【人喰い村~ケガレノマツリ~】第1話をネタバレありでわかりやすく解説する

【人喰い村~ケガレノマツリ~】第1話をネタバレありでわかりやすく解説する
今回から、漫画『人喰い村~ケガレノマツリ~』のネタバレ解説を始めます。 この物語は、過去の因習と現代の若者たちが交錯する、謎と恐怖に満ちたホラーミステリーです。第1話「因習の村」では、物語の根幹となる二つの時間軸が描かれます。
昭和の山中、消えた男
物語は昭和2×年、鬱蒼とした森の中から始まります。 二人の男が山中で道に迷い、疲労困憊の様子です。若い方の男、長助は、年配の男に「じいさん…方向は合ってんなが?」と不安げに尋ねます。 さっきから同じ場所をぐるぐる回っているような感覚に、二人の焦りは募るばかりです。
禁断の領域への侵入
「も…もしかしてお山の禁域さ入っちまったんじゃねぇが?」
若い男の口から出た不吉な言葉は、彼らの置かれた状況がただの道迷いではないことを示唆します。ここは、決して足を踏み入れてはならない場所だったのかもしれません。 すると、彼らの前にこれまでなかったはずの道が現れます。道の両脇には、まるで監視する目のような紋様が描かれた札が、ずらりと並んでいました。
忍び寄る恐怖と謎の歌
霧が深くなる中 、どこからか不気味な歌のようなものが聞こえてきます。
「なぁ…何か聞こえねが?」
しかし、老人の耳には届いていないのか、気のせいだと一蹴します。 その直後、背後を歩いていたはずの長助が、忽然と姿を消してしまいました。
「お…おい!どごだ!?」
老人の叫びも虚しく、地面には生々しく引きずられたような跡が残されているだけでした。 一人取り残された老人の耳に、今度ははっきりと不気味な歌の断片が届き、彼の顔は恐怖に歪みます。そして、悍ましい何かに捕らえられ、闇に消えていきました。
現代、孤独な青年と奇妙な出会い
場面は一転し、現代の都会へと移ります。
主人公・碑里田修の日常
スーパーでアルバイトとして働く青年、碑里田修(ひりた おさむ)が物語の現代における主人公です。 彼は社員から理不尽な理由で叱責されるなど、どこか報われない日常を送っているように見えます。
祖母の形見と優しい同僚
そんな修に、同僚の三城夕空(みしろ ゆあ)が優しく声をかけます。 彼女は修が身につけている石のアクセサリーに興味を示しました。
「祖母に渡されたモノで…昔から身につけてて…」
修にとって、それはただの装飾品ではなく、特別な意味を持つものであることが窺えます。
民俗学研究室との邂逅
この出会いが、修の運命を大きく動かすことになります。
自身のルーツへの誘い
バイトの後、夕空は修を待ち伏せしており、「大学の民俗学研究室にいっしょに来てほしいの!」と強く誘います。 夕空が所属する宮都大学の民俗学研究室、そこで修は衝撃の事実を告げられます。
彼の持つ石に刻まれた紋章が、研究室で調査していた「入相村(いりあいむら)」という廃村の文献に載っている屋敷の家紋と全く同じだったのです。
明かされる孤独な過去
沖野教授から、研究のためにその石を預けてほしいと頼まれた修は、ためらいながらも自身の過去を打ち明けます。
生まれてすぐ祖母に預けられたものの、その祖母も1年後には亡くなってしまったこと。 親の顔も知らず、親戚がいるのかさえ分からず、施設で育ったこと。
「それだけが…唯一の親族とのつながりなんです!」
修にとって、この石は自らの根源を示す唯一の手がかりでした。
廃村への旅立ち
修の告白を受け、物語は新たな展開を迎えます。
20年前の山崩れと廃村の謎
夕空は、入相村について分かっている情報を修に伝えます。その村は独自の文化で知られていましたが、20年前に大規模な山崩れが起き、多くの人が行方不明になる事故が発生し、そのまま廃村の流れを辿ったといいます。
そして、修の持つ紋章は、かつて村の中心だった名主の家のものでした。
「おそらく碑里田君はその家と何らかの関係がある人なんじゃないかな」
夕空の言葉に、修は自身のルーツを知る可能性を見出します。
運命のフィールドワークへ
奇しくも、沖野教授たちは入相村へのフィールドワークを計画していました。
「オレは自分の事を何も知らない…だけど…わかるかもしれない…自分が何者なのか…」
自分の存在理由を求めて、修は研究室のメンバーたちと共に入相村へ向かうことを決意します。物語の冒頭で描かれた昭和の惨劇と、修のルーツ探しの旅が、これから恐ろしく交差していくことを予感させ、第1話は幕を閉じます。
【人喰い村~ケガレノマツリ~】1話を読んだ感想(ネタバレあり)
第1話を読んで、まず引き込まれたのは、昭和の山中で起こる得体の知れない恐怖と、現代を生きる孤独な青年のミステリーが巧みに織り交ぜられている点です。冒頭のシーンは、じわじわと迫りくる和製ホラーの雰囲気が満載で、これから何が起こるのかと心臓が掴まれるような感覚になりました。
一方で、主人公の碑里田修君の境遇には、思わず感情移入してしまいます。天涯孤独で、唯一の繋がりが祖母の形見の石だけというのは、あまりにも切ないです。だからこそ、彼が自分のルーツを探すために、いわくつきの廃村へ向かう決意をした場面では、「頑張れ!」と応援したくなりました。
同僚の三城夕空さんの存在も気になります。彼女は修にとって希望の光となるのでしょうか。それとも、彼を更なる深淵へと誘う存在なのでしょうか。彼女の親切心に、何か裏があるのではないかと勘繰ってしまうのは、この漫画が持つ不穏な空気のせいかもしれません。
これから修が足を踏み入れる入相村には、一体どんな秘密が眠っているのか。20年前の山崩れは本当にただの事故だったのか。そして、冒頭で人々を襲った「何か」の正体とは。多くの謎が提示され、早く続きが読みたくてたまらない、非常に引きの強い第1話でした。
【人喰い村~ケガレノマツリ~】1話のネタバレまとめ
- 昭和の時代、山中で道に迷った男たちが禁域に足を踏み入れ、一人が謎の存在に連れ去られてしまいます。
- 現代、天涯孤独のアルバイト青年・碑里田修は、同僚の三城夕空の誘いで大学の民俗学研究室を訪れます。
- 修が祖母の形見として持つ石の紋章が、20年前に山崩れで廃村となった「入相村」の名家のものと一致することが判明します。
- 修は自身のルーツを知るため、研究室のメンバーたちが行う入相村へのフィールドワークに同行することを決意します。
- 物語の随所に、村の不気味な儀式を思わせる描写が挿入され、今後の恐怖展開を強く予感させます。
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