【フウフヤメマスカ】3話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 夫の賢吾は、妻の詩織(ユイ)を大切に思う一方、妊活や夜の営みに対して憂鬱さを感じています 。
  • 詩織は夫が妊活に協力的だと信じていますが、賢吾自身はどうしていいかわからず途方に暮れています 。
  • 賢吾のもとに、15年前に別れた元カノ・沙耶から「後悔している」という内容のメールが届きます 。
  • 沙耶は賢吾が「唯一本気で惚れていた」相手であり、突然の連絡に彼の心は激しく揺れ動きます 。

【フウフヤメマスカ】第3話をネタバレありでわかりやすく解説する

唯一本気で愛した元カノからの、15年越しの連絡。第2話のラストで、夫・賢吾の心は激しく揺さぶられました。第3話では、その一通のメールが夫婦の日常に静か、しかし確実に亀裂を入れていく様子が、息苦しいほどのリアリティで描かれます。

元カノへの返信と賢吾の激しい後悔

物語は、賢吾が元カノ・沙耶に返信メールを送ってしまった、まさにその瞬間から始まります。

「あああ!!!! 送っちゃったよ!!!」

送信ボタンを押した直後、彼は頭を抱えて激しく後悔します 。 「返事 早過ぎたかも?」 「いや それより 文面は…」 と、彼の頭の中はパニック状態。その様子は、まるで思春期の少年のようです。

空回る「ベストなメール」

賢吾が必死で考え抜いて送ったメールの文面は、「久しぶり!」「近況報告いいね!」「また大学のメンバーと集まる時にでもぜひ!」といった、当たり障りのないものでした 。彼はこれを「THE・元カノに送る ベストなメール!!!」だと自分に言い聞かせますが、その表情からは自信のなさが滲み出ています 。

しかし、完璧だと思った返信とは裏腹に、沙耶からの反応は一向にありません 。6分、20分と、静寂の時間が賢吾の焦りを増幅させていきます

焦りとイライラ、頭の中は沙耶のことで一杯に

待てど暮らせど返信が来ない状況に、賢吾の焦りはやがてイライラへと変わります。

「なんで 返事がこないんだ!!!!!」

彼はPCの更新ボタンを意味もなく連打し、完全に冷静さを失っています 。その時、ふと時計が目に入り、時刻が18:52を過ぎていることに気づきます 。妻の詩織に怒られると、慌てて会社を飛び出す賢吾

しかし、彼の頭の中は、もはや妻との約束よりも元カノのことで一杯でした。帰りの電車の中でも、

沙耶からの返事が気になって、スマホの画面を何度もリロードしてしまうのです 。この行動は、彼の心がすでに家庭から離れつつあることを象徴しています。

妻・詩織の気遣いと自己嫌悪

場面は変わり、妻の詩織の視点へ。彼女は、今夜の妊活のために賢吾の好物を作ろうと考えていました 。少しでもムードを良くしようと、お洒落なお酒を買ってみたりもします

しかし、彼女はふと立ち止まります。「気合い入り過ぎで 賢吾 逆にプレッシャーになったりするんじゃない?」 と、夫を気遣うあまり、手料理を作ることをやめてしまうのです。結局、彼女はスーパーで買ってきたお惣菜を並べ、「何故だか いつも通りの食卓に…」「私の方が 意識し過ぎだ…」と、空回りしてしまった自分に落ち込んでしまいます

嘘と安堵、深まる夫婦の溝

賢吾が帰宅すると、詩織は「ごめんー! 私も今日残業になっちゃって 料理する時間なくて」と、咄嗟に嘘をついてしまいます

その嘘に対し、賢吾は満面の笑みで「全然! ありがとう!」と返します 。実は彼、内心では「良かった――!」と心底安堵していたのです 。「精のつく料理のオンパレードとかだったら」「めちゃくちゃ怖いと思った」というのが彼の本音でした 。

妻の気遣いと夫の安堵。二人の気持ちは全く噛み合っていません。詩織は夫の反応の意図が読めず、一人混乱します

さらに、賢吾はこう考え始めます。

「いや… 詩織のことだから あえてだったりもする…?」

「それはそれで 意識してる感じが 怖い…」

妻の行動の裏を読み、疑心暗鬼になる賢吾。同じ食卓を囲みながら、互いに本心を隠し、相手の腹を探り合う二人。夫婦の間にできた溝は、もはや簡単には埋められないほど深くなっているようでした。

【フウフヤメマスカ】3話を読んだ感想(ネタバレあり)

第3話は、賢吾の小物感あふれる狼狽っぷりが、あまりにもリアルで読んでいて思わず「うわぁ…」と声が出てしまいました。元カノからのメールに一喜一憂し、スマホを何度もリロードする姿は情けなくもありますが、だからこそ人間味があって、妙な共感を覚えてしまいます。

一方で、夫を気遣うあまり、良かれと思ってやったことが裏目に出てしまう詩織の姿には、本当に胸が痛みました。健気な彼女が「私の方が意識し過ぎだ…」と落ち込むシーンは、妊活中の女性が抱えるプレッシャーや孤独を象徴しているようで、非常に切なかったです。

そして何より印象的だったのは、最後の食卓のシーンです。同じ空間にいながら、二人の心は全く違う場所にあり、互いに疑心暗鬼になっている。この息の詰まるような空気感こそ、この物語の真骨頂だと感じました。「夫婦の崩壊」は、大きな事件からではなく、こうした日々の小さなすれ違いと不信感の積み重ねから始まるのだと、改めて思い知らされる回でした。

【フウフヤメマスカ】3話のネタバレまとめ

  • 賢吾は元カノ・沙耶にメールを返信してしまい、後悔と不安でパニックになります 。
  • 沙耶からの返信を待つ間、賢吾の頭は彼女のことで一杯になり、妻との約束も上の空の状態です 。
  • 妻の詩織は、妊活を意識するあまり夫にプレッシャーをかけまいと気遣い、結局手料理を諦めてお惣菜を買って帰ります 。
  • 惣菜の夕食に賢吾は心から安堵し、詩織はそんな彼の本心が分からず混乱します 。互いに相手の腹を探り合い、夫婦の間に不信感が芽生え始めています 。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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