【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】6話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】第6話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、主人公・悠介と復讐者・会澤は、「失われた記憶を取り戻す」という歪んだ目的のために協力関係を結びました 。第6話では、二人の奇妙な「契約」に基づき、悠介の過去を紐解くための最初の旅が始まります。彼らが向かうのは、悠介の罪が染みついた「思い出の場所」。そこで悠介は、自身の記憶の断片が、紛れもない現実であったことを突きつけられます。


リムジンで向かう地獄への旅路

僕らの唯一のルール

悠介と会澤の地獄巡りは、なんとレンタルされたリムジンの中から始まります 。冷凍みかんを差し出し、まるで遠足にでも行くかのように振る舞う会澤 。その常軌を逸した呑気さに、悠介は困惑を隠せません。

移動中の車内で、悠介は最も気になっていた疑問をぶつけます。それは、自分が本当に人を殺したのか、という問いです 。それに対し、会澤は意外な答えを返します。中学時代、どれほど非道な「遊び」をしても、

「殺人」だけはしなかった、と 。なぜなら、彼らの「遊び」は相手の反応を楽しむのが目的であり、殺してしまっては「壊れた玩具」と同じで面白くないから

「相手を殺さない」、それが彼らの唯一のルールだったのです 。これを聞いた悠介は、自分たちにも命を大事にする良心が少しはあったのかと、わずかに安堵するのでした

記憶の空白、失踪した半年間

しかし、その安堵も束の間、会澤は悠介に冷徹な事実を告げます。悠介が見た「人を殺した記憶」は、中学時代のものではない 。それは、

悠介が失踪してから発見されるまでの、空白の半年間に起きた出来事だ、と 。悠介の罪は、中学時代だけでは終わっていなかったのです。


悪魔の遊び場、廃校舎

「思い出」を巡る恐怖のツアー

やがて二人は、立入禁止の看板が立つ山奥の廃校舎に到着します 。会澤は、ここがかつての自分たちの「遊び場」であり、「ホームグラウンド」だったと楽しげに語ります 。

校舎に入ると、会澤による「思い出を巡るツアー」が始まります。

  • トイレ: 気に入らない奴を監禁し、一度は2日間も放置してしまった場所 。
  • 理科室: アルコールランプで人の肌を炙る「人体実験ごっこ」をした場所 。
  • 保健室: 「R指定」の部屋と呼ばれ、悠介が数えきれないほどの女性を犯した場所 。

次々と語られるおぞましい過去の所業。会澤にとっては「昨日のことのように」蘇る思い出も 、記憶のない悠介にとっては、ただただおぞましい物語にしか聞こえません。

記憶喪失への感謝

あまりにエグい「思い出」の数々に、悠介は思わずこう感じます。「こんなにもありがてえと思ったことはないな」。皮肉にも、彼は自分の罪を思い出せない

記憶喪失という状況に、感謝すら覚えてしまうのでした


血痕が示す記憶の真実

作戦会議室「3年1組」

廃校舎を巡るうちに、悠介はまるで何かに引き寄せられるかのように、ある教室の前で足を止めます 。そこは「3年1組」の札がかかった教室 。会澤によれば、そこは次にどんなゲームで遊ぶか、二人が議論を交わした**「作戦会議室」**でした

消せない記憶の染み

その教室に足を踏み入れた瞬間、悠介は確信します。ここが、

自分の脳裏に焼き付いた、血のフラッシュバックの現場であることを 。彼は床に残る黒い染みを指さします。それは、どれだけ掃除しても、どれだけ時間が経っても消えることのない、

人間の血液の染みでした

記憶の断片と、目の前の現実が一致した瞬間。会澤は悠介に迫ります。「ほらちゃんと思い出してよ」「君は1年前 この場所で 誰とどんな遊びをした?」。物語は、悠介が自身の最も深い罪と対面する寸前で、幕を閉じます。


まとめ【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】6話を読んだ感想(ネタバレあり)

第6話は、悠介の過去の悪行がより具体的に、そしておぞましく描かれた回でした。特に、会澤が案内する廃校舎ツアーは、一つ一つの場所に染みついた罪の記憶を追体験させるようで、読んでいて吐き気を覚えるほどでした。悠介が、そんな過去を思い出せない自分に「ありがたい」と感じてしまうシーンは、彼の現在の良心と過去の所業との断絶を浮き彫りにしており、非常に印象的です。

また、「殺さないのがルール」という会澤の言葉は、一見すると救いのように見えて、実は彼らの異常性をさらに際立たせています。彼らにとって、他者は命を奪う対象ですらなく、ただ反応を楽しむためのおもちゃでしかない。その底知れない非人間性に、改めて戦慄しました。

そして、ついにフラッシュバックの現場にたどり着いた悠介。床の血痕という動かぬ証拠を前に、彼はもう「記憶にない」では済まされない状況に追い込まれました。会澤の最後の問いかけは、悠介だけでなく、私たち読者にも向けられているように感じます。この場所で、一体誰が、どのようにして、悠介の「おもちゃ」にされたのか。謎の核心に迫る次回の展開から、目が離せません。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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