【マリリンはいなくなった】3話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【マリリンはいなくなった】第3話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、同僚の三住先生への恋心を自覚してしまった今日子。第3話では、その募る想いに戸惑いながらも、教師としての本分を全うしようと奮闘します。しかし、生徒との関係の真相、そして三住先生との予期せぬ接近が、彼女の心を大きく揺さぶることになります。

意識しすぎる心と、封印の決意

三住先生を意識し始めた今日子の毎日は、ぎこちなさでいっぱいになります。

「好きだったの!?」――確信に変わる想い

朝の挨拶から、三住先生の一挙手一投足が気になって仕方がない今日子 。その不自然な態度は、自分でもコントロールできないほどです 。そして、彼女はひとつの確信に至ります。前話で発見した手帳の「笑った」というたった一言のメモは、三住先生に向けられたものだったのだと 。

「前の私は― 三住先生を好き……だったの!?」

記憶のない7年間の自分が抱いていた恋心。その事実に、今日子の胸はざわつき、どうしようもない戸惑いが彼女を襲います。

恋心を封印し、仕事に生きる

しかし、その恋は「好きな人に嫌われていた」という、あまりにも辛い現実を伴うものでした 。今日子は、この輝いて見える三住先生への感情は、今の自分の本当の気持ちではなく、7年間の「マリリン」が見ていたフィルター越しのものだと結論付けます 。

「今の私は 早く 生活に慣れて 真っ当に生きたいの」

「色恋言ってる場合じゃない」

そう固く誓い、今日子はこの芽生えかけた恋心を封印し、不必要に三住先生に近づかないこと、そして教師の仕事に邁進することを決意するのでした 。

生徒との対峙――失われた7年間の関係性の真相

恋心を封じ込めた今日子の前に、最大の懸念事項であった生徒・真宮獅虎（レオト）が立ちはだかります。

明かされる「マリリンごっこ」の真実

レオトに国語準備室へ呼び出された今日子は、「私たちの関係について」と真剣な眼差しで問い詰められます 。今日子が最も恐れていた、生徒との不適切な関係。その答えが今、明かされようとしていました。

しかし、レオトの口から語られたのは、衝撃的ながらも安堵する事実でした。 「それって オレがあ 可愛いエロいって言って 今日子ちゃんが ハイハイ アナタもねって返して」

「ついでに 周りの奴らが悪ノリして 誰がマリリン落とせるかってやってる」

彼らの関係は、あくまで悪ノリの延長線上にある「ごっこ遊び」だったのです。記憶を失う前の今日子は、生徒たちの馴れ馴れしい態度を巧みにかわしていたのでした。

安堵と、からかわれるだけの自分

生徒と一線を超えた関係ではなかったことに、今日子は心の底から安堵します 。「やったー これで最大にして最悪の心配事なくなった!!!」と、心の中でガッツポーズをするほどでした 。

一方で、レオトに「教師だからからかわれてるだけ!!!!!」という現実も突きつけられます 。安堵の中にも、ちょっぴり複雑な気持ちが残るのでした。

仕事への邁進と、三住先生との予期せぬ接近

最大の懸念が晴れ、今日子は改めて仕事に集中しようとします。しかし、運命は彼女を三住先生へと引き寄せます。

突然の二人きりの時間

体育祭の準備や中間テストの作成など、教師の仕事は山積みです 。その多忙な日々に追われ、帰りが遅くなってしまった今日子。そんな彼女に、三住先生が「遅いんで送ります」と声をかけます 。

「近づかないって決めたところ、なのに～!!!」

心の中で叫びながらも、彼の申し出を断ることはできず、今日子は緊張しながら三住先生の車に乗り込みます 。

車の中の告白――誤解と、新たな約束

静かな車内で気まずい空気が流れる中、三住先生は突然「謝るよ」と切り出します 。そして、「『嫌いだった』なんて言ったこと 悪かったよ」と、これまでの態度を真摯に謝罪するのでした 。

彼は、記憶を失う前の今日子をちゃんと知ろうとせず、決めつけていたことを反省していると語ります。そして、こう約束するのです。

「これからは ちゃんと 見るから」

その誠実な言葉は、今日子の心を強く打ちます。彼女もまた、「先生は私よりも私のことわかってて すごく心強かったです」と、正直な感謝の気持ちを伝えました 。

「もし頼れると思うなら 頼って」

彼の優しさに触れ、今日子の瞳は潤みます。別れ際、三住先生が向けた「また明日」という穏やかな笑顔 。その不意打ちに、今日子の心は再び大きく揺れ動きます。「わかってる このキュンキュンは マリリンの……」と、必死に自分に言い聞かせようとしますが、その恋心がもはや自分自身のものになりつつあることを、彼女は否定しきれないのでした 。

【マリリンはいなくなった】3話を読んだ感想（ネタバレあり）

第3話は、今日子の心の葛藤と、登場人物たちの関係性が大きく進展した、非常に密度の濃い回でした。

まず、生徒のレオトとの関係の真相が明らかになり、ホッとしました。最悪の事態ではなかったことに安堵すると同時に、記憶のない「マリリン」が、一人で生徒たちの悪ノリをいなし続けていたのかと思うと、彼女の孤独と強さに胸が締め付けられます。

そして、なんと言っても三住先生です。彼の不器用な優しさが全開でした。車の中での謝罪と、「これからはちゃんと見るから」という宣言は、あまりにも誠実で心を打たれました。これはもう、ただの同僚への言葉ではありません。一人の女性として、今日子を真剣に見つめようという彼の決意の表れだと感じました。

恋心を「マリリンのフィルター」のせいにして、必死に封じ込めようとする今日子の姿が、とても健気で愛おしかったです。でも、三住先生のあんな優しい笑顔を向けられたら、好きになってしまうのも無理はありません。「このキュンキュンはマリリンのもの」と自分に言い聞かせるシーンは、自分の本当の気持ちから目をそらそうとする、恋の始まりのリアルな描写で、とても共感できました。

誤解が解け、二人の間にあった壁が取り払われたことで、物語は新たなステージに進んだように感じます。これはもう、今日子自身の恋。彼女がこの気持ちとどう向き合っていくのか、次回の展開が待ちきれません。

【マリリンはいなくなった】3話のネタバレまとめ

• 今日子は三住先生への恋心を、記憶のない「マリリン」の感情だと結論付け、封印して仕事に邁進することを決意します 。
• 生徒のレオトから、彼らとの関係が不適切なものではなく、あくまで「ごっこ遊び」だったことを知らされ、安堵します 。
• 仕事で帰りが遅くなったところを三住先生に車で送ってもらうことになり、予期せず二人きりの時間を過ごします 。
• 車中で三住先生から、過去に「嫌いだった」と言ったことを謝罪され、「これからはちゃんと見るから」と真摯な言葉をかけられます 。
• 三住先生の優しさに心惹かれながらも、その感情は「マリリン」のものだと自分に言い聞かせ、必死に恋心を否定しようとします 。

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コマさん（koma）

野生のライトノベル作家

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社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》