復讐モノ

【紙きれの中の幸せ】6話ネタバレ解説|あらすじから感想、最終回まで解説!

ずっちー

第5話では、梨果が自立への大きな一歩を踏み出す一方で、夫・京汰が転落していく対照的な姿が描かれました。

前話のおさらい
  • 実家に戻った梨果は、友人たちに離婚問題を打ち明け、厳しいながらも温かい言葉をかけられます 。
  • 梨果は、画一的な人生プランこそが幸せではないと気づき、自らの意志で未来を選ぶことを決意します 。
  • 一方、夫の京汰は仕事で大きなミスを犯して信用を失い、プライベートでも友人や不倫相手にまで見下され、孤立を深めていきます 。
  • 梨果に別れを告げられた京汰は、全てを失った喪失感から性的不能に陥り、絶望の淵に立たされます 。

【紙きれの中の幸せ】第6話(最終回)をネタバレありでわかりやすく解説する

絶望の淵から立ち上がり、自らの意志で未来を選び取った梨果。そして、全てを失い転落した夫・京汰。物語はついに最終回を迎えます。梨果がたどり着いた本当の「幸せ」の形とは。そして、登場人物たちが「紙きれ」の呪縛から解き放たれるまでの軌跡を、最後まで丁寧に見届けていきましょう。

過去との決別、そして未来への準備

物語は、梨果が新たな生活に向けて、静かに、しかし着実に歩みを進めている場面から始まります。

最後の一枚と、新たな裏切り

梨果は新しいアパートへの引越し準備を進めていました 。手には、あとはもう出すだけとなった離婚届 。その時、友人・侑季からメッセージが届きます 。そこには、京汰がまた別の「ギャルみたいな女」といたという報告と、決定的な証拠写真が添付されていました

「まだ女いたんだ…」 。梨果は呆れつつも、もはや怒りの感情は湧きません。むしろ、「私なんで気付かなかったんだろ…」「相手のこと 見てなさすぎだよね」と、過去の自分を冷静に振り返ります 。そして、大きく息を吸い込み、迷いを振り払うように決意を固めるのです。「はー 別れてよかった」「今日 提出してこよ」と

ハローワークでの因縁の再会

出産後の仕事を探すため、梨果はハローワークを訪れます 。そこで彼女は、思いがけない人物と再会します。京汰の最初の不倫相手、宮園でした

気まずそうに逃げようとする宮園を、梨果は呼び止めます 。そして、**「私京汰くんと離婚することに したの」**と、静かに告げました 。宮園は「私には…もう 関係ありませんから」と冷たく言い放ちますが 、梨果は動じません。

梨果は、友人から送られてきた京汰の新たな浮気の証拠写真を見せ、「これ以外にも沢山 女がいたの」と事実を突きつけます 。そして、「こんなだらしない 男でいいならあげる」「お互い目が覚めて よかったね」と、かつて自分を苦しめた相手に、憐れみにも似た言葉をかけるのでした 。その言葉に、宮園はハッとした表情で梨果を見つめ、復讐の切り札となるその写真を「ちょうだい」と要求するのでした

転落の果てに待っていたもの

梨果が過去を清算し未来へ向かう一方、京汰の転落はまだ終わりませんでした。

仕組まれた復讐劇

起死回生を狙い、業界大手の長谷部コーポとの商談に臨んだ京汰 。しかし、そこに現れたのは長谷部社長本人でした 。社長は「帰ってくれないか」と、商談の席に着くことすら許しません

「うちの娘を 大層可愛がってくれてる ようだね」 。社長の口から語られたのは、京汰が自分の娘と不倫していたという事実 。心当たりが多すぎる京汰は「誰だ!? どの女だ!?」とパニックに陥ります

この復讐劇を仕組んだのは、他ならぬ宮園でした 。彼女は、かつて自分が担当していた長谷部コーポの仕事の情報を利用し、京汰の不貞の証拠写真を社長に送りつけていたのです 。プライドをズタズタにされ、社会的信用も完全に失った京汰。彼の会社が倒産への道をたどることは、もはや避けられませんでした

誕生、そして本当の幸せへ

全ての呪縛から解き放たれ、梨果は新しい命と共に、本当の幸せを見つけ出します。

陣痛の苦しみと過去の呪縛

長野の実家で、梨果は母とベビー用品を眺めていました 。しかし、幸せそうな妊婦の姿を目にするたびに、自分が手に入れられなかった「平均的な幸せ」と比べてしまい、「あの紙に とらわれている」と、まだ残る心の痛みに苦しみます

その時、彼女を突然の陣痛が襲います 。激しい痛みの中、「このまま 悲しい 辛い 不幸って言って 生きていくの?」「そんなの イヤ!」と叫ぶ梨果 。それは、過去の自分との最後の決別の叫びでした。そして、苦しみの末、梨果は無事に新しい命をこの世に送り出すのです。

