【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】21話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 回復の兆しを見せ始めた千夏は、日記をつけたり、散歩をしたりと、少しずつ「日常」を取り戻していきました 。
  • 他の入院患者たちと交流するようになり、夫の前で久しぶりに心の底から笑うことができるようになりました 。
  • 夫が持ってきた息子の写真でアルバムを作りながら、離れていた間の息子の成長を確かめ、母性を育んでいきました 。
  • 千夏は、「翼が大きくなった時に、愛されていたと感じてほしい」と願い、「きっと必ず、愛せるようになる」と強く決意しました 。

【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】第21話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、息子・翼への愛情を取り戻そうと固く決意し、回復への大きな一歩を踏み出した主人公・千夏。第21話では、試練の場であったはずの「外泊」が、彼女の心に予期せぬ変化をもたらします。安らぎの場所の逆転、そして新たな苦しみとの戦い。本当の意味での退院を目指す、彼女の新たな決意が描かれます。

この記事では、「妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】第21話のあらすじを、ネタバレありで徹底的に解説していきます。

成功した外泊と、夫の優しさ

物語は、無事に息子のお食い初めを終え、千夏が病院へ戻る車中から始まります。

小さな成功体験がもたらすもの

「千夏がんばったな 正直すごく驚いたよ!」。 涼太は、千夏が終始落ち着いていられたこと、そして翼を抱っこできたことを、心から喜び、称賛します 。そして、「今はいっぱいいっぱいでも それが次第にどんどん広がって できることが増えていくと思うよ」と、優しく励まします

そのどこまでも深い優しさに、千夏は「私が涼ちゃんだったら こんな嫁絶対にムリ」「もはや生き仏の域だよ…」と、感謝と申し訳なさで胸がいっぱいになるのでした

「安らぎの場所」の逆転

外泊を終え、実家で一泊した千夏。しかし、そこで彼女は、自身の心に起きた衝撃的な変化に気づかされます。

「刺激」が多すぎる外の世界

温かい家族に囲まれ、1日でも早く退院したいと願う一方で、千夏の心は限界を迎えようとしていました。 「なんで外の世界には こんなにも『情報』があふれているんだろう」。 部屋にある様々な物の色、かたち、もよう 。その一つ一つが、今の彼女にとっては「刺激」が多すぎるのでした 。

閉鎖病棟が「落ち着く場所」に

その夜、千夏はなかなか寝付けませんでした。無意識に手に取ったのは、病院から持ってきたハンカチ。そこから香る、無機質な病棟の匂いに、彼女はなぜか「落ち着く…」と感じます

そして、衝撃的な事実に気づきます。

「あんなにイヤでイヤで たまらなかった閉鎖病棟の存在が いつのまにか私の中で ホッとしてる 私…安心している」

まるで世界が逆転したかのような感覚 。あれほど憎んだ閉鎖病棟が、情報過多な外の世界から身を守ってくれる、唯一の「安心できる場所」へと変わってしまっていたのです。

本当の退院を目指して

この心の変化は、千夏に新たな決意を促しました。

毎週末の外泊という目標

「自他ともに『もう大丈夫』って確信できるまで退院はしない」

千夏は、中途半端な状態で退院するのではなく、本当の意味で回復することを決意します。そして、そのために「これから毎週末外泊して翼と会っていきたい」と、涼太に相談するのでした

帰ってきた「いつもの場所」

涼太に連れられて病院に戻ると、そこにはいつもの光景が広がっていました。以前は「殺しておばさん」と叫んでいた老婆が、穏やかに笑っています 。看護師の高坂も、「おかえり~」と明るく迎えてくれました 。その光景に、千夏の不安は少しずつほどけていくのでした

新たな苦しみ「副作用」との戦い

しかし、平穏なだけでは終わりません。薬の副作用が、新たな苦しみとなって彼女を襲います。 「ただただ頭部への強い違和感で身の置き場がなかった」

「頭がビリビリする 脳のカタチがわかるくらいにしびれる…!!!!」

それでも千夏は、「この副作用は薬がちゃんと働いてくれてる証拠だ」「きっとこれからは良くなるばかりだ」と、週末に控える翼とのお宮参りを励みに、必死に耐えようとするのでした

【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】21話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、主人公・千夏の心理的な変化が非常に深く、そしてリアルに描かれていて、胸を打たれました。あれほど憎んでいた閉鎖病棟が、いつしか「安心できる場所」に変わっていたという描写は、衝撃的であると同時に、彼女の心がどれほど疲弊し、過剰な刺激から身を守ろうとしていたのかが伝わってきて、非常に切なかったです。

しかし、それは決して後退ではありません。自分の状態を客観的に認め、「ちゃんと治るまで退院しない」と決意し、その上で「毎週末、息子に会う」という具体的な目標を立てた。これは、回復への道を自らの足で歩み始めた、力強い一歩だと感じました。

涼太の「生き仏」のような優しさ、そして「殺しておばさん」が笑っているという、病棟内の小さな変化の描写も、物語に温かい光を添えています。

最後に訪れた副作用という新たな試練。回復への道は一直線ではないという現実を突きつけられますが、「きっと良くなる」と信じて耐えようとする千夏の姿に、彼女の精神的な成長と強さを感じました。彼女が本当の笑顔で退院できる日を、心から応援したくなる回でした。

【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】21話のネタバレまとめ

  • お食い初めのための外泊を無事に終えた千夏は、夫・涼太からその頑張りを称賛されました 。
  • しかし、情報量の多い外の世界に強い刺激を感じ、逆に閉鎖病棟の存在に「安心している」自分に気づき、衝撃を受けました 。
  • 千夏は、完全に回復するまで退院せず、代わりに毎週末の外泊で息子と会う時間を持ちたいと夫に提案しました 。
  • 回復への道を歩み始めた矢先、今度は薬の副作用による「頭部の強い違和感」という新たな苦しみに見舞われることになりました 。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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