【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】11話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】第11話をネタバレありでわかりやすく解説する
前回、殺害した少女・一ノ瀬明里の記憶を取り戻した悠介。第11話では、悠介と会澤が事件の真相を探るため、明里の実家を訪れます。そこで待っていたのは、孫娘の帰りを信じ続ける優しい祖母と、彼女がひた隠しにしてきた悲しい真実でした。悠介は、被害者である明里の、知られざる「光」と「影」に触れることになります。
被害者の実家へ、偽りの訪問
手作りの「クマっしー」と優しい祖母
悠介と会澤は、一ノ瀬明里が暮らしていた家を訪れます。二人を出迎えたのは、人の良さそうな明里の祖母・一ノ瀬辰でした。悠介は、とっさに「アカリからの預かりモノを返しにきてくれた」と嘘をつき、自作のキャラクター「クマっしー」のキーホルダーを、明里から預かった大切なものだと偽って差し出します。この偽りの口実によって、二人は家の中へと招き入れられるのでした。
祖母が語る一ノ瀬明里の「光」と「影」
明るく笑う、写真の中の少女
会澤が席を外した隙に、悠介は明里がこの家でどんな風に過ごしていたのかを祖母に尋ねます。祖母は、早くに両親を事故で亡くした明里を、夫と共に引き取って育てたことを話します。そして、飾られた写真を見せながら、「名前の通り明るく笑っとりました」「この子は明るくすくすく育ってるって安心したもんです」と、孫娘の思い出を懐かしそうに語るのでした。
「捜さないで」というたった一度のワガママ
しかし、祖母は「けど今思うと」と、本当の胸の内を明かし始めます。明里は、本当は明るかったのではなく、何があっても明るく振る舞おうと無理をしていただけだったのではないか、と。祖母は、明里が暴漢に襲われ妊娠してしまった事実も、全て知っていました。
そして、その事実が明るみに出た直後、明里は祖母に「一生のお願いだからこのコトは警察沙汰にはしないでくれ」と懇願したといいます。それが、彼女が祖母に言った、後にも先にも**たった一度の「ワガママ」**でした。その後、彼女は「捜さないでほしい」という置き手紙を一つ残して、家から姿を消してしまったのです。それでも祖母は、「あの娘は必ずどこかで生きている」と、今も強く信じていました。
会澤の非道な企みと悠介の良心
トイレの窓から侵入する計画
明里の家を辞去した後、会澤は悠介に自身の企みを明かします。それは、悠介が祖母と話して気を引いている間に、会澤がトイレの窓から家に侵入し、明里の部屋を物色するという非道な計画でした。悠介がトイレの鍵を開けておく手筈でしたが、悠介はそれを実行しませんでした。
試される「悪魔」の資質
悠介が「できるわけねーだろ」と反発すると、会澤は「いよいよ悠介もらしくなってきたねぇ…」と、どこか嬉しそうに笑います。会澤は、悠介の良心が、過去の「悪魔」としての自分に打ち勝てるのか、試していたのかもしれません。結局、二人は祖母が入院中の祖父の見舞いに出かけた隙を狙って、再び家に侵入するのでした。
誰もいない部屋に残された「答え」
本棚と、一つのぬいぐるみもない部屋
明里の部屋は、本ばかりが並ぶ、驚くほど簡素な部屋でした。会澤が「まったく可愛気がないねー」と評するのに対し、悠介は、祖父母に遠慮して「アレ欲しいコレ欲しいって気軽に言えないんだと」と、彼女の心境を代弁するかのように呟きます。
この部屋で、俺と一ノ瀬は…
そして、悠介の脳裏に、失われた記憶の断片が蘇ります。それは、この殺風景な部屋で、明里と二人きりで、他愛もない話をしながら笑い合った、穏やかで幸せな時間の記憶でした。残虐な「悪魔」の顔とは全く違う、一人の少年としての悠介の姿が、そこにありました。
まとめ【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】11話を読んだ感想(ネタバレあり)
第11話は、これまで被害者としてしか描かれてこなかった一ノ瀬明里という少女の人物像に、深い奥行きを与える回でした。祖母の言葉から伝わる、彼女の優しさと、その裏に隠された壮絶な苦しみには、胸が締め付けられる思いです。「捜さないで」という置き手紙に込められた彼女の覚悟を思うと、言葉になりません。
また、悠介が会澤の非道な計画に加担しなかったシーンは、彼の現在の良心を示す重要なポイントでした。そして、最後に蘇った明里との穏やかな思い出。残虐な「悪魔」だったはずの悠介と、被害者だったはずの明里が、二人きりの部屋で幸せそうに笑い合っている。この記憶は、二人の関係が単純な加害者と被害者ではなかったことを、強く示唆しています。
愛し合っていたはずの二人に、一体何があったのか。なぜ悠介は、彼女を殺さなければならなかったのか。事件の謎は、より切なく、そしてより深いものへと変わっていきます。明里の部屋に残された手がかりが、その答えを導き出してくれるのでしょうか。
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