復讐モノ

【私が死んで満足ですか】第5話の結末をネタバレありでわかりやすく解説する

ずっちー
前話のおさらい
  • ロロナのビジネスパートナーだったミイシ商会長ゼリオが、彼女の死を喜び、商会の利益を独占しようと企んでいました 。
  • ゼリオの元に、謎の上客アスラン・ライオルが現れ、ロロナに関する全ての情報を金で買うと持ちかけました 。
  • 物語の最後に、アスランと、リュース伯爵の元部下であるカイゼルが仲間であることが明かされました 。
  • さらに、アスランはカイゼルのことを「アステル殿下」と呼び、カイゼルの正体がどこかの国の王子であることが示唆されました 。

【私が死んで満足ですか】第5話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回のラストで、ロロナの協力者であるカイゼルの正体が、実は「アステル殿下」という高貴な人物であることが示唆されました 。第5話では、ついに彼の壮絶な過去と、ロロナへの深い想いが明かされます。仮面の裏に隠された、孤独な皇子の物語が今、始まります。

仮面の皇子アステルの壮絶な過去

アステル殿下は、大国ステラ帝国の皇子です 。ステラ帝国の皇族は、黒髪と赤い目を同時に備えるという、特異な外見的特徴を持っていました 。そのため、彼は常にその身分が知られないよう、仮面で素顔を隠して生きてきたのです 。

かつて、側室から生まれた第三王子だった彼は、気楽な日々を送っていました 。しかし、12歳の冬、二人の兄が病で相次いで亡くなったことで、彼の運命は一変します 。思いがけず皇位継承の筆頭候補となってしまった彼は、熾烈な後継者争いに巻き込まれ、最愛の母を毒殺されてしまいました

自らも命を狙われるようになったアステルは、重い病にかかったことにして国外へ逃亡 。そして、「アスラン」という偽名を名乗り、追手から逃れるために息を潜めて生きてきたのでした

孤独な皇子の心を溶かした、大切な初恋の人

彼の回想は、10歳の時にニルナ王国を訪れた時の記憶へと移ります 。祝賀会で、孤独にたたずんでいた幼いアステル。そんな彼に、一人の少女が屈託なく話しかけました。それが、ロロナでした

「これ 私の好きなクッキーです」「ぜひ召し上がってください」

彼女の菫色の瞳と、春の日差しのような優しさは、孤独だったアステルの心を一瞬で溶かしました 。彼にとって、ロロナは初めて出会った時から、かけがえのない大切な人になったのです

突然訪れた初恋の終わりと、拭いきれない後悔

幸せな時間も束の間、ニルナ王国の王子ベルビュートが「僕の婚約者が何か」と言いながら、ロロナを迎えに現れます 。彼女が、自分には手の届かない、他国の王子の婚約者であることを知り、アステルの淡い初恋は打ち砕かれました

ロロナの瞳にベルビュートへの穏やかな信頼を感じ取った彼は、何も言えなくなってしまいます 。傷心のまま帰国した後も、クッキーを見るたび、菫の花が咲くたびに、彼女の透き通るような瞳を思い出していました

彼は、凛として婚約破棄を受け入れたロロナの姿を思い返し、彼女が本当は王太子妃になることを望んでいなかったことに気づけなかった自分を、情けなく思うのでした

「彼女が味わった苦しみを」――今、復讐の幕が上がる

実はアステルは、ベルビュートが婚約破棄を迫るという情報を掴んでおり、ロロナを助け出した上で求婚しようと、長い間準備を進めていました 。しかし、あまりにもあっけない彼女の死によって、その計画は全て無に帰してしまいます 。大切な初恋の相手を、理不尽な形で奪われたのです

彼は、協力者であるアスラン(本名)に、これからの計画を語ります。ロロナが成し遂げられなかったこと、つまりリュース家を立て直すのではなく、その逆。

ロロナの優しさと純真を踏みにじった連中に 彼女が味わった苦しみを 与えてやる

彼の瞳には、静かですが、決して消えることのない復讐の炎が燃えていました。手始めに、あの王太子に報いを受けさせると、彼は固く誓います

そして現在――静かに眠る本当のヒロイン

物語の最後、場面は現在へと戻ります。そこには、ベッドで静かに眠るロロナらしき少女の姿がありました 。彼女の死は、やはりすべてを欺くための偽装?だったのでしょうか。幼い子供たちが「早く良くなってね、お姉ちゃん」と見守る中、彼女は復讐の準備が整うのを、ただ静かに待っているのでした 。

【私が死んで満足ですか】5話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、アステル殿下の過去とロロナへの一途な想いが明かされる、非常に切なく、そして胸が熱くなる回でした。これまでの登場人物たちが自己中心的な欲望にまみれていたのに対し、純粋にロロナを想い、彼女のために行動しようとするアステルの存在は、この物語における一筋の光のように感じられます。

12歳という若さで、兄たちの死、母の毒殺、そして終わらない命の狙われる日々を経験した彼の過去は、あまりにも壮絶です。そんな彼の心を癒したのが、ロロナの「春の日差しのような」優しさだったと思うと、二人の出会いのシーンは本当に尊く、そして切なく感じられました。婚約者だと知って傷つくアステルの姿には、思わず胸が締め付けられます。

彼の復讐の動機が、正義感だけでなく、「大切な初恋を奪われた」という深い個人的な痛みから来ている点が、彼の行動に強い説得力と共感をもたらしていると思います。「彼女が味わった苦しみを与えてやる」というセリフには、彼の底知れぬ怒りと、ロロナへの深い愛情が感じられ、これからの復讐劇への期待が最高潮に達しました。

そして、最後にロロナが生きている姿がはっきりと描かれたことには、心から安堵しました。彼女が目覚める時、アステルという強力な協力者と共に、一体どのような鮮やかな復讐を遂げていくのか。物語が大きく動き出す予感に、ワクワクが止まりません。

【私が死んで満足ですか】5話のネタバレまとめ

  • ロロナの協力者「カイゼル」の正体は、ステラ帝国の皇子アステルであり、彼は後継者争いから逃れるため身分を隠していました 。
  • アステルは10歳の時にニルナ王国でロロナと出会い、彼女に淡い初恋を抱きました 。
  • ロロナがベルビュート王子の婚約者だと知り傷つきますが、その後も彼女を一途に想い続けていました 。
  • アステルは、ロロナの婚約破棄を機に彼女を助けようと計画していましたが、彼女の突然の死によって頓挫します。彼は、ロロナの純真さを踏みにじった者たちへの復讐を固く誓いました 。
  • 物語の最後、死んだはずのロロナがベッドで静かに眠っている姿が描かれ、彼女の死が偽装であったことが確定しました 。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
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野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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