【みいちゃんと山田さん】20話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 山田さんは常連客のタカシさんとの会話を通し、「漫画家になる」という夢を公言する勇気を得ます。
  • ストーカーと化した客のシゲオが店に乱入し、みいちゃんが風俗店で働いていること、そして店のHPに「写メ日記」が掲載されていることを明かしました。

【みいちゃんと山田さん】第20話をネタバレありでわかりやすく解説する

第20話のタイトルは「ガール・ミーツ・風俗客」。山田さんがたどり着いたその場所で、みいちゃんがどのような日常を送っているのか、その凄惨な実態が読者に突きつけられます。

新たな地獄—風俗店での日常

「女優」という名の搾取

物語は、みいちゃんが働く風俗店の待機室から始まります。彼女はすでにその日4人目の客をこなしており、同僚から「疲れてない?」と心配されるほどの過酷な労働環境に置かれていました 。しかし、当の本人は「全然大丈夫!」と明るく笑い、「お部屋にいれるしお菓子食べれるし立ちんぼよりいいかも!」と、この地獄のような環境の中にさえ、ささやかな喜びを見出しているのでした 。

ある客は、どんな要求にも応えるみいちゃんを「大女優だ!」と賞賛します 。しかしその裏では、店のスタッフから「なにが女優だよそのきったねえ顔洗ってやるよ」と罵倒され、風呂場で頭を押さえつけられるなど、人としての尊厳を完全に無視された扱いを受けていました 。

同僚からの告発と、経営陣の黙認

みいちゃんが店の「ナンバーワン」である理由は、彼女がどんな要求も断らない**「NGなし」**だからでした。水責めのようなプレイや首絞めを強要され、店のスタッフには給料をごまかして搾取されます 。そんな中、同僚キャストの真璃亞ちゃんが店長に詰め寄ります。みいちゃんが違法であるはずの「本番」行為を客にさせているため、他のキャストにまで悪影響が出ていると訴えました 。しかし、店長たちは「本番って違法ですよね」という彼女の正論を無視し、全く取り合おうとしません

鳴り響く電話と、奇妙な依頼主

「地雷」の客と聞き覚えのある声

物語の最後、店に一本の電話がかかってきます。初めての客からで、3時間という長時間のコースを、店ではなく「ご自宅」で、という非常に危険な兆候を示すものでした 。店長は「地雷のにおいがプンプンするぜ」と呟きながらも、その仕事をみいちゃんに行かせることを決めます 。そして、彼は電話口の声に、どこか聞き覚えがあるような、不穏な感覚を覚えるのでした

電車模型に囲まれた部屋と母の祝福

指定された家でみいちゃんを迎えたのは、小太りの青年・ツバサでした 。彼の部屋は鉄道模型で埋め尽くされており、みいちゃんは思わず「わあ!電車がいっぱいだね!」と声を上げます 。しかし、ツバサは豹変してみいちゃんを暴行 。行為の後、部屋に現れた彼の母親は「おめでとう!!ツバサちゃんの望みを叶えられてよかった…!年金貯めてた甲斐があったわ」と涙ながらに息子を祝福するのでした

歪んだ食卓と絶望の共有

祝宴と虚しい取引

母親は息子の「願い」が成就した祝宴を開き、みいちゃんにも食事を振る舞います 。そして「本当に恋人になってくれたらお金かからなくて助かるんだけど…」と信じがたい提案をしますが、みいちゃんは「彼氏がいるの!」と拒否します 。店に戻ると、同僚の真璃亞が辞めることを告げに来ていました 。彼女は、自分もみいちゃんも、好きなバンドマンや彼氏に会うために「お金を払って繋がってる」という共通の現実を語ります 。真璃亞は「どうすれば幸せになれるんだろうね」という言葉を残し、去っていくのでした

【みいちゃんと山田さん】20話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回の物語は、これまでで最も直接的かつ凄惨な描写が多く、読んでいて何度も目を背けたくなりました。みいちゃんが置かれている環境が、私たちの想像を遥かに超える地獄であることが、これでもかと描かれています。客からの性的虐待、スタッフからの暴力と搾取、そして経営陣の黙認。彼女は、あらゆる方向から人間としての尊厳を奪われ続けていました。

暴力的な描写以上に、心理的な恐怖が際立っていたのがツバサと母親の存在です。息子を溺愛するあまり、その歪んだ欲望を年金で叶えようとする母親の姿は、理解を絶する恐ろしさがあります。彼女にとって、みいちゃんは息子の願いを叶えるための「道具」でしかなく、その後の祝宴のシーンは、この親子の異常性を際立たせていました。

しかし、この物語の本当の核は、最後の真璃亞との会話にあると感じます。これまで描かれてきたみいちゃんの過酷な労働は、ただ生きるためだけではなかったのです。それは、愛する人に会うための「対価」を稼ぐためでもありました。「お金で繋がっている」という現実は、風俗の世界だけでなく、歪んだ恋愛関係にも共通するテーマとして描かれています。真璃亞が最後に残した「どうすれば幸せになれるんだろうね」という問いは、みいちゃんだけでなく、現代社会の孤独や心の隙間を抱える多くの人々の胸に突き刺さるのではないでしょうか。

【みいちゃんと山田さん】20話のネタバレまとめ

  • 風俗店で働くみいちゃんは、過酷な労働環境の中で搾取され、客やスタッフから虐待を受けていた 。
  • 同僚の真璃亞は、みいちゃんが違法な本番行為をさせられていることを経営陣に訴えるが、黙殺される 。
  • みいちゃんは、母親に年金で雇われた青年・ツバサから暴行を受ける 。
  • 店を辞める真璃亞と、「お金を払って好きな人との繋がりを維持している」という共通の境遇を語り合う 。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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