【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】29話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】第29話をネタバレありで解説する
前回、環の愛に支えられ、自らの過去と向き合う覚悟を決めた悠介。第29話では、ついに全ての記憶が眠るアパート「みどり荘」にたどり着きます。そこで彼を待っていたのは、失踪していた半年間の、悠介自身のもう一つの顔と、真実の扉を開ける最後の鍵でした。
悠介と瓜二つの男「ユーサク」
漁師が知る、失踪中の悠介
悠介と環が、記憶の場所である「みどり荘」の102号室の前に立つと、隣の部屋から一人の男性が現れます。その男性、漁師のケンチは、悠介の顔を見るなり、親しげに**「ユーサクじゃねーか!!!!」**と呼びかけました。さらに、隣にいる環を見て、「そっちの子はチサトちゃん」と口にします。
この町で、三人は暮らしていた
ケンチの言葉で、悠介は確信します。失踪していた半年間、自分は**「ユーサク」という偽名を使い、「チサト」という環によく似た少女、そして一ノ瀬明里と共に、この港町で暮らしていた**のです。悠介の失われた記憶のパズルが、大きな輪郭を見せ始めました。
「チサト」からの置き手紙
2ヶ月前に現れた謎の少女
ケンチに紹介された大家の男性は、悠介に一通の手紙を差し出します。それは、2ヶ月ほど前に、猫のようにふらっと現れた「チサト」が、大家に預けていったものでした。「もしまたお前がここに現れるコトがあればユーサクに」と、彼女は言い残していったのです。
一ノ瀬明里は、生きている
この手紙の存在は、二つの重要な事実を明らかにしました。一つは、環にそっくりな少女「チサト」が、今もどこかで生きているということ。そしてもう一つは、彼女と一緒にいたはずの一ノ瀬明里もまた、生きている可能性が非常に高い、ということでした。その事実に、悠介と環は安堵と希望を抱きます。
蘇る全ての記憶
開けられない手紙
大家から部屋の鍵を渡され、いつでも入っていいと言われた二人。しかし、悠介は、チサトからの手紙を前に、言いようのない不安に襲われ、その場で立ち尽くしてしまいます。この手紙を開けてしまえば、全てが分かってしまう。その恐怖が、彼をためらわせていました。
「俺と一ノ瀬の物語を、全部」
環に促され、悠介は意を決して102号室の扉を開けます。その部屋に足を踏み入れた瞬間、彼の脳内で、最後の記憶の欠片が繋がりました。悠介はその場に倒れ込み、そして、静かに顔を上げると、環にこう告げるのです。
「全部思い出したよ」「俺と一ノ瀬の物語を」「俺達が犯した罪の全てを」
ついに、悠介の失われた記憶は、完全な形で蘇ったのでした。
まとめ【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】29話を読んだ感想(ネタバレあり)
第29話は、これまでの全ての謎が、一つの線として繋がっていく、非常にカタルシスのある回でした。「ユーサク」と「チサト」という、悠介と環にそっくりな存在がいたという事実は、これまでの不可解な点を見事に説明してくれましたね。
そして、チサトからの手紙という、物語の核心に迫るキーアイテムの登場には、手に汗握りました。悠介が手紙を前にして、恐怖でためらうシーンは、彼の心の葛藤が痛いほど伝わってきて、非常に印象的でした。
ラスト、全ての記憶を取り戻した悠介が、環に「全部聞いてくれ」と語りかけるシーンで、物語は大きな節目を迎えます。失踪中の半年間に、悠介と明里、そしてチサトの三人に、一体何があったのか。彼らが犯した「罪」とは何なのか。次号、ついに全ての真相が語られることを確信させる、最高の引きだったと思います。
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