【前の住人がやってきた】2話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【前の住人がやってきた】第2話をネタバレありでわかりやすく解説する

この102号室の…異常さに…!」 という前の住人・津田川の言葉で幕を閉じた第1話。第2話は、その緊迫した状況からスタートします。部屋の秘密を知る津田川と、彼の異常な言動に恐怖する主人公・後藤の関係は、さらに複雑な様相を呈していきます。

部屋の「異常」と津田川の狂気

後藤に迫る津田川は、この部屋がもたらす影響について、核心に迫る言葉を口にします。彼の過去に何があったのか、その一端が明らかになります。

狂気のカレンダー

この部屋に住んで正気でいられる訳がないんだ」 、「俺が支えになるから」 と後藤に詰め寄る津田川。後藤は恐怖から「いい加減にしろぉ!」 と叫び、彼を突き飛ばします。

すると、床に倒れ込んだ津田川の目に、壁のカレンダーが飛び込んできました。彼は突然、何かに取り憑かれたかのように叫び始めます。「この日が いけないんだ 十九日 があああ!」 。そう叫びながら、津田川はペンを手に取り、カレンダーの「19日」をめちゃくちゃに塗りつぶすのでした。彼のこの常軌を逸した行動は、過去にこの日付で何か恐ろしい出来事があったことを強く示唆しています。

部屋を選んだ理由と元カノ「サエコ」

しばらくして落ち着きを取り戻した津田川は、おもむろに自身の過去を語り始めます。彼がこの部屋に住むことを決めた一番の理由は、当時付き合っていた元カノ「サエコ」の存在だったようです

サエコに出会って 俺は幸せの絶頂だった」 。そう語る津田川でしたが、幸せな日々は長くは続きませんでした。彼は6月に入ってから、自らサエコと会わないようにしていたと告白します 。

明かされる恐怖の正体

なぜ津田川は、愛する恋人と会うことをやめてしまったのでしょうか。その理由は、彼の個人的な問題ではなく、この部屋そのものにありました。

会えなくなった本当の理由

後藤から「なぜ?」と問われた津田川は、「サエコと会うのが どうしようもなく 怖くなったんだ」 と答えます。連絡を取ることも、声を聞くことさえも怖くなったと言います 。サエコが何か問題のある女性だったわけではなく、原因はすべて「俺側の問題だ」と彼は強調しました 。

そして、後藤の疑念に満ちた視線を受け、ついにその元凶を明かします。

全部 この部屋のせいだ

畳の下に隠されたおぞましいモノ

津田川は後藤にちゃぶ台をどかすように指示し、おもむろに部屋の畳をめくり上げました 。すると、畳の下にはおびただしい数の御札がびっしりと貼られていたのです

御札の中心には、カビか何かのように見える大きな黒いシミが広がっています 。津田川は、これが自分が貼り付けたものであり、当時のままであることを確認しました 。そして、その黒いシミを指さし、震える声で言います。

これが俺らの 人生を狂わせた 存在なんだよ

彼がサエコに会えなくなったのも、「コレのせいさ」 と断言するのでした。

迫りくる「儀式」の時

畳の下の「存在」が明らかになり、物語は一気に核心へと迫っていきます。津田川がこの部屋を訪れた本当の目的とは一体何なのでしょうか。

繰り返される運命

津田川は、後藤も自分と同じ運命を辿ると言わんばかりに「だって君は 俺と一緒! おーんーなーじ!」 と叫びます。彼によれば、この部屋に住んだ者は、ある運命から絶対に逃れることはできません 。何が起こるか分かっていても、自分では決して止められないと彼は言います 。

そして、今日この部屋を訪れた理由を明かしました。

だから二十日の 今日ここに 来たんだ!

包丁が意味するもの

津田川は後藤に彼女がいないことを改めて確認すると 、「君は 誰を…?」 と意味深な問いを投げかけます。親か、兄弟か、友達か、と 。恐怖を感じた後藤は、津田川が持ってきた中華包丁を奪い、彼に突きつけました 。

しかし、津田川は全く動じません。その包丁は「今日のために 念入りに研いで 来たから」 と言い、後藤に「哀れみの目」 を向けます。そして、自分は敵ではなく「仲間だ」 と主張し、「俺の時は それで 救われたから…」 と、さらに謎めいた言葉を口にするのでした。

新たな訪問者の登場

二人がもみ合っている、まさにその時。再びあの忌まわしい音が鳴り響きます。

3人目の「前の住人」

ピンポーン、と鳴り響くインターホン 。後藤は「ま…また…!?」 と、第1話の恐怖を思い出して青ざめます。ドアの向こうからは「うるさい 津田川!」 という女性の声が聞こえました。

津田川がドアを開けると、そこにはスタジャンを着こなした若い女性が立っていました。彼女はにこやかに笑い、こう自己紹介します。

どうもお 前の前の 住人でーす」 。

前の住人に続き、今度は「前の前の住人」の登場です。後藤は「…また この部屋の…住人…?」 と、もはや呆然とするしかありませんでした。この部屋の異常性が、また一つ明らかになった瞬間です。

まとめ【前の住人がやってきた】2話を読んだ感想(ネタバレあり)

第1話の不気味な雰囲気を引き継ぎつつ、第2話では物語の核心に迫る謎が一気に提示され、息つく暇もない展開でした。畳の下にびっしりと貼られた御札と、その中央に広がる黒いシミというビジュアルは、直接的ながらも非常に強烈なインパクトがあり、この部屋の呪いの深さを物語っているように感じます。

津田川が単なる狂人ではなく、この部屋の「呪い」の犠牲者の一人であることが明らかになったことで、キャラクターにぐっと深みが出ました。特に、カレンダーの「19日」に過剰に反応するシーンは、彼が過去にどれほど恐ろしい体験をしたのかを想像させ、胸が痛くなります。

そして何より衝撃的だったのは、ラストの「前の前の住人」の登場です。シリアスなホラー展開の中に、予想の斜め上をいく来訪者が現れたことで、物語のジャンルさえ分からなくなるような不思議な感覚に陥りました。これは単なるホラーなのか、それとも奇妙な人間関係を描くブラックコメディなのか、全く先が読めません。

「俺の時はそれで救われた」という津田川の言葉、そして「君は誰を…?」という問いかけ。この部屋の住人が行う「儀式」とは、一体何なのでしょうか。大切な誰かを犠牲にすることで、自らは「救われる」という残酷なルールでもあるのでしょうか。謎がさらに深まり、新たな登場人物も加わったことで、次の展開への期待が最高潮に達する第2話でした。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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