【フウフヤメマスカ】1話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【フウフヤメマスカ】第1話をネタバレありでわかりやすく解説する

オフィスで働く一人の女性。彼女が新入社員の青年に少しだけ胸をときめかせる、ありふれた日常のワンシーンから物語は始まります。しかし、彼女が抱える想いと現実は、見た目以上に複雑なものでした。ここでは、多くの夫婦が共感するかもしれない、リアルな葛藤の幕開けを丁寧に解説していきます。

夫・賢吾との出会い、そして結婚へ

物語の主人公である女性、ユイさん。彼女の日常が描かれる中で、ふと過去を振り返るシーンへと移ります。現在の夫である賢吾さんとの出会いは、職場での出来事でした。

きっかけは小さなパンダの人形

ある日、賢吾さんは一枚のメモをユイさんに渡します 。そこには「よかったら今度ご飯行けたりしますか?」という、少し控えめな誘いの言葉が書かれていました

後から分かったことですが、彼がユイさんに興味を持ったきっかけは、とても微笑ましいものでした。それは、ユイさんのデスクに飾ってあった

パンダの「バン子ちゃん」という人形です 。偶然にも賢吾さんが同じものを持っていたことから、親近感を抱いたのだといいます

この出来事をきっかけに、二人は「ゆるりと距離を縮めて」いきました 。長い同僚としての付き合いを経て、やがて交際に発展し 、出会いから足掛け5年、ユイさんが30歳になる年に二人はゴールインします 。燃え上がるような恋というよりは、穏やかで優しい時間が二人の関係を育んでいったようです。

幸せな結婚から6年後、夫婦に訪れた現実

結婚式の場面から時は流れ、二人が夫婦になってから、さらに6年の歳月が経とうとしていました 。仲睦まじかったはずの夫婦の関係には、少しずつ変化の影が差し始めています。

「妊活」と夫婦の温度差

ある日のこと、ユイさんは夫の賢吾さんに「今日排卵予定日だから」と、夕食の予定を切り出します 。この一言から、二人が「妊活」に取り組んでいることが分かります 。

しかし、その言葉に対する賢吾さんの反応は、どこか歯切れの悪いものでした。洗面台の鏡に映る自分の顔を見ながら、ユイさんは心の中でこうつぶやきます。

「そんな露骨に嫌な顔しないでよね」

この心の声は、妊活に対する夫婦間の温度差をはっきりと示しています。ユイさんが一人で頑張っているかのような、切ない状況が伝わってきます。

1年間のセックスレスという事実

気づけばユイさんは30代半ば、賢吾さんも34歳になっていました 。毎日が同じことの繰り返しに感じられ 、夫婦の会話も減っていく中で、二人の間には決定的な問題が横たわっていたのです

それは、「気付けば1年のセックスレス」という重い現実でした 。子どもを真剣に考えるなら、避けては通れない問題です 。ユイさんは意を決し、この状況を打開しようとします 。

夕食の席で、ユイさんは年齢のことも考え、そろそろ子どもが欲しいという気持ちを賢吾さんに伝えます 。賢吾さんも「そうだよね そろそろ考えたいよね」と同意はしてくれます

しかし、ユイさんが「なんかちゃんと数えてみたら 最後にシたの1年くらいシてなかったんだよね 私達」と核心に触れると 、賢吾さんは「もうそんな前だっけ…?」と、まるで他人事のような反応を見せるのです 。この会話から、二人の間の溝の深さがうかがえます。

「普通に仲が良い」夫婦のすれ違い

夫婦の関係は、決して険悪というわけではありません。休みの日に二人で映画に出かけたりもします 。ユイさん自身も、「仲が特別悪い訳じゃない」と感じています 。

「家族になるってこういうことかと」

「初めから燃え上がるような恋愛でもなかったし」

ユイさんは、穏やかだった関係の延長線上に今の生活があるのだと、自分を納得させようとしているようにも見えます。しかし、一番大切な問題については、どうしても拭えない不安がありました。

それは、「賢吾は子どものことどう思ってるのか イマイチ分からないんだよな〜…」という、夫の本心が見えないことへの焦りと孤独感です 。

表面上は穏やかな夫婦生活の裏で、ユイさんの心には焦りと疑問が渦巻いています。果たして、賢吾さんの本当の気持ちとは何なのでしょうか。そして、二人の未来はどこへ向かうのでしょうか。物語は、静かな波乱を予感させながら幕を開けます。

【フウフヤメマスカ】1話を読んだ感想(ネタバレあり)

第1話を読んで、まず胸に突き刺さったのは、その圧倒的なリアリティです。キラキラした恋愛漫画とは一線を画す、結婚生活の現実が丁寧に、そして少しだけ残酷に描かれていると感じました。

微笑ましい出会いのきっかけから、穏やかな交際期間を経て結婚。ここまでは誰もが憧れるようなストーリーです。しかし、そこから6年の月日が流れた後の「妊活」「セックスレス」「夫婦の温度差」という現実は、多くの読者が「これは、自分のことかもしれない」と感じてしまうのではないでしょうか。

特に印象的だったのは、ユイさんの孤独感です。夫のことが嫌いになったわけではない、むしろ仲は良い方だと思っている。それなのに、一番デリケートで大切な問題について、本心を話してくれない。この状況は、じわじわと心をむしばんでいくような、静かなつらさがあります。

賢吾さんが悪人として描かれていない点も、この物語の深さだと思います。彼はただ、現状に対して鈍感なのか、それとも何か言えない理由があるのか。その分からなさが、ユイさんの不安を一層かき立て、読者の想像力を刺激します。「夫婦とは何か」「家族になるとはどういうことか」という、普遍的でありながら難しいテーマについて、深く考えさせられる第1話でした。

【フウフヤメマスカ】1話のネタバレまとめ

  • 主人公のユイと夫の賢吾は、職場の同僚として出会い、5年の交際を経て結婚した夫婦です 。
  • 結婚から6年が経ち、ユイは妊活に励んでいますが、夫婦の間には温度差があるようです 。
  • 二人は1年間セックスレスの状態であり、その事実が夫婦の間に重くのしかかっています 。
  • ユイは、夫婦仲は悪くないと感じつつも、妊活や子どもに対する夫・賢吾の本心が分からず、強い焦りと孤独を感じています 。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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