の知れない不気味さを際立たせていました。

また、中学時代の彼は「完璧な優等生」だったという新事実が提示されたことで、物語に深みが生まれました 。単なる非道な少年ではなく、表と裏の顔を完璧に使い分ける狡猾さを持っていたのかもしれないと思うと、その闇の深さにゾッとします。

そして、会澤陽二郎という新たな復讐者の登場は、まさに悪夢の連続でした。シュウが怒りと憎しみを爆発させたのに対し、会澤は笑顔で、静かに、しかし確実に悠介を追い詰めていきます 。その対照的な姿が、悠介が過去に行ってきた非道のバリエーションを物語っているようで、想像力を掻き立てられました。

最後の悠介の開き直った笑顔には、もはや恐怖しか感じません 。彼は記憶喪失を悲劇としてではなく、過去の罪から逃れるための「便利な道具」として利用しようとしているようにさえ見えます。彼の底知れない悪意に、今後の復讐者たちがどう立ち向かっていくのか、目が離せません。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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