【アンバランス~私だけがブスだった~】1話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【アンバランス~私だけがブスだった~】第1話をネタバレありでわかりやすく解説する
今回から、原作・朝野いずみ先生、漫画・嵯峨根グミ先生による話題作【アンバランス~私だけがブスだった~】のネタバレ解説を始めます。 物語の奥深い魅力を、1話ずつ丁寧に紐解いていきますので、ぜひ最後までお付き合いください。
劣等感を抱える主人公・マリ
物語は、主人公である佐竹まりもが抱える、深い劣等感の吐露から始まります。 彼女は、自分と友人たちの関係を、脚の長さが不揃いな「アンバランスな椅子」に例えます。 そして、その中でバランスを崩す原因となっている「長さの足りない一本」が、まさに自分自身なのだと感じています。
なぜなら、彼女だけが「美人じゃないから」。 過去には「ブスでよかったね」と心無い言葉を投げかけられた記憶がフラッシュバックし、彼女の心の傷の深さを物語ります。 美人ではないという一点だけで、幸せになることすら許されないような絶望感が、読者の胸に突き刺さります。
しかし、物語はすぐに現代へと移り、彼女が過去のトラウマを乗り越え、幸せを掴んだかのように見えました。
恋と仕事と友情と…手に入れたはずの幸せ
憧れの会社と優しい仲間たち
場面は2ヶ月前、マリが株式会社「ルフト」に入社した頃に遡ります。 「空気に包まれるような生活を提案します」というコンセプトを掲げるこの会社は、イケメン社長の御堂優乃介をはじめ 、才能と美貌を兼ね備えた社員たちが働く、きらびやかな場所です。
そんな環境に、かつては85kgあった体重を65kgまで落とす努力をしたマリが、新しい一歩を踏み出しました。 彼女を支えてくれたのは、会社の美しい友人たちでした。
- 森山 神奈(もりやま かんな / 27歳)
- 宗 弥生(そう やよい / 29歳)
- 如月 公美(きさらぎ くみ / 30歳)
彼女たちは、メイクやファッション 、女性らしい立ち居振る舞いまで 、マリが自信を持てるように、親身になって手助けしてくれたのです。さらに、社長の御堂も、祖母の介護で長く無職だったというマリの事情を理解し、採用してくれた恩人でした。
マリが過去の辛い経験やトラウマを打ち明けたことで、彼女たちの絆はより一層深まりました。 美しい友人たちは、容姿のコンプレックスに気後れしていたマリを、すんなりと受け入れてくれたのです。
恋人・能戸さんとの幸せな朝
そして、マリには恋人もできました。 物語の冒頭、マリは恋人である能戸さんの家で幸せな朝を迎えます。 前の日に食事を作りに行った流れで、そのまま朝まで一緒にいたことを同僚に報告すると、「おめでとう!!」と心からの祝福を受けます。
仕事も、友情も、そして恋も手に入れ、「幸せすぎて怖いくらい」と感じるマリ。 あの頃の自分には考えられなかった幸せな日々に、彼女の心は満たされているように見えました。
幸せな日常に突如現れた悪意
謎の女性の襲来
しかし、その幸せはあまりにも脆く、一人の女性の登場によって無残に打ち砕かれます。ある日のオフィス、定時が近づいた頃、突然一人の女性が乗り込んできました。 彼女は能戸のデスクにあったプレゼントを叩きつけ、こう叫びます。
「『佐竹まりも』ってどの女!?」
突然の出来事に、オフィスは騒然となります。幸せの絶頂にいたマリの日常が、音を立てて崩れ始める瞬間でした。
明かされる衝撃の真実
場面は、マリが能戸の部屋でカレーを作っていた夜に遡ります。マリを問い詰めていた女性は、能戸の妻・麻子だったのです。 能戸は単身赴任中で 、結婚している事実を隠してマリと付き合っていました。
麻子は、夫の裏切りに怒り狂い、マリを「いかにも他人の亭主を寝取りそうなカラダして!」と激しく罵倒します。 そして、マリの顔を見るや否や、信じられないという表情で言葉を失います。
「なんでこんなブスと…」残酷な言葉の刃
麻子が次に放った言葉は、マリの心を最も深くえぐる、残酷な刃でした。
「なんで あっちの美人じゃなくて こんなブスとヤったのよ!!!!!」
この一言は、マリがずっと抱えてきた容姿へのコンプレックスを、真正面から否定するものでした。結婚していたことを知らなかったと謝罪するマリに対して、能戸は信じられない言い訳を口にします。
「いや…それは…
彼女から物欲しそうに言い寄られてつい…」
最低な裏切りと言い訳。さらに麻子は、「だからってあんな若くもないデブスに手ェ出すとか――」「比べられる私の身にもなりなさいよ!!!!」と、理不尽な怒りをマリにぶつけ続けます。
