【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】3話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 妊娠判明後、千夏は「匂いつわり」をはじめとする重いつわりに苦しみ、心身ともに衰弱しました 。
- 体重が8kg減少し、体が飢餓状態(ケトン体+3)になったため、S総合病院へ入院することになりました 。
- 2週間以上の入院と点滴治療を経て、千夏は半年ぶりに食事を摂れるようになり、その喜びに涙しました 。
- つわりを乗り越え無事に退院した千夏は、「やっと人なみの妊婦生活が送れる」と希望を胸に、夫と共に我が家へと帰りました 。
【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】第3話をネタバレありでわかりやすく解説する
壮絶なつわり地獄を乗り越え、ようやく穏やかなマタニティライフを取り戻したかのように見えた主人公・千夏。しかし、第3話では彼女の心に新たな、そしてより深刻な闇が忍び寄ります。原因不明の不安と恐怖が、幸せなはずの日常を少しずつ侵食していく様子が、息苦しいほどリアルに描かれます。
この記事では、「妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~」第3話のあらすじを、ネタバレありで徹底的に解説していきます。
穏やかな日々と忍び寄る異変の影
つらいつわりが治まり、妊娠8ヶ月に入った千夏 。ようやく赤ちゃん用品の準備をする余裕も出てきて、彼女の周りには穏やかな時間が流れていました 。
母から子へ受け継がれる愛情
千夏の実母は、可愛い孫のために手作りのおくるみを作ってくれると申し出ます 。実は千夏の母は、10年間もの不妊に悩んだ末、37歳で千夏を授かりました 。だからこそ、娘の妊娠と、これから会える孫の存在を心から喜んでいるのです 。
優しく、強く、おおらかで、何よりも子どものことを一番に考えてくれる母 。そんな母のことが大好きな千夏は、「いつか母のような母親になりたい」とずっと思っていました 。
「自分が与えてもらった ぬくもりを 喜びを この子にも」
お腹を愛おしそうに撫でながら、千夏はあふれるほどの愛情を我が子に注ぎたいと、心から願うのでした 。
突然の涙、原因不明の不安
その翌日のことでした。夫の涼太を笑顔で仕事に送り出した、ほんの数分後。千夏は、自分でもわからないうちに涙を流していました 。
「何、え」
「なんで私 泣いてるの?」
理由がわからない。でも、涙が止まらない 。窓の外では、関東地方の梅雨入りが告げられています 。まるで、千夏の心に垂れ込めてきた暗雲を暗示しているかのようでした。
ごまかしきれない心の変調
一度生じた心の異変は、日を重ねるごとに、ごまかしきれないほど大きなものになっていきます。
「情緒不安定」という言葉の裏で
その日の夕方、帰宅した涼太は、泣きはらして座り込む千夏の姿に驚きます 。
「妊娠中は情緒不安定になるって友達がいってたけど これがそうなのかなぁ?」と、千夏自身も戸惑いを隠せません 。
しかし、それは「情緒不安定」という言葉だけでは片付けられない、深刻な変調の始まりでした 。
妊娠9ヶ月目に入ったある日、夫婦で赤ちゃんの名前を考えていると、千夏は再び激しいパニックに襲われます 。体はガタガタと震え、ただ夫にすがりつくことしかできません 。
「どうしたんだ 何泣いてるんだ」
「何が怖い?出産することがか?」
涼太が必死に問いかけますが、千夏から返ってくるのは、か細い声での「違う」「わからないの」という言葉だけ 。彼女が唯一口にできるのは、「ただなんか怖い感じがする」という、漠然とした、しかし抗いがたい恐怖感でした 。
愛おしいはずの命が「恐怖」に変わる時
この日を境に、千夏の症状はさらに悪化の一途をたどります。そして、彼女の口から、誰もが耳を疑うような言葉が飛び出すのです。
実家での療養と母の困惑
