【あなたが私を手に入れたいのなら】7話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【あなたが私を手に入れたいのなら】第7話をネタバレありでわかりやすく解説する
前回、偽りの友情に決別を告げ、自らの意志で王立図書館へと向かったキーサ。そこで彼女を待っていたのは、運命的なセイオッドとの再会と、「公平なゲーム」の提案でした。今回は、二人の心が急接近し、物語を大きく動かす驚くべき提案がなされます。
質問ゲームで明かされる、二人の「望まぬ婚姻」
共有された心の痛み
セイオッドから先に質問する機会を与えられたキーサは、以前彼が口にした「考えることが多い」という言葉の真意を尋ねます。彼女が遠慮して質問を取り消そうとすると、セイオッドはそれを制し、「婚姻の問題です」と真摯に答えました。彼もまた、家門の事情で望まぬ結婚を強いられ、気が進まないでいると打ち明けます。
その思いがけない告白に、キーサは「…私も同じです」と、これまで誰にも話せなかった本音をこぼします。彼の前では不思議と素直になれる彼女は、父が決めた婚姻相手から逃れる術がわからず悩んでいることを語り始めました。セイオッドは、彼女が初めて会った日に泣いていた理由がそのことであったと察します。
彼の問いをきっかけに、キーサの心からは堰を切ったように辛い記憶が溢れ出しました。婚約者ダニエルから「バアス主義が何も知らない私はバカだと」侮辱されたこと。そして、その出来事をきっかけに、友人メリッサまでもが裏切り、「まるで私だけが大切な関係だと錯覚していたかのように」孤独のどん底に突き落とされたこと。辛い過去を語り終えた彼女の目からは、再び涙が溢れていました。
セイオッドの驚くべき提案「契約結婚」
救いの手と、突然のプロポーズ
泣きじゃくるキーサを、セイオッドはただ静かに慰めます。彼が差し出したハンカチを受け取る際、キーサは「初めて触った彼の手は意外にもマメだらけでごつごつしていた」ことに気づき、彼もまた自分と同じように、つらい人生を歩んできた人物なのだと感じるのでした。
同じ痛みを分かち合った二人の間に、静かな時間が流れます。そして、セイオッドは思いもよらない言葉を口にしました。
「僕と婚姻しませんか?」
自由のための契約
突然のプロポーズに、キーサは言葉を失います。セイオッドは、これは一般的な婚姻ではなく、「僕たちのような状況に置かれた者が使う伝統的な方法」なのだと説明を始めました。それは、互いの利益のための「契約結婚」の提案でした。
彼の計画はこうです。「婚姻に有効期限を設けるのです」。家門を納得させるため一時的に婚姻し、期間が満了すれば自由の身となる。社会的に離婚が難しい場合でも、別居という形で互いの自由を確保する。それは、望まぬ結婚という名の牢獄から逃れるための、二人にとっての起死回生の策でした。
高すぎる「父」という壁と、オペラへの誘い
キーサは彼の提案を理解します。恋愛小説で読んだことがある、と。しかし、彼女はその提案を「でも無理なんです」と、力なく拒絶するしかありませんでした。なぜなら、彼女の人生を支配する「父が許さないでしょうから」。婚約破棄を申し出た自分が、別の男性を連れて帰れば、父は間違いなくダニエルとの婚姻を強引に進めるはずだと、彼女は冷静に分析します。
彼女の現実的な反論に、セイオッドは「僕の考えを押しつけてしまいましたかね?」と、まるで捨てられた子犬のようにしょんぼりしてしまいます。しかし彼はすぐに話題を変え、「キーサに会ったら渡したい物があったんです」と、懐から一通の封筒を取り出しました。それは、オペラ「領主の城」のチケットでした。彼は「隣同士の席ではないのでご心配なく」と、彼女が気まずく思わないよう、細やかな配慮の言葉を添えるのでした。
オペラハウスでの再会
数日後、キーサはセイオッドにもらったチケットを手に、オペラハウスを訪れます。元親友のメリッサによって、ダニエルとの噂が社交界に広められていましたが、家に閉じこもるよりはマシだと、彼女は久しぶりの外出に臨みました。
しかし、人気の公演だけあって会場は混雑しており、そこでキーサは一人の貴族の男性に馴れ馴れしく絡まれてしまいます。「ちょうど隣の席が空いているのでもし良ければ一緒に観ましょう!」。しつこく食い下がる男に、彼女が困り果てていたその時でした。
会場がにわかにざわつき始めます。「ついにヒーラン公爵が来たんだ!」「双子の弟のヒーラン公爵が!」。人々の視線が一点に注がれる中、タキシードに身を包んだセイオッドの影が圧倒的な存在感を放ちながら姿を現し、物語は幕を閉じます。
果たして、キーサはセイオッドの正体を知ることになるのでしょうか?
まとめ【あなたが私を手に入れたいのなら】第7話を読んだ感想(ネタバレあり)
第7話は、キーサとセイオッドの関係が大きく進展する、非常にロマンティックで、同時に戦略的な回でした。二人が互いの「望まぬ婚姻」という共通の悩みを打ち明け、痛みを分かち合う場面は、彼らの間に本物の絆が芽生えた瞬間だと感じます。特に、キーサがセイオッドのゴツゴツした手に触れ、彼の苦労を察するシーンは、二人の繋がりが表面的なものではないことを示す、美しい描写でした。
そして、セイオッドからの「契約結婚」という提案。これは、この物語が単なる悲劇のヒロインの物語ではなく、知恵と戦略で運命を切り開いていく物語であることを明確に示しています。しかし、キーサがそれを即座に「父」という絶対的な壁を理由に断る展開は、彼女が置かれた状況の厳しさを改めて突きつけ、非常に現実的で説得力がありました。
そんな中、セイオッドが渡したオペラのチケットが、二人の運命を再び引き寄せます。彼がただ優しいだけでなく、キーサの状況を深く理解し、細やかな配慮ができる人物であることが伝わってきました。最後の、オペラハウスで颯爽と登場するセイオッドの姿は、まさに王子様のようで、困難な状況にいるキーサだけでなく、読者の心にも希望を与えてくれたのではないでしょうか。
窮地に陥っていたキーサを、結果的に救う形となったセイオッド。二人の再会は、彼らの「契約結婚」という計画に新たな可能性をもたらすのか。今後の展開から目が離せません。
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