【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】18話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】第18話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、最初の復讐者であったシュウから「もう何も思い出すな」と、思いもよらない言葉をかけられた悠介。第18話では、悠介が過去の罪と向き合いながらも、母親との間に新しい日常を築こうと奮闘する、切なくも温かい姿が描かれます。しかし、その穏やかな日々の裏では、復讐の影が静かに彼を苛み続けていました。

新しい日常と、母に捧げるカレーライス

優等生への回帰?

物語は、悠介の家での平和な朝の食卓から始まります。夏休みに入ってから、悠介は人が変わったように夜遅くまで勉強に励むようになっていました。その変化に、母親は驚きと喜びを隠せません。悠介は「来年受験なんだから」とぶっきらぼうに答えますが、その姿は、かつての彼を知る者から見れば、大きな一歩でした。

涙の理由

さらに悠介は、いつも仕事で帰りが遅い母親を気遣い、「これからは俺が晩飯作っとくから」と申し出ます。その優しくも不器用な申し出に、母親は思わず涙を流してしまうのでした。彼女にとって、悠介の「点数稼ぎ」という冗談の裏にある思いやりは、失われたと思っていた息子との絆が、再び結ばれ始めた証のように感じられたのです。

癒えない恐怖と、消せない罪悪感

やまない嫌がらせ

しかし、悠介の日常が完全に平和になったわけではありませんでした。会澤による「保護」があるとはいえ、彼の身の回りでは、夜道で何者かに跡をつけられたり、突然車道に突き飛ばされたりといった、陰湿な嫌がらせが続いていたのです。その恐怖から、悠介は気軽に外出することもできず、心は常に張り詰めていました。

過去に怯えながら生きていく

悠介は、一ノ瀬明里が飼っていた猫の「ユースケ」に、「ちゃんと自分の過去に怯えながら生きていくから」「アイツのことは絶対に忘れねェから」と、静かに誓います。彼は、記憶がないからといって罪から逃げるのではなく、その罪悪感と恐怖を抱えながら生きていくことを、自らに課していたのです。

母親の告白と、食卓に灯る希望

息子の変化に喜ぶ同僚たち

その日の夕方、パート先のスーパーで、悠介の母は同僚たちに「息子がカレーを作って待っている」と嬉しそうに報告します。息子の変化を、まるで自分のことのように喜んでくれる同僚たち。そのやり取りから、彼女がどれほど悠介のことを案じていたかが伝わってきます。

「もう一度、元の家族に戻れるの?」

帰宅した母親は、悠介に半年前の本当の気持ちを打ち明けます。悠介が失踪していた時の恐怖、そして記憶を失って帰ってきた悠介とどう接すればいいかわからなかった不安。「私たち もう一度元の家族に戻れるの?」。それは、彼女がずっと抱えていた切実な願いでした。

「ここからちゃんと始めればいい」

そして、食卓に並んだのは、悠介の母の特製カレーでした。その懐かしい味を口にした悠介は、**「うめェ…」**と、心の底からの笑顔を見せます。その笑顔は、記憶を失う前の、本当に美味しいものを食べた時の彼と同じでした。その姿を見た母親は、「忘れてたのはもう一度ここからよ」「ちゃんと始めればいい」と、優しく語りかけます。それは、過去を許し、現在の悠介を息子として受け入れるという、何よりも温かい言葉だったのでした。

まとめ【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】18話を読んだ感想(ネタバレあり)

第18話は、これまでの凄惨な展開から一転し、親子の愛情という、一筋の光が描かれた感動的な回でした。悠介が不器用ながらも母親を思いやり、母親もまた、息子の変化を心から喜び、そして過去の不安を乗り越えて彼を受け入れる。カレーライスを囲む食卓のシーンは、この物語の中でも屈指の温かい名場面だと思います。

しかし、その裏で続く嫌がらせの描写が、この平和が非常に脆いものであることを示唆しています。悠介が「過去に怯えながら生きていく」と決意したように、彼の罪が消えることはありません。この温かい日常は、次にやってくるであろう、さらなる地獄の前の、嵐の前の静けさなのかもしれません。

悠介が手に入れた、ささやかで温かい希望。彼がこの希望を守り抜くことはできるのか。物語は、新たな日常と消えない過去の狭間で、静かに次なる展開を待っています。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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