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【岩肌の花嫁は愛で溶かされる】28話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
まずは、前話(第27話)の要点をおさらいしましょう!
  • 岩子は白蘭を救うため、自らの神「イワナガヒメ」に会うべく、単身「神乃山」へ向かった。
  • 神乃山は「己の心が本当に求める神の社にしか出会えない」という掟があり、岩子の白蘭への一途な想いが道を照らした。
  • 岩子は壮麗な社ではなく、朽ち果てた社を選び、それがイワナガヒメの社だと確信。
  • 社の前で深く膝をつき、自らの名を名乗り、ついに自身のルーツである神と対面を果たした。

【岩肌の花嫁は愛で溶かされる】第28話をネタバレありでわかりやすく解説する

第27話で、ついに自らの神であるイワナガヒメの社にたどり着いた岩子。愛する白蘭の命を救うため、彼女は神に力を乞います。しかし、第28話で彼女を待っていたのは、あまりにも過酷な神の宣告と、忠実なメイドが起こした悲しすぎる奇跡でした。

イワナガヒメの無慈悲な宣告

届かぬ願い

岩子は、朽ち果てた社の前で深く頭を下げ、イワナガヒメに語りかけます。

私の愛する人の呪いを解くためにどうしても神の乙女の力が必要なのです」と 。

その時、彼女の脳裏に直接、荘厳でありながら冷たい声が響きます。声の主、イワナガヒメは、力を授かってから一度も参拝に来なかった岩子の申し出を「本来なら許されることではありません」と一蹴します 。それでも、どうかと食い下がる岩子でしたが、神の判断は覆りませんでした。

力の使徒とその条件

イワナガヒメは、岩子に無慈悲な宣告を下します。

私にあなたの力を開花させることはできません」と 。イワナガヒメの力は、確かに人間の命を永らえさせ、死の呪いにも効くほどの長寿の力です 。しかし、その力を行使できるのは、真の力を使いこなせる神の乙女のみ

神は続けます。「岩の肌をまとった今のあなたでは難しいでしょう…」と 。この岩の肌がある限り、白蘭を救うことはできない。その事実は、岩子を絶望の淵へと突き落とすのに十分でした 。

絶望の淵と崩れ落ちる岩

無力感に苛まれる岩子

「私はなんて無力なの?」

神からの宣告を受け、岩子の心は完全に折れてしまいます。愛する人の役にも立てず、ただ見ていることしかできない自分の無力さに、彼女は「こんな自分なんて…消えてしまいたい!」と涙ながらに叫ぶのでした 。その心の叫びに呼応するかのように、彼女の背中を覆っていた岩肌に、大きな亀裂が入ります。

天が下した罰

岩子の心が砕け散ったその瞬間、まるで天罰が下るかのように、朽ち果てた社の屋根から巨大な岩の塊が剥がれ落ち、彼女の頭上へと迫ります。神に見放され、自らの存在価値を見失った彼女に、物理的な死がすぐそこまで迫っていました。

忠義のメイド、キネの犠牲

身を挺した守護

もはやこれまでかと思われた、その刹那。背後から「岩子様!!!!」という叫び声と共に、強い力で突き飛ばされます 。岩子が我に返ると、そこにいたのは、自身を庇って巨大な岩の下敷きになった、忠実なメイド・キネの姿でした。

最期の願い

致命傷を負いながらも、キネは安らかな笑みを浮かべていました。「よかった…お怪我がなくて…」と岩子の無事を喜び、「お二人の未来が…見たかったのに…」と涙をこぼします 。そして、薄れゆく意識の中で、最後の力を振り絞り、岩子にすべてを託すのです。

「岩子様……白蘭様を…どうか…お願いします…」

愛する主人の未来を願いながら、キネは静かに息を引き取りました。残されたのは、あまりにも大きな悲しみと、命を賭して繋がれた、重い重い願いでした。

【岩肌の花嫁は愛で溶かされる】28話を読んだ感想(ネタバレあり)

言葉になりません。今回の28話は、あまりにも衝撃的で、悲しすぎる展開でした。希望を求めて訪れた聖地で、これ以上ないほどの絶望を突きつけられ、さらに唯一無二の味方であったキネさんを失うなんて…。岩子ちゃんの気持ちを思うと、本当に胸が張り裂けそうです。

イワナガヒメの言い分は、神の理屈としては正しいのかもしれません。でも、「岩の肌があるから力を開花できない」というのは、あまりにも酷な宣告です。その岩の肌を背負って苦しんできた岩子ちゃんに、それを理由に「お前は無力だ」と突き放すなんて、神様はどこまで意地悪なんだと憤りすら感じました。

そして、キネさんの犠牲。彼女は、岩子にとって初めて心から信頼できた、母親のような存在だったと思います。そんな彼女が、自分の命を投げ打ってまで岩子ちゃんを守り、最期まで岩子ちゃんと白蘭様の幸せを願う姿には、涙が止まりませんでした。彼女の死は、この物語で最も悲しい出来事の一つですが、同時に、岩子ちゃんを絶望の淵から引き上げる、最も強い力になるのかもしれないと感じています。愛する人のために行動することの尊さと、命の重みを、キネさんはその身をもって教えてくれました。この悲しみを乗り越えた時、岩子ちゃんの力は、神の理屈を超えて、本当の意味で開花するのではないでしょうか。今はただ、キネさんのご冥福を祈るばかりです。

【岩肌の花嫁は愛で溶かされる】28話のネタバレまとめ

  • 岩子はイワナガヒメに力を開花させてほしいと願うが、「岩の肌をまとったままでは不可能だ」と拒絶される 。
  • 絶望した岩子の心の叫びに呼応するように、背中の岩肌がひび割れる 。
  • 社の屋根から巨大な岩が落下し、岩子を庇った忠実なメイドのキネが下敷きになってしまう。
  • キネは、岩子に白蘭を救うことを託し、息を引き取る 。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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