【みんな、ボドになった。】42話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

【みんな、ボドになった。】第42話をネタバレありでわかりやすく解説する
前回、謎のボドに人質に取られ、決戦の舞台であるクリーンセンターへと一人連行されてしまった沙織。絶体絶命かと思われたその状況は、しかし、味方による決死の作戦の幕開けに過ぎませんでした。第42話では、その驚くべき作戦の全貌が明かされると共に、一筋の希望が、さらに深い絶望によって無慈悲に打ち砕かれる、衝撃の展開が待ち受けています。
謎の襲撃者の正体と、仕組まれた作戦
味方だった謎のボド
クリーンセンターの内部、謎のボドは沙織を人気のない階段の上へと導きます 。そこに置かれていたのは、彼女のリュックサックでした 。中にはウィリアムが用意してくれた着替えと、一枚のメモが。「クリーンセンターに入れたら、わかる場所に荷物を置いておく」 。
このリュックの存在が、沙織にひとつの事実を気づかせます。この不可解な誘拐劇は、敵によるものではないのかもしれない、と。彼女は震える手でボドの衣装を脱ぎ捨て、動きやすい服に着替えると、リュックに忍ばされていたスマホを手に取りました 。
明かされる作戦の全貌
スマホを手に取った瞬間、ウィリアムからのビデオ通話がかかってきます 。そして彼の口から、驚くべき作戦の全貌が語られました。
「行列を足止めしたのは沙織のおじさんだ」
沙織を人質に取った謎のボドの正体、それは、彼女の唯一の血縁者である
伯父(クレープ屋の主人)だったのです 。すべては、祭りの行列から沙織を安全に切り離し、単独でクリーンセンターの内部を調査させるための、味方による決死の陽動 作戦でした 。
伯父からの悲痛な伝言
ウィリアムによれば、伯父は今も外で必死に行列を足止めしているものの、長くはもたない状況だといいます 。村の悪事が暴かれようとしている今、追いつめられた村の上役たちが何をしでかすか分かりません 。
伯父は、ウィリアムに悲痛な伝言を託していました。「何があっても僕たちでちゃんと終わらせろって…」 。そして、「君から謝っておいてほしい」 と、守りたかったはずの弟家族への、消えることのない後悔の念を滲ませるのでした 。
一筋の光明と、それを打ち砕く絶望の銃声
母親、救出の報せ
重い覚悟を受け止める沙織に、ウィリアムは一筋の光となる朗報を伝えます。なんと、これまで村の悪事に介入しなかったはずの警察が助けに来てくれたというのです 。さらに、警察は「不用品」役として捕らえられていた人々を発見し、その中には、行方不明だった沙織の母親も含まれているという、信じられない吉報でした 。
「お母さん…!本当!」 。絶望の淵にいた沙織の目に、ようやく希望の光が差し込みます。
豹変する「正義」の味方
ウィリアムは「無事だよ」「話せるように移動するから」と、沙織を安心させようとします 。しかし、ビデオ通話の画面の奥、ウィリアムの背後に映る警察官の姿に、沙織は言いようのない違和感を覚えました 。
次の瞬間、その警察官は無言で懐から拳銃を取り出し、カチャリ、と冷たい音を立ててその銃口をウィリアムに向けたのです 。
響き渡る悲鳴
「だめえええええっ」
沙織の悲痛な叫びもむなしく、スマホの画面は真っ暗になり、無情にも通話は途切れてしまいます。仲間からの返事はありません 。信じたくない最悪の事態を悟った沙織は、その場に崩れ落ちそうになりながらも、固く拳を握りしめました。
「これ以上誰も死んだりしない!」
「友達も家族も絶対に守るんだ」
悲しみに暮れる暇さえなく、彼女はたった一人、友と家族を救うため、クリーンセンターの闇の奥深くへと足を踏み入れる覚悟を決めるのでした。
まとめ【みんな、ボドになった。】42話を読んだ感想(ネタバレあり)
希望と絶望が目まぐるしく入れ替わる、まさに感情のジェットコースターのような回でした。前半、謎の襲撃者の正体が伯父であり、すべてが仲間を救うための作戦だったと明かされた時には、鳥肌が立つほどのカタルシスを覚えました。孤独だと思っていた沙織の背後には、命がけで彼女を支える人たちがいた。この熱い展開に、胸が熱くなった読者も多いのではないでしょうか。
しかし、本作はそんな甘い希望をいとも容易く打ち砕きます。母親の救出、そして警察の到着という最大級の希望を見せた直後に、その警察官自身が敵であったという、あまりにも残酷な裏切り。これには、ただただ愕然としました。村の腐敗は、私たちの想像を遥かに超え、公権力の中枢にまで及んでいたのです。この底知れない闇の深さに、改めて戦慄を覚えました。
そんな絶望的な状況下で、沙織が見せた「絶対に守る」という強い決意には、心を揺さぶられます。これまでの彼女は、恐怖から「逃げる」ことしかできませんでした。しかし、数多の悲劇と仲間の想いを受け止めた今、彼女は自らの意志で「戦う」ことを選んだのです。その確かな成長が、この救いのない物語における唯一の希望の光のように感じられました。
仲間との連絡も途絶え、たった一人で巨大な悪意に立ち向かうことになった沙織。彼女が向かう扉の先に、一体何が待っているのか。絶望の淵から、物語がどう反撃の狼煙を上げるのか、一瞬たりとも目が離せません。
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