【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】8話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】第8話をネタバレありでわかりやすく解説する
前回、悠介の記憶を呼び覚ますため、廃校舎に偶然現れたカップルを使い、残酷な「ゲーム」を開始した会澤。第8話は、そのおぞましい「エロゲー」の舞台から幕を開けます。抵抗する悠介に対し、会澤は彼の最も大切なものを人質に取り、悪魔の所業とも言うべき、究極の選択を突きつけるのです。
悪魔が仕立てたおぞましい舞台
強制される過去の「遊び」
会澤によって、カップルの女性・翠は下着姿にされ、椅子に縛り付けられてしまいます。「ここまでお膳立てしたら空気読んでほしいなァ」「サクッと犯っちゃってよ」。会澤は、これが過去に何度も繰り返した「遊び」であり、記憶を呼び覚ますための儀式なのだと、悠介に実行を迫ります。
抵抗する現在の「良心」
しかし、現在の悠介に、そんな非道な行いができるはずがありません。「コレは犯罪よ 犯罪!!!!」と叫ぶ翠に同調するように、悠介も「冗談キツイぜ」と必死に抵抗します。この行動は、悠介の中に過去の「悪魔」とは異なる、まっとうな良心が存在していることの証明でした。
恐怖で支配するサディスティックな手口
安全ピン一本で人の心を折る方法
助けを求め、騒ぎ続ける翠に対し、会澤は「うるさいなー」と言いながら、先端の尖ったアイスピックのようなものを彼女の首筋に突きつけます。「それ以上ひと言でも喋ったらこのアイスピックで頸動脈をブスリ…」。その脅しに、翠は恐怖で完全に沈黙します。
しかし、会澤は「あーあ 喋っちゃった」と、その凶器を彼女の胸に…。と見せかけて、それがただの安全ピンだったことを明かし、恐怖に怯える彼女を嘲笑うのです。人の心を恐怖で弄び、支配することに、彼は至上の喜びを感じていました。
「全部、君が教えてくれたんだ」
恐怖のあまり失禁してしまった翠を見て、「とーっても悪い子だねェ」と笑う会澤。その姿に、悠介は汚物を見るかのような嫌悪の眼差しを向けます。すると会澤は、待ってましたと言わんばかりに、衝撃的な言葉を口にします。
「コレ全部 君が教えてくれたことだよ?」
会澤は、過去の悠介こそが、手取り足取り、クラスの女子を使って他の生徒を屈服させる方法を教えてくれた「師匠」なのだと語ります。全ての罪の根源は悠介にあると責任転嫁し、自分はただそれを再現しているだけだと嘯くのでした。
究極の選択、二つの地獄
「初体験」へのささやかな抵抗
それでもなお、悠介は最後の抵抗を試みます。翠の目隠しを外そうとしながら、「今の記憶じゃ俺まだ童貞なんだぜ?」「初体験がコレってのはあんまりじゃねーか」。この言葉は、彼が必死に現在の自分のアイデンティティにしがみつこうとしている、悲痛な叫びでした。
「この女を犯す」か「恋人のレイプを鑑賞する」か
その抵抗も、会澤の次の一手によって、無慈悲に打ち砕かれます。会澤が取り出したスマホの画面には、彼の仲間に拘束されている、悠介の恋人・環の姿が映し出されていました。
そして、会澤は悠介に、悪魔の選択を突きつけます。 「じゃあ選べ」「今スグここでこの女を犯すか」「それとも愛しい恋人が強姦されるのをそこで鑑賞するか」
悠介は、二つの地獄のどちらかを選ばなければならない、絶望的な状況に追い込まれてしまったのです。
まとめ【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】8話を読んだ感想(ネタバレあり)
第8話は、息苦しさでページをめくる手が震えるほどの、凄まじい回でした。会澤のサディスティックな手口が、これまで以上にエスカレートしており、彼の行動原理が単なる記憶喚起ではなく、悠介の現在の心を徹底的に破壊することにあるのが明確になりました。
特に、「全部、君が教えてくれたことだよ」というセリフは、巧みな責任転嫁であり、悠介を精神的に追い詰める最もえげつない一言だと感じました。悠介が抱く罪悪感や嫌悪感すらも、彼を苦しめるための道具に変えてしまう会澤のやり口には、底知れない邪悪さを感じます。
そして、最後の二者択一は、漫画史に残るレベルの悪辣な選択ではないでしょうか。どちらを選んでも、悠介の心は取り返しのつかないほどに傷つき、汚されてしまう。もはやこれは記憶を取り戻すための「ゲーム」などではなく、魂の殺人そのものです。
この絶望的な状況で、悠介はどちらの地獄を選ぶのか。あるいは、第三の道はあるのか。物語は、読者の心を鷲掴みにしたまま、最悪のクリフハンガーで次へと続きます。
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