この地獄のような状況を見かねた社長が、「アタシの会社でうちの社員をバカにしないで!」と割って入り、警察に通報するのでした。
親友たちの怒りと反撃
クズ男への鉄槌
マリが心身ともに深く傷つけられたその時、彼女のために立ち上がったのが、親友の神奈、弥生、公美でした。 逃げ出そうとする能戸の前に立ちはだかり、彼が結婚しているだけでなく、他にも女性がいたことを知ると、怒りを爆発させます。
追い詰められた能戸が「妥協して付き合ってやったのに」と本音を漏らした瞬間、弥生の怒りは頂点に達しました。
「アンタの嘘に比べりゃ可愛いもんでしょ」
「『クビ』くらいじゃマリの受けた屈辱には足りないくらいよ」
友の受けた屈辱を晴らすため、弥生はなんとオフィスのモニターを振り上げ、能戸に殴りかかろうとします。 自分が傷害罪で逮捕されるかもしれない危険も顧みず、マリのために戦おうとする親友の姿に、マリはただ涙を流すしかありませんでした。
傷心を乗り越え、新たな一歩へ
親友たちとの「卒恋旅行」
事件の後、ひどく落ち込むマリを元気づけるため、仲間たちは「卒恋旅行」を計画します。 失恋から卒業するための旅行。その提案に、マリも「行きたい!」と前向きな気持ちを見せます。
この計画には社長も協力的で、知人が経営しているという貸切のコテージを紹介してくれました。
旅先での不穏な出会い
一ヶ月後、マリたちは旅行先へとやって来ました。 美しい景色と美味しい空気に癒やされますが、山道で道に迷い、雨にも降られてしまいます。
途方に暮れる彼女たちの前に現れたのは、親切な男子大学生のグループでした。驚いたことに、彼らもマリたちと同じ「エルム」というコテージのB棟を目指していると言います。 「大学で人を助ける分野を学んでるんです」と爽やかに笑う彼らに傘を差し出され、一緒にコテージへ向かうことになりました。
事件の始まりを告げる訪問者
無事にコテージに到着し、ほっと一息つくマリたち。するとそこへ、先ほどの大学生たちが「こんばんはー!!来ちゃいました!」とお酒を片手に訪ねてきます。
この時のことを、マリは後悔とともに振り返ります。
「この時のことを 何度 後悔しただろう―――」
「彼らを招き入れなければ あの悲惨な一夜もなかったのに…」
親切に見えた大学生たちを招き入れたこと。それが、すべての『事件』の始まりだったのでした。
幸せの絶頂から地獄へ突き落とされ、ようやく見えた希望の光。しかし、その先には更なる闇が待ち受けていることを予感させ、物語は幕を閉じます。マリたちは、この先どのような運命を辿るのでしょうか。
【アンバランス~私だけがブスだった~】1話を読んだ感想(ネタバレあり)
第1話から、まさにジェットコースターのような衝撃的な展開でした。主人公マリが抱える容姿へのコンプレックスは、多くの人が一度は感じたことのある普遍的な悩みだからこそ、彼女の苦しみが痛いほど伝わってきます。
幸せを手に入れたと思った矢先の、恋人からの残酷な裏切り。特に、能戸が放った「妥協して付き合ってやった」というセリフと、その妻の「こんなブスと」という言葉は、人間の醜い部分が凝縮されていて、読んでいて胸が苦しくなりました。
しかし、そんな絶望的な状況で光となったのが、マリの友人たちの存在です。自分のことのように怒り、身を挺してマリを守ろうとする姿は本当に格好良く、彼女たちの友情の深さに胸が熱くなりました。特に弥生がモニターを振り上げたシーンは、マリの屈辱を思うと「よくやった!」とさえ感じてしまいます。
ようやく悪夢が終わり、友人たちとの楽しい旅行で新たな一歩を踏み出すのかと思いきや、ラストで不穏な空気が立ち込めます。「事件の始まりだった」というモノローグで終わる引きは、あまりにも秀逸です。親切に見えた大学生たちの正体とは?この出会いは、マリたちに一体何をもたらすのでしょうか。次々と張り巡らされる伏線に、早くも次話が気になって仕方ありません。
【アンバランス~私だけがブスだった~】1話のネタバレまとめ
- 容姿に強いコンプレックスを抱える主人公マリは、優しい恋人と仕事、親友に恵まれ幸せな日々を送っていました。
- しかし、恋人の能戸は既婚者であり、彼の妻・麻子から「ブス」と罵られた上、能戸本人からも裏切りの言葉を浴びせられ、深く傷つきます。
- マリの親友である神奈、弥生、公美は、マリを侮辱した能戸に激しく怒り、身を挺してマリを守りました。
- 失恋の傷を癒すため、親友たちと「卒恋旅行」に出かけますが、旅先で出会った親切な大学生グループをコテージに招き入れたことが、新たな事件の幕開けとなります。
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