【閻魔の教室】1話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【閻魔の教室】第1話をネタバレありでわかりやすく解説する

『閻魔の教室』という刺激的なタイトルの表紙を飾るのは、冷徹な表情を浮かべた一人の男性です。 物語の舞台は学校のようですが、ただの学園ドラマではないことが冒頭から示唆されます。 これから始まるのは「指導」なのか、それとも「裁き」なのか。 新任教師が教壇に立ち、静かに言い放った言葉から、前代未聞の物語が幕を開けます。

舞台はまさかの地獄!? 閻魔大王が抱える深刻な悩み

物語はなんと、私たちがよく知る人間界ではなく「地獄」から始まります。 荘厳な建物の中、鴉が舞う不穏な雰囲気とは裏腹に、地獄は現在、ある深刻な問題を抱えていました。

天国からの催促状

地獄の支配者である閻魔大王のもとに、天国からまたも「催促状」が届けられます。 いったい何を催促されているのでしょうか。その原因こそが、地獄を揺るがす大問題だったのです。

増え続ける罪人と閻魔大王の苦悩

閻魔大王が頭を悩ませていた問題、それは「地獄の人口過密問題」でした。 年々、地獄に落ちる罪人は増える一方なのに 、鬼たちによる罪人の更生や裁き、輪廻転生が全く追いついていません。 結果として地獄の人口は一向に減らず、このままでは地獄の王としての威厳も保てないと、大王は焦りを感じていたのです。

問題解決の切り札? 閻魔大王の息子・天命

どうしたものかと苦悩する閻魔大王ですが、彼には奥の手がありました。それは、自身の息子を頼ることです。

「力ずくで連れて来い」

業を煮やした閻魔大王は、部下の鬼に「息子を連れて来い」と命じます。 しかし、鬼たちの反応は尋常ではありません。「無理です!!!」と顔を真っ青にして拒絶し、「我々鬼が10人総出で挑んでも敵う御方じゃありません!!!!」「全員皆殺しにされます!!!」と、その息子の圧倒的な強さと危険性を訴えます。

この言葉を聞いても、大王は冷徹に言い放ちます。「ならかえって好都合ではないか… 地獄の人口を減らすことがワシにとっては一番大事なことだ…!!」。 目的のためなら手段を選ばない、王としての非情な覚悟が垣間見える瞬間です。

二代目閻魔大王・閻魔天命

場面は変わり、多くの女性たちにかしずかれながら、退廃的な雰囲気の中で一人の青年が横たわっています。彼こそが、閻魔大王の息子であり「二代目閻魔大王」の肩書を持つ、閻魔天命(えんま てんめい)です。

父からの呼び出しを聞いた天命は、二百年ぶりの再会だと呟きながら、不敵な笑みを浮かべます。 そして、「やっと俺に『王の座』を譲る気になったか…!!!!」と、呼び出しの意図を王位継承だと確信するのでした。

すれ違う父子の思惑

閻魔大王のもとへ向かった天命。しかし、父と子の思惑は大きくすれ違っていました。

勘違いの王位継承式

天命は、今回の呼び出しが「王座の継承式」のためだと完全に思い込んでいます。 その勘違いに気づいた側近の鬼は、もし二人の意見が衝突すれば「地獄は壊滅する!!!」と、最悪の事態を想像して震え上がります。

地獄の人口問題、解決策を巡る舌戦

ついに閻魔大王と天命は対峙します。七十年前に反抗期を卒業したという天命の軽口をいなし、大王は「今日は継承式で呼んだのではない…!!!」と、天命の期待を真正面から打ち砕きました。

本題である人口過密問題について、大王は天国から催促状が来ていることを伝えます。 これに対し天命は、「罪人なら俺が裁いて(消して)るじゃねぇか」と、自分のやり方で人口を減らしていると主張します。 しかし大王は、天命の「残虐な殺し方」そのものが天国で問題視されているのだと指摘。 そもそも天命が罪人を更生させようとしないから罪人が増え続けるのだと続け、「だからお前は『半人前』なのだ」と厳しく断罪します。

予想外の解決策と驚愕の使命

父から「半人前」とまで言われ、舌戦は天命の負けかと思われた瞬間、彼は誰もが予想しなかった解決策を提示します。

「罪人を地獄に来させなければいい」

天命は静かに、しかし核心を突く言葉を口にしました。「そもそも罪人を地獄に来させなければいい…」「地上にいる人間の問題だ」。 つまり、問題の根本は地獄ではなく、罪人を生み出す人間界にあるというのです。

