【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】7話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 閉鎖病棟に入院した千夏の症状は悪化の一途をたどり、「殺して」と夫に懇願するほど苦しんでいました。
  • 主治医の宇田川は、千夏の症状を病気ではなく「ものの捉え方の問題」「気の持ちよう」だと断じ、彼女の人格を否定しました。
  • 自己肯定感を打ち砕かれた千夏は、ただ「眠りたい」と願うほど心身ともに疲弊していました。

【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】第7話をネタバレありでわかりやすく解説する

主治医にさえ見放され、光の届かない閉鎖病棟で絶望の淵に立たされた主人公・千夏。第7話では、そんな彼女の常軌を逸した「日課」と、病棟に響き渡る狂気の叫び声、そして、夫・涼太が抱いたある「疑念」によって、物語が大きく動き出します。

この記事では、「妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~」第7話のあらすじを、ネタバレありで徹底的に解説していきます。

絶望の中の「日課」と病棟の日常

希望を失った千夏にとって、閉鎖病棟での一日は、耐え難い苦痛の繰り返しでしかありませんでした。

自殺未遂という「日課」

千夏の一日は、デイルームのテレビから流れる朝の連続ドラマの主題歌で始まります。 明るい未来を歌う爽やかなその歌声は、今の彼女には吐き気を催すほどの不快なものでした。

「比較的自我を保っていられる朝に自殺を図るのが日課だった」

衝撃的なモノローグと共に、彼女はトイレに向かいます。持ち物検査をすり抜けた、NICUにいる息子・翼のためのエプロン。 これを使って首を吊ろうと試みますが、体重のかけ方が悪いのか、意識が飛ぶこともなく、ただただ苦しいだけでした。

個性豊かな同室患者たち

この病棟には、千夏以外にも様々な精神疾患を抱える人々が入院していました。

首に赤紫色の痕をつけながらも、常に笑顔で明るく振る舞う女性。 彼女はご近所トラブルを苦に首を吊り、意識不明のところを発見された過去がありました。 また、常に吐き気を催しているため、ビニール袋を手放せない女性もいます。

そして、病棟の日常と化していたのが、個室から聞こえてくる叫び声です。 声の大きい男性の怒声と、年配の女性の金切り声。

「殺してよぉーーー!!」「いっそ殺せぇーー!!」

そんな叫び声が、この異常な空間の日常を彩っていました。

届かない声と、夫が抱いた疑念

薬は効かず、症状は改善の兆しを見せません。千夏の心は、ますます追い詰められていきます。

医療保護入院という名の「強制」

閉鎖病棟には、自分の意思で入院する「任意入院」の患者と、本人の意思とは無関係に入院させられる「医療保護入院」の患者がいます。 千夏もこの「医療保護入院」であり、退院には第三者の許可が必要なため、自分の意思で出ることはできません。

ある日、荷物をまとめた千夏は、「もう元気になったし治ったみたいなので家に帰ります」と看護師に訴え、鍵を開けるよう懇願します。 しかし、看護師は「先生からは何も聞いてないし」「あなた医療保護入院でしょ!?」と、彼女の訴えを力ずくで退けるのでした。

「人間として扱ってほしいのなら…」

暴れる千夏のもとにやってきた主治医の宇田川は、彼女に冷たく言い放ちます。

「人間として扱ってほしいのなら まず自分のベッドでおとなしくすることを覚えなさい」

「それができない人に施す治療なんてない」と、治療を放棄するかのような言葉まで口にするのでした。

医者も看護師も、患者に寄り添うことなく、ただ力と言葉で抑えつけようとするだけ。 そんな現実に、千夏は「おかしくなった人間には何をいってもいいと思ってるんでしょう…?」と、乾いた笑いを浮かべるしかありませんでした。

一筋の光?夫が見つけた「違和感」

絶望的な状況の中、物語は思わぬ方向へ動き出します。きっかけは、夫・涼太のある「気づき」でした。

夫・涼太の気づき

面会に訪れた涼太は、その日珍しくぐっすり眠っている千夏の姿を見て、安堵の表情を浮かべます。 しかし、薬剤師である彼は、ふと妻の薬の処方箋に目を落とし、その表情を一変させました。

「なんでこの薬が…」

処方箋に書かれていた薬の名前。それは、薬剤師である彼の知識からして、到底看過できないものでした。

「なんだこの処方…」

「なんでこの薬が千夏に使われてるんだ!!!」

涼太の驚きと怒りに満ちた表情。それは、この膠着した状況を打ち破る、大きな転換点が訪れたことを予感させるものでした。

【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】7話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、閉鎖病棟の日常がこれほどまでに生々しく描かれていることに、改めて衝撃を受けました。朝の日課が自殺未遂であるという事実、そして「殺して」という叫び声が日常と化している空間。その全てが、千夏の絶望をより深く、そして読者の心を重く締め付けます。

特に、主治医の宇田川や看護師たちの態度は、医療従事者への不信感を抱かせるのに十分すぎるほどでした。「人間として扱ってほしいならおとなしくしろ」という言葉は、もはや治療ではなく、ただの管理です。患者の尊厳を踏みにじるような言動に、強い憤りを感じずにはいられませんでした。

しかし、そんな絶望の闇の中で、最後の最後に大きな希望の光が見えました。夫・涼太が気づいた「処方箋の違和感」です。薬剤師である彼の専門知識が、ここで初めて千夏を救うための強力な武器になるのではないか。今までただ苦しむ妻を見守ることしかできなかった彼が、ついに反撃の狼煙を上げたのだと感じ、鳥肌が立ちました。この物語が、ただの絶望譚では終わらないことを確信した瞬間です。涼太のこの気づきが、千夏をこの地獄から救い出すきっかけとなるのか、次回の展開から目が離せません。

【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】7話のネタバレまとめ

  • 閉鎖病棟での千夏の日課は、比較的自我を保てる朝に自殺を図ることでした。
  • 薬は効かず症状は改善しませんでした。 千夏は「医療保護入院」のため、自らの意思で退院することもできず、絶望を深めていました。
  • 主治医の宇田川は「人間として扱ってほしいならおとなしくしろ」と冷たく言い放ち、千夏は心を閉ざしていきました。
  • そんな中、面会に来た夫で薬剤師の涼太が、千夏の処方箋にあり得ない薬が使われていることに気づき、物語が大きく動くことを予感させました。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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