【閻魔の教室】12話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 怨馬は、悪徳スカウトに騙され絶望する楽羽雪に「お前は幸せだ」と語りかけ、社会の闇を早く知れたこと、そして担任が自分であることを「幸運」だと説きました。
  • その後、怨馬はスカウトの岡田を拉致して地面に埋め、「裁き」として二度と楽羽雪に近づかないよう誓わせました。
  • 楽羽雪のもとに戻った怨馬は、彼女の教科書を燃やし、「学校なんか来なくていい」「そのまま夢を追え」と、教師としてあるまじき言葉を告げました。
  • しかしそれは、彼女の夢を否定するものではなく、学校に来るか来ないか、自分の将来は「覚悟」を持って自分で決めるべきだという、

【閻魔の教室】第12話をネタバレありでわかりやすく解説する

「学校なんか来なくていい」。担任教師である怨馬からそう告げられた不登校の少女、楽羽雪。彼女が自らの「覚悟」を持って導き出した答えとは何だったのでしょうか。第12話「闇の中の灯火」では、彼女の一つの決断が、静かな感動と共に描かれます。

教室に灯った小さな「灯火」

怨馬との対話から一夜明けた冥童高等学校。いつもと変わらない喧騒の中、一つの小さな奇跡が起こります。

楽羽の新曲と、突然の登校

1年E組の教室では、生徒たちが楽羽雪の新曲がネットで大きな話題になっていると噂していました。心配する清水をよそに、クラスメイトたちはすっかり過去の人として彼女を扱っています。その時、教室のドアが開き、そこには制服に身を包んだ楽羽雪が立っていました。数ヶ月ぶりに学校へ姿を見せた彼女に、クラスメイトたちは驚きの声を上げます。

「助けてもらった」怨馬への信頼

クラスメイトから口々に「久しぶり」「急に学校来るとは思わなかったぜ」と声をかけられるゆき。清水が心配して駆け寄ると、彼女は「怨馬にひでーことされなかったか?」という問いに、「むしろ怨馬先生には助けてもらったし」と笑顔で答えました。一方、職員室では副担任の竹井先生が、怨馬が本当に楽羽雪を連れ戻したことに、信じられないといった表情を浮かべるのでした。

屋上で交わされる「答え」

クラスメイトたちの歓迎を受けながらも、ゆきの視線は一人の人物を探していました。彼女が向かった先は、一人静かに煙草をふかす怨馬がいる、学校の屋上です。

勝ち負けではない、人生の選択

屋上で再会した二人。怨馬は、自分が「来い」とは言っておらず、「考えてみろ」と言っただけだと念を押します。ゆきが「じゃあ私は賭けに負けたんだね」と自嘲気味に言うと、彼は「勝ち負けで左右されるほど人生は単純じゃねぇ」と諭しました。彼が求めていたのは、命令に従う生徒ではなく、自分の意志で人生を考える生徒の姿だったのです。

「あらゆる物を吸収して表現出来るシンガーになりたい」

ゆきは、学校に戻ることにした理由を語り始めます。怨馬に歌を批判された後、路上ライブをしていて気づいたこと。それは、自分の歌には、嬉しいことや悲しいこと、悔しいことといった、様々な経験が足りないということでした。一人で音楽を続けるだけでは得られない、多様な感情や経験を吸収するために、彼女は学校という場所に戻ることを決意したのです。「あらゆる物を吸収して表現出来るシンガーになりたい」。それが、彼女が見つけ出した新しい夢の形でした。

闇の中の灯火

彼女が学校に戻ってきた理由は、それだけではありませんでした。

先生に聴かせたかった新曲

ゆきは、怨馬に聴かせたいものがあるとスマホを取り出します。それは、ネットで話題になっている彼女の新曲でした。路上ライブの観客の中で、誰よりも真剣に自分の「歌」を聴いていたのは、誰よりも厳しく批判してくれた怨馬だった。だから、この曲を一番に聴いてほしかった、と彼女は打ち明けます。

「マイナス」から「ゼロ」へ、そして未来へ

その新曲のタイトルは、「闇の中の灯火」。夢に向かう人への応援ソングであり、まさに彼女自身の経験から生まれた曲でした。聴き終えた怨馬の評価は、やはり辛辣です。「…まぁ 『マイナス』が『ゼロ』になったんじゃねぇか?」。しかし、その言葉とは裏腹に、彼の口元にはかすかな笑みが浮かんでいました。そして、彼は静かに呟きます。「いい子だ」。その言葉と共に、数年後、一人の女性シンガーソングライターが日本中を席巻することになる、という未来が示唆されるのでした。

【閻魔の教室】第12話を読んだ感想(ネタバレあり)

楽羽雪ちゃんの一つの物語が、非常に美しく、そして感動的に完結した回でした。彼女が学校に戻ってきた理由が、「夢を諦めたから」ではなく、「夢を叶えるため」であったことに、胸が熱くなります。怨馬先生の厳しい言葉をただの悪口として受け流すのではなく、自分に足りないものを見つめ直すきっかけに変えた彼女の強さに、大きな成長を感じました。

そして、なんと言っても怨馬先生の指導者としての一面が光っていました。彼は決して答えを与えず、ヒントだけを与えて生徒自身に考えさせる。そして、生徒が自力で出した答えを、彼なりのやり方で認めてあげる。最後の「いい子だ」という一言と、あのわずかな笑みには、彼の不器用な優しさと、生徒への確かな愛情が凝縮されていたように思います。

「闇の中の灯火」というタイトルは、絶望の中にいたゆきちゃんにとっての怨馬先生の存在そのものを表しているのでしょう。この一件を通して、二人の間には確かに教師と生徒としての絆が生まれたのだと感じました。一つの問題を解決し、また一歩「王の座」に近づいた怨馬先生。次に彼が向き合うことになる「問題」は、一体何なのでしょうか。

【閻魔の教室】第12話のネタバレまとめ

  • 数ヶ月ぶりに楽羽雪が学校に登校し、クラスメイトたちを驚かせました。
  • 彼女は、より深みのある歌を作るための「経験」を積むために、自らの意志で学校に戻ることを決意していました。
  • 屋上で怨馬と再会した楽羽雪は、彼に聴かせるために作った新曲「闇の中の灯火」を披露します。
  • 怨馬は「マイナスがゼロになった」と辛辣な評価をしつつも、最後は「いい子だ」と彼女の成長を認め、微笑みました。
  • ラストには、楽羽雪が数年後に日本を代表するシンガーソングライターになる未来が示唆されました。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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