妻を一人にしておくことに不安を覚えた涼太は、翌日から仕事の間、千夏を彼女の実家に預けることにしました 。
しかし、実家で母と過ごしていても、千夏の発作は起こります 。突然泣き叫ぶ娘の姿に、母は「子どもみたいに泣いて…しっかりせんか!」と叱咤しますが、その表情には明らかな戸惑いが浮かんでいました 。
戦慄の言葉「私の中からもう出ていって」
発作の最中、お腹の赤ちゃんが動いたのを感じた千夏は、常軌を逸した言葉を口にし始めます。
「動かないで」 「気持ちが悪い」 「もう返して 私ひとりの体に戻して」 そして、ついにはっきりと、こう言い放つのです。
「私の中から もう出ていって」
「気色悪い」
愛おしいはずの我が子を、まるで異物のように拒絶する言葉。そのあまりの変貌ぶりに、母は「何をいってるの…?」と血の気が引くのを感じるのでした 。
再びS総合病院へ、そして衝撃のラスト
家族の手に負えないほど、千夏の心は壊れ始めていました。
母から涼太へのSOS
その夜、帰宅した涼太に、千夏の母は昼間の出来事を伝え、悲痛な表情で訴えます。「理由がわからないから私たちもどうしたらいいものか…」 。そして、「今の千夏の不安定さでは母子ともに危険な気がするんです」と、専門家の助けを求めることを決断します 。
涼太は、つわりの入院で馴染みのあるS総合病院ならきっと何とかしてくれるはずだと、翌日すぐに連れて行くことを決めました 。
車道への飛び出し
病院へと向かう車の中。赤信号で車が停止した、その時でした。 千夏は、何かに憑かれたように無言で車を降りると、ふらふらと車道へと歩き出します。
「ちな…」
涼太が声をかけますが、彼女には届きません。青信号に変わり、車が走り出す中、千夏は歩みを止めません。
「千夏!!」
涼太の悲痛な叫びと共に、一台のトラックが彼女の目の前に迫ります。物語は、最も衝撃的な形で幕を閉じるのです。
【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】3話を読んだ感想(ネタバレあり)
第2話でつわりを乗り越えた後の穏やかな日常が描かれただけに、第3話の急転直下の展開には、ただただ言葉を失いました。特に、原因不明の「怖い」という感情に支配され、自分自身をコントロールできなくなっていく千夏の姿は、読んでいて本当に胸が苦しかったです。
最も衝撃的だったのは、愛おしいはずの我が子を「気色悪い」「出ていって」と拒絶するシーンです。あれほどまでに母になることを夢見て、母親からの愛情を一身に受けて育った彼女が、なぜこんな言葉を口にしてしまうのか。これは単なるマタニティブルーという言葉では済まされない、深刻な病の始まりなのだと確信しました。
家族の苦悩も非常にリアルでした。愛する妻、愛する娘が日に日に壊れていくのを目の当たりにしながら、「どうしてあげることもできない」という涼太や母親の無力感が、ひしひしと伝わってきて涙が出そうになります。
そして、ラストの車道への飛び出し。息が止まるほどのクリフハンガーです。彼女をそこまで追い詰めたものの正体は何なのか。彼女と赤ちゃんの運命は一体どうなってしまうのか。次話が気になって仕方がありません。
【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】3話のネタバレまとめ
- つわりが治まり、母からの愛情を受けながら穏やかなマタニティライフを送っていた千夏 。
- 妊娠8ヶ月頃から、理由もなく突然涙が止まらなくなるなど、情緒が不安定になり始めます 。
- 妊娠9ヶ月には「ただ怖い」という原因不明の恐怖に襲われ、パニック発作を起こすようになりました 。
- 発作の最中、お腹の子に対して「気持ちが悪い」「私の中からもう出ていって」といった、信じられない言葉を口にしてしまいます 。
- 精神状態の悪化を心配した家族に連れられ病院へ向かう途中、千夏は車から降り、トラックの前に飛び出してしまいました 。
◁前の記事はこちらから

▷次の記事はこちらから