忘れられた夢と新たな希望

産後、母や友人たちの祝福に包まれる梨果 。友人たちは、小学生の頃に皆で書いていた交換日記を持ってきてくれました 。そこには、梨果自身も忘れていた夢が記されていました。

「梨果は 雑貨屋さんに なりたかったんだね」

「結婚して子供を産む」という刷り込まれた人生プランではなく、自分自身の心からの願い。それを見つけた梨果に、友人は「梨果らしいので いいと思うの」「これから 幸せに なれるよ」と、心からのエールを送ります

さらに、奇跡のような知らせが舞い込みます。小学生の時に転校してきた幸田くんが、町で雑貨屋を開き、スタッフを探しているというのです 。梨果は「退院したら すぐ連絡してみる!」と、希望に満ちた笑顔を見せました

5年後、それぞれの道

物語は5年の歳月を経て、登場人物たちの「今」を映し出します。

新しいパートナーと惨めな元夫

5年後、梨果は幸田と共に、東京に雑貨店の2号店をオープンしていました 。二人は仕事のパートナーであり、そして人生を共にする新しいパートナーにもなっていました

ある日の夕方、夕食の買い出しに立ち寄ったスーパーで、梨果は信じられない光景を目にします。エプロン姿でパートとして働く、元夫・京汰の姿でした 。会社は倒産し、彼は今、ここで惨めに働いていたのです 。二人の視線が交錯しますが、そこに言葉はありません。ただ、過ぎ去った時間と、あまりにも変わってしまった互いの現実が横たわるだけでした。

「紙きれの外」で見つけた幸せ

その夜、梨果は幸田と娘の果南(かなん)と共に、食卓を囲んでいました。メニューは、かつて京汰との関係を破綻させるきっかけとなった、因縁の「しゃぶしゃぶ」です

梨果は、穏やかな表情で過去を振り返ります。

「紙に書いて それがあたかも 『唯一の幸せ』だと 思い込んできた」

「でもやっと 気付けたの 私たちは紙きれの中に 生きているわけじゃない」

梨果がたどり着いた答え。それは、誰かが決めた幸せの形ではなく、自分自身の心と向き合い、大切な人と共に創り上げていくもの。彼女の穏やかな微笑みは、本当の幸せを見つけた者の強さに満ち溢れていました。

【紙きれの中の幸せ】6話(最終回)を読んだ感想(ネタバレあり)

壮絶な地獄めぐりの末にたどり着いた、あまりにも清々しい最終回でした。梨果が過去の呪縛から解き放たれ、自分らしい幸せを見つけていく姿に、心からの拍手を送りたくなります。

特に印象的だったのは、梨果が忘れていた「雑貨屋さんになりたい」という夢を思い出すシーンです。「結婚」や「出産」という、社会から与えられた幸せのテンプレートに囚われ、自分自身の本当の願いを見失っていた梨果。彼女が、友人との絆を通して本当の自分を取り戻していく過程は、涙なしには読めませんでした。

また、京汰と宮園のその後が、直接的ではなく間接的に描かれているのも見事だと感じました。宮園は、梨果からもらった写真を使って京汰に復讐を果たし、自分自身の過去を清算したのでしょう。そして京汰は、全てを失い、梨果と再会することで、自分が捨てたものの大きさを改めて思い知らされる。それぞれの結末が、彼らの行動の結果として、実に説得力をもって描かれていました。

「幸せはきっと 自分とみつめ合って創っていくもの」 。この物語のラストで示されたテーマは、現代を生きる私たち全員へのメッセージのように響きます。他人の価値観や、紙きれ一枚のプランに惑わされることなく、自分だけの幸せを見つけることの大切さを、この物語は教えてくれました。読後、温かい感動と共に、自分の人生についても深く考えさせられる、素晴らしい最終回でした。

【紙きれの中の幸せ】6話(最終回)のネタバレまとめ

  • 梨果は京汰の新たな浮気の証拠を手に入れ、完全に吹っ切れた気持ちで離婚届の提出を決意します 。
  • ハローワークで不倫相手だった宮園と再会し、過去を清算。宮園はその際に入手した証拠を使い、京汰への復讐を果たします 。
  • 京汰は宮園のリークにより社会的な信用を失い、会社も倒産に追い込まれます 。
  • 梨果は無事に出産し、友人たちの協力で、自分が本当にやりたかった「雑貨屋」という夢を思い出します 。
  • 5年後、梨果は新しいパートナーの幸田と雑貨店を経営し、幸せな日々を送っていました 。
  • スーパーでパートとして働く元夫・京汰と再会しますが、梨果はもう過去に囚われていませんでした 。
  • 梨果は、「幸せは紙きれの中に生きているわけじゃない」「自分とみつめ合って創っていくもの」という答えにたどり着き、物語は完結します 。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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