この逆転の発想に、閻魔大王は目を見開いて驚き、「それだ」「さすがだ天命」と歓喜の声を上げました。

「お前を『人間』にする」

息子の提案に活路を見出した大王は、驚くべき決断を下します。

決めたぞ…!!お前を一時的に『人間』にする」。

そして、天命に与えられた使命は、なんと「学校の教師」になることでした。 将来罪人となり地獄に落ちる可能性のある「子供」を「教育」し、罪人ではなく聖人へと導くことで、人口過密問題を根本から解決せよ、という壮大な計画です。

新任教師・怨馬典明、誕生

あまりに突飛な命令に、天命は当然ながら激しく抵抗します。しかし、閻魔大王は切り札を用意していました。

王の座を賭けた契約

大王は天命にこう告げます。「子供たちを正しい道へ導き職務を全うした暁には お前に『王の座』を継承しよう…!!」。 悲願であった王の座を条件に出され、天命はこれを受け入れざるを得ませんでした。

こうして天命は「怨馬典明(えんま てんめい)」という新たな名と、32歳・独身・高校教員という経歴を与えられ、人間界へと送られることになったのです。

問題児だらけの1年E組

舞台は人間界の冥童高等学校に移ります。 ここで副担任を務める竹井桃子先生は、担当クラスである1年E組の生徒たちに完全に手を焼いていました。

生徒たちは気に入らない教師がいると、SNSで嘘の情報を流して炎上させ、辞職に追い込むことを「教師抹殺」と呼び、ゲームのように楽しんでいるのです。 まるで地獄のような、秩序の崩壊したクラスでした。

地獄の授業、開始のゴング

そんな混沌とした教室に、新任教師として怨馬典明が足を踏み入れます。彼の登場が、このクラスの運命を大きく変えることになります。

「てめーら全員 地獄に叩き落としてやる」

騒がしい生徒たちを背に教壇に立った怨馬は、自己紹介として衝撃的な一言を放ちます。「怨馬典明だ」「てめーら全員 地獄に叩き落としてやる」。

あまりに現実離れした言葉に、生徒たちは一瞬戸惑いますが、すぐにいつもの調子を取り戻します。冗談だと笑い飛ばし、前の教師たちと同じように、この新任教師も追い出してやろうと企むのでした。

「時代」を語るな

生徒たちは「今のご時世、SNSがあるからね〜?」と、これまでと同じようにスマホでの撮影やネットでの拡散を武器に怨馬を脅します。 しかし、怨馬は全く動じません。

彼は、たかだか十数年しか生きていない生徒たちが「時代」や「ご時世」を語ることを一蹴し、魂に直接問いかけるような言葉を投げかけます。

そんな大事な『人生』の中で 生き方や価値観 道徳を『時代』に決めさせていいのか?

そして、地響きのような迫力でこう断言するのです。

『時代』という名の審判は 俺からしたら『人生』をつまらなくする部外者だ

今が江戸時代だろうが 戦時中だろうが 俺は俺だ

『ご時世』に合わせる気はさらさらねェ!!!!

その圧倒的な存在感と、常識を根底から覆す言葉の力に、生徒たちは完全に気圧されてしまいます。

忘れられない教師の誕生

こうして、1年E組の生徒たちの前に、生涯忘れることのできない教師・怨馬典明が誕生しました。 二代目閻魔大王による、常識破りの「教育」という名の授業が、今まさに始まろうとしています。 この出会いは、生徒たちにとって、そして怨馬自身にとって、どのような未来をもたらすのでしょうか。

まとめ【閻魔の教室】第1話を読んだ感想(ネタバレあり)

いやはや、とんでもない漫画が始まったな、というのが正直な感想です。「地獄の人口問題を解決するために、閻魔様の息子が高校教師になる」という、設定を聞いただけでもう面白い物語でした。

最初はただ乱暴で自己中心的なキャラクターにしか見えなかった天命が、人間界に降り立ち「怨馬典明」として教壇に立った瞬間、その印象は180度変わります。特に、現代の若者の武器である「SNS」や「ご時世」を、「『時代』という名の審判は 俺からしたら『人生』をつまらなくする部外者だ」という一言で切り捨てるシーンには、鳥肌が立ちました。

周りの評価や時代の空気に流されがちな私たちにとって、この言葉は非常に力強く、そして少し耳が痛いメッセージとして胸に突き刺さります。彼がやろうとしていることは「教育」というよりは、まさに「魂の再教育」なのかもしれません。

常識もルールも通用しない問題児だらけの教室を、地獄から来た破天荒な教師がどう変えていくのか。これは単なる学園モノではなく、現代社会に生きる私たち一人ひとりに「お前の人生の主役は誰だ?」と問いかける、熱い物語になりそうです。次回の授業が待ちきれません。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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