【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】27話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】第27話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、一ノ瀬明里が悠介を守るために誰かを殺害した可能性が示唆され、物語は新たな謎に包まれました。第27話では、悠介と環が、全ての記憶が眠る「思い出の町」へと旅立ちます。恐怖に足がすくむ悠介と、彼を支えようとする環。二人の絆が試される、切なくも希望に満ちた道中が描かれます。

恐怖の旅路と、彼女の笑顔

キャラ弁と、ぎこちない小旅行

悠介と環は、電車に揺られ、悠介の記憶に残る港町へと向かいます。重い空気を振り払うかのように、環は「じゃーんっ!!!!」と手作りのキャラ弁を取り出します。それは、以前悠介が明里の祖母を訪ねる口実にも使った、自作キャラクター「クマっしー」の弁当でした。旅を楽しもうと無邪気にはしゃぐ環と、対照的に、これから起こるであろう出来事に恐怖を隠せない悠介。二人の温度差が、旅の緊張感を物語っていました。

「これはね、ただのデート!」

「あの町に着いたら俺はどうなっちまうんだ?」。記憶が蘇ること、悪魔に戻ってしまうこと、そして明里と再会すること。様々な恐怖に苛まれる悠介の心を、環は見抜いていました。そして、彼女は最高の提案をします。

「これはね ただのデート!」「たまたま偶然フラッと降りた町が悠介の思い出の場所だったってだけ!」

過去の罪と向き合うための陰鬱な旅を、「ただのデート」と言い換える。環のその一言が、悠介の心をふっと軽くしたのでした。

二人の「覚悟」

会澤に釘を刺した環の強さ

実は、環はこの旅に出る前、すでに行動を起こしていました。悠介の母親に入院中の世話を申し出ると共に、会澤にも会いに行っていたのです。彼女は会澤に対し、**「秘密をぜーんぶぶちまける覚悟はできてるから」**と、悠介を守るためには全てを公にする覚悟があると、力強く宣言していました。もはや彼女は、ただ守られるだけの存在ではなかったのです。

一ノ瀬に似てきた、君の強さ

そんな環の姿に、悠介はかつての明里の面影を重ねます。外見だけでなく、その芯の強い中身まで、二人はどこか似ている。悠介は、自分が彼女たちの「強さ」に惹かれていたのかもしれない、と気づき始めるのでした。

手を取り合って、失くした自分を探しに

ついに着いた、記憶の町

電車は、ついに目的の駅に到着します。駅のホームから見える風景は、悠介が描いたスケッチと寸分違わず、彼の記憶が本物であったことを証明していました。

「大丈夫だよ、一緒に行こう」

記憶の場所を目前にし、再び恐怖に立ちすくむ悠介。その震える手を、環はそっと握ります。「大丈夫だよ」「一緒に行こう」。彼女のその温もりが、悠介に最後の一歩を踏み出す勇気を与えました。失くした自分を探すため、そして、一ノ瀬明里に会うため。二人は、手を取り合って、思い出のアパートへと歩き出すのでした。

まとめ【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】27話を読んだ感想(ネタバレあり)

第27話は、これまで描かれてきた地獄のような展開の中で、一際輝く希望の光が描かれた回でした。特に、環のキャラクターの成長と、彼女の強さには、心から感動しました。悠介の恐怖を「ただのデート」という言葉で包み込み、彼の心を軽くする優しさ。そして、会澤に一歩も引かないと宣言する覚悟。彼女は、この物語における、間違いなくもう一人の主人公です。

悠介が、環の強さに明里の面影を重ねるシーンも印象的でした。彼が本当に惹かれるのは、相手の持つ「魂の強さ」なのかもしれません。最後の、二人が手を取り合って歩き出すシーンは、これからの困難に二人で立ち向かっていくという決意の表れであり、この物語屈指の名場面だと思います。

いよいよ、全ての謎が眠る「みどり荘」に到着した二人。この先で、彼らはどんな真実と向き合うことになるのでしょうか。今はただ、二人の絆が、どんな過酷な運命にも打ち勝ってくれることを祈るばかりです。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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