【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】9話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 涼太が問題視した薬は、患者を「廃人状態」にするほど強い鎮静作用のあるものでしたが、主治医は「その方が楽だ」と意に介しませんでした 。
- 涼太は妻と息子を支えるため、3ヶ月の介護休暇を取得し、一人で育児と向き合う覚悟を決めました 。
- 薬の影響で感情を失った千夏は、我が子・翼を「知らない子」「かわいくもない」と認識し、完全に拒絶してしまいました 。
- 絶望の底で千夏は、「産むんじゃなかった」「あんな子いらない」「『私』を返して」と心の中で叫んでしまいました 。
【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】第9話をネタバレありでわかりやすく解説する
夫・涼太が気づいた処方箋への疑念。しかし、時すでに遅く、千夏の心は深く傷ついてしまいました。第9話では、涼太の壮絶なワンオペ育児と、閉鎖病棟で孤立を深める千夏のすれ違いが描かれます。そして、千夏の口から放たれる、あまりにも悲しい一言。二人の絆が、今、試されています。
この記事では、「妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~」第9話のあらすじを、ネタバレありで徹底的に解説していきます。
夫・涼太の過酷なワンオペ育児
8月中旬。物語は、涼太の視点から始まります 。妻は閉鎖病棟、生まれたばかりの息子はNICUを退院したばかり。彼の戦いの日々が続いていました。
眠れない日々
息子の翼がNICUを退院して2週間あまり 。涼太は実家に戻り、たった一人で初めての育児に奮闘していました 。3時間おきのミルク、おむつ交換、お風呂。慣れない作業に追われ、夜もろくに眠れていない日が続いています 。その顔には、隠しきれないほどの深いクマが刻まれていました 。
片道1時間の面会
心身ともに疲弊する中でも、涼太は妻の元へ通い続けます。千夏が入院するS総合病院までは、高速を使っても片道1時間 。毎日の面会を心掛けてはいますが、育児の負担は重く、1日おきになってしまうことも増えていました 。それでも、「一番につらいのは千夏だ」と、彼は自分に言い聞かせるのでした。
猜疑心に蝕まれる千夏
一方、閉鎖病棟にいる千夏の心は、徐々に猜疑心という名の闇に蝕まれていきました。
薬の中止、そして新たな恐怖
以前、涼太が問題視した強い薬は、副作用で千夏の視力を著しく低下させたため、現在は中止されていました 。そのおかげで視力は日に日に回復していましたが、それは同時に、症状を強く抑え込んでいた薬がなくなったことも意味します 。
「断薬したということは 以前のような状態に戻る可能性もあるということだ」。涼太が抱くその不安は、千夏にとっても新たな恐怖となっていました 。
夫への不信感
「エプロンは?今日は持ってきてくれた?」。千夏は、以前自殺未遂に使おうとしたエプロンのことを尋ねます 。涼太が「だからダメだって あれは閉鎖病棟には持ち込めない物なんだから」と諭しても、彼女の耳には届きません 。
薬が効かない今、千夏にとってあの強い薬だけが「ここから救い出してくれる唯一の希望だった」のです 。その希望を断った涼太のことを、彼女は**「裏切り者…」**とさえ感じるようになっていました 。
「翼なんかどうでもいいじゃん!!!」
心と体の距離が、二人の間に深い溝を生んでいきます。そしてついに、千夏の口から、決して聞きたくなかった言葉が飛び出すのです。
届かない退院の願い
「ねえ私いつになったら退院できるの?」と詰め寄る千夏 。涼太が言葉に詰まっていると、彼の携帯電話が鳴ります。実家の母親から、翼が熱を出してぐったりしているという知らせでした 。
病院に連れて行くと聞き、自分も向かおうとする涼太 。その腕に、千夏は必死にすがりつきます。「イヤだ いかないで」「私のそばにいて 私のことだけ見ててよ」 。
魂の叫び
息子の元へ行こうとする夫と、自分だけを見てほしいと願う妻。その想いがすれ違った瞬間、千夏は魂を振り絞るように叫びました。
「翼なんかどうでもいいじゃん!!!!!」 。
壊れゆく心と、夫の決意
我が子を「どうでもいい」とまで言い放った千夏。その言葉は、病が彼女の心をどれほど深く蝕んでいるかを物語っていました。
妄想に囚われる千夏
涼太が「翼のこと…本当に大切に思えてないの…?」と問うと、千夏は今度は「だって泥棒だし…」と、常人には理解しがたい言葉を口にします 。彼女は、愛する涼太までもが翼に盗られてしまうという、歪んだ妄想に囚われていたのです 。
「そんなわけないだろ!!!!」
「退院させてくれないのは 私がいたら面倒だからなんでしょ?」と泣き叫ぶ千夏に、ついに涼太の感情が爆発します 。
「そんなわけないだろ!!!!」 。彼は初めて、千夏を強く突き放しました 。「なんで俺が望んで千夏をここに預けているだなんて思うんだよ!!!」 。
夫の誓い
しかし、怒りに震えながらも、涼太は決して妻を見捨てませんでした。彼は駐車場で一人、「俺がつぶれたら何もかもが回らなくなる」と自分を奮い立たせます 。そして、心の中で強く誓うのです。
「千夏なしの未来なんてありえないよ」
「それだけは忘れないでいて」
その頃、主治医の宇田川は、どの薬も効果を示さない千夏の症状に、「原因はなんだ…?」と首をかしげていました 。
【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】9話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、これまで以上に涼太の視点が描かれ、支える側の苦悩と愛情の深さが胸に迫る回でした。慣れないワンオペ育児で心身ともにボロボロになりながらも、妻のために片道1時間の面会に通う姿には、頭が下がる思いです。
一方で、病によって猜疑心と妄想に心を蝕まれていく千夏の姿は、あまりにも痛々しい。「翼なんかどうでもいい」という叫びは、彼女の本心ではないと頭ではわかっていても、聞いている涼太の気持ちを考えると、本当に胸が張り裂けそうになります。
そんな中、涼太が感情を爆発させながらも、「千夏なしの未来なんてありえない」と誓うシーン。ここが、この物語の救いであり、根幹をなすテーマだと感じました。どれだけ裏切られたと感じても、どれだけ傷つけられても、彼の愛は揺るがない。この深い愛情こそが、いつか千夏の心を溶かす鍵になるのだと信じたいです。
医師でさえ原因を掴めない、千夏の病。この深い闇の中、涼太というたった一つの光を頼りに、二人がどうなっていくのか。固唾を飲んで見守りたいと思います。
【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】9話のネタバレまとめ
- 夫の涼太は、慣れないワンオペ育児と片道1時間の病院通いで、心身ともに疲弊していました 。
- 強い薬が中止された千夏は、症状の再発に怯え、夫への猜疑心を募らせていました 。
- 息子の翼が熱を出したと聞き、帰ろうとする涼太に対し、千夏は「翼なんかどうでもいいじゃん!!!」と叫んでしまいました 。
- 妄想に囚われて自分を責める千夏に対し、涼太は感情を爆発させながらも、「千夏なしの未来なんてありえない」と改めて深い愛情を誓いました 。
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