【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】4話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- つわりが治まり、穏やかなマタニティライフを送っていた千夏でしたが、妊娠後期から原因不明の不安と恐怖に襲われるようになりました。
- パニック発作を繰り返し、お腹の子どもを「気色悪い」「出ていって」と拒絶するようになってしまいました。
- 家族の心配も限界に達し、病院へ向かう途中、千夏は車から降りてトラックの前に飛び出してしまうという衝撃的なラストで終わりました。
【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】第4話をネタバレありでわかりやすく解説する
前話、自らの意思とは関係なく、トラックの前に飛び出してしまった主人公・千夏。第4話は、その直後の緊迫した場面から始まります。極限状態に追い込まれた家族と、母子を救うために下される医療の決断。そして、出産という大きな節目を迎えた千夏を、再び深い闇が襲います。
この記事では、「妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~」第4話のあらすじを、ネタバレありで詳しくご紹介します。
緊急事態と「母子を救う」ための決断
目の前で妻が危険に晒され、夫・涼太の理性は限界に達していました。ここからは、家族と医療チームによる、母子の命を救うための戦いが始まります。
夫・涼太の悲痛な叫び
幸いにもトラックとの接触は避けられましたが、運転手からは「ふっざけんなよ バカヤローッ」と怒声が浴びせられます。 涼太はただ「すみません!!!」と頭を下げることしかできません。
彼は、これ以上自分たちだけではどうにもならないと悟ります。 「…今からS総合病院に向かいます」と救急に連絡し、病院へ。 医師と看護師を前に、涼太と千夏の母は「助けてください…!」「このままでは赤ちゃんも私も…死んでしまいます」と必死に訴えるのでした。
医師の提案「産んじゃおうか!」
涼太たちから事情を聞いた女性医師は、千夏の手を優しく握り、驚くべき提案を口にします。
「じゃあ 産んじゃおうか! 橘さん」
その言葉に、千夏も家族も目を見開きます。医師は、「母子ともに無事な出産」が最優先であり、妊娠週数を考えても、もう出産して大丈夫だと判断したのです。
過去に心療内科への通院歴があることから、妊娠によるホルモンバランスの乱れが引き金となり、一時的に強いノイローゼをぶり返している可能性が高い。 涼太もまた、「生んだらスッと治ると思いますよ」と医師の言葉に同意し、一筋の光を見出していました。
こうして、予定日より1ヶ月半も早く、帝王切開による出産が決定したのでした。
帝王切開、そして命の誕生
突然決まった早すぎる出産。千夏の胸には、我が子への罪悪感と、母としての決意が交錯していました。
我が子への罪悪感と誓い
手術を翌日に控え、千夏はお腹に優しく語りかけます。 「ごめんね」
「本当ならこの子はまだまだお腹にいるべきで それを母親の都合で無理やり外の世界へ出しちゃうんだ」
自らの精神状態が原因で、赤ちゃんに負担をかけてしまうことへの申し訳なさで胸が張り裂けそうになる千夏。それでも彼女は、力強く誓います。
「あなたが生まれてきたら ママとしてちゃんとがんばるから」
「必ずあなたを 幸せにしたい」
「翼」と名付けられた小さな命
手術室に響き渡る、元気な産声。
「おめでとうございます!元気な男の子ですよ!!!!」
まだ梅雨も明けない薄曇りの朝、2400gの小さな命が誕生しました。 「生まれてくれた」「ありがとう」と、千夏の頬を涙が伝います。
初めて我が子と対面し、その小さなほっぺたに自分の頬を寄せた千夏。 その温もりに、母としての実感が込み上げます。
そして、涼太は「たくさんの世界に隔たりなくその可能性を広げてほしいという願いを込めて」と、赤ちゃんに「翼(つばさ)」と名付けたことを告げました。
束の間の安らぎと再発する異変
出産後、千夏の心には嘘のように穏やかな日々が訪れます。しかし、その平穏は長くは続きませんでした。
母になった実感と安らぎ
翼くんは、しばらくNICU(新生児集中治療室)で過ごすことになりましたが、千夏は「早く会いたいよ」と母の顔を見せます。 帝王切開の傷の痛みに耐えながらも、歩く練習を頑張れるのは、愛する我が子に会うためでした。
初めて翼くんを抱いた時、そのやわらかで温かい命の重みに、千夏は「ママだよ」「大切に守っていこう」と心に誓います。
「眠れないんです 脚が…動いて」
その夜のことでした。千夏はナースコールで看護師を呼びます。 「あの…眠れないんです」
「脚が…動いて」
彼女の足は、まるで自分の意思とは無関係に、ガタガタと小刻みに震え始めていたのです。
「私もう妊娠してないのに―――」
突然の体の異変に、千夏は再び恐怖に囚われます。出産という大きな節目を乗り越え、すべてが良い方向へ向かうと信じていたのに。彼女の心を、たった一言のモノローグが絶望の淵へと突き落とします。
「なんで…? 脚が勝手に」
「私もう妊娠してないのに―――」
出産すれば治るはずだった。その最後の希望が打ち砕かれた瞬間でした。
【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】4話を読んだ感想(ネタバレあり)
前回の衝撃的な引きから、今回は息つく暇もない展開で、読んでいて心臓が何度も締め付けられました。母子の命を救うため、予定日よりずっと早く「産んじゃおうか!」と決断する医師の姿には、医療現場の厳しさと覚悟を感じます。
そして、翼くんの誕生シーンは本当に感動的でした。千夏が涙ながらに「ありがとう」と語りかける場面では、こちらも思わず涙ぐんでしまいました。このまま、彼女の苦しみが終わってほしいと、心から願った瞬間です。
だからこそ、ラストで異変が再発するシーンはあまりにも残酷でした。希望の光が見えた直後に、さらに深い闇へと突き落とされる。これほどの絶望があるでしょうか。「私もう妊娠してないのに―――」という最後のモノローグは、この病の根深さと、千夏の終わらない苦しみを象徴しているようで、胸が凍りつく思いでした。
妊娠によるホルモンバランスの乱れだけが原因ではなかったのか。だとしたら、彼女をここまで追い詰めているものの正体は一体何なのか。謎はさらに深まり、千夏がこれからどうなってしまうのか、不安でたまりません。
【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】4話のネタバレまとめ
- トラックの前に飛び出した千夏は、夫の涼太によってS総合病院に運ばれました。
- 母子の命を最優先した医師の判断により、予定日より1ヶ月半早く、帝王切開での出産が決定しました。
- 無事に2400gの男の子が誕生し、「翼」と名付けられます。 出産後、千夏は一時的に平穏を取り戻し、母としての自覚が芽生え始めました。
- しかし、出産したその夜、原因不明で足が勝手に震えるという異変が再発してしまいます。
- 「もう妊娠していないのに」症状が治まらないことに、千夏は再び絶望の淵に立たされることになりました。
◁前の記事はこちらから

▷次の記事はこちらから



