【今夜私は夫と不倫する】2話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 主人公の葵は、夫・和久とのすれ違い生活に悩み、彼のSNSでの不倫疑惑を発見しました。
  • 真相を確かめるため、葵は友人・美代の協力で別人「みつば」に変身し、夫にSNSで接触することに成功します。
  • 待ち合わせ場所に現れた夫は、家とは別人のように優しく、「みつば」をホテルにまで誘います。
  • キスをされるも一線は越えずに拒否した葵。眠ってしまった彼女を見て、夫・和久が「本当にかわいいね葵」と意味深に呟くところで、物語は幕を閉じました。

【今夜私は夫と不倫する】第2話をネタバレありでわかりやすく解説する

自分の正体を隠し、夫と「不倫」をする――。あまりにも奇妙で、危険なゲームを始めた主人公の葵。第2話では、偽りのデートを通して、彼女が知らなかった夫の顔と、自分自身の複雑な感情が赤裸々に描かれていきます。

偽りのデート、本物のときめき

物語の冒頭、葵はSNS上の夫・和久(カズ)とメッセージをやり取りしています。「昨日は泣いちゃってごめんなさい」と送ると、彼は「気にしないで!」「楽しかった」と優しい返信をくれます 。そして、「また会えないかな?」という追撃の誘い 。

憎しみと愛情のアンビバレンス

「相手が 妻の 私だとも 知らないで――」 。葵の心は、夫に騙されている怒りと、夫を騙している罪悪感でぐちゃぐちゃです。しかし、それ以上に彼女を混乱させたのは、予期せぬ感情の芽生えでした。

「あんなふうに あの人に ときめいたのも はじめてだった」 。家では決して見せない、優しい「カズ」として振る舞う夫の姿に、葵は不覚にも、本気でときめいてしまったのです

別人「みつば」として夫と過ごす時間は、苦しいはずなのに、抗いがたいほど楽しかった。この矛盾した感情が、葵の心を激しく揺さぶります

仮面を被った夫婦の食卓

葵が複雑な思いで家にいると、夫の和久が帰宅。手には高級弁当があり、「葵たしか好きだって言ってただろ」と優しい言葉をかけます 。しかし、その優しさも、今の葵には「浮気の罪滅ぼしのつもり…?* としか思えません。

葵は「夕飯の支度しないですんで助かります」と当たり障りなく返しますが 、心の中では「涼しい顔しちゃって」 と冷めた目で夫を見つめています。同じ家にいながら、お互いに全く違う顔を見せ合う夫婦の姿は、あまりにもいびつでした。

証拠集めのための水族館デート

後日、葵は「みつば」として、再び夫とのデートに臨みます。今回のデート場所は水族館 。コートの下にはボイスレコーダーを忍ばせ、「甘いセリフは不倫の証拠になるし しっかり集めてやる!」と意気込みます

目的を忘れてしまうほどの多幸感

水族館で会った夫(カズ)は、葵の服装を「かわいい」と自然に褒めます 。普段、夫からは決して言われることのない言葉に、葵の心は小さく弾みました。

目の前に広がる美しい水槽の世界に、葵はすっかり心を奪われてしまいます。「まさに神の領域」「なんで海の生きものってこんなかわいいの!!!!」と、証拠集めの目的も忘れて大はしゃぎ 。我に返って「自分ばっかり夢中になっちゃってごめんなさい」と謝る葵に、夫は「楽しんでもらえてよかった」と、ただ優しく微笑むのでした

知らなかった「夫」との接近

デート中、葵は素の自分をさらけ出してしまいます。ペンギンの話で天然な一面を見せて夫を笑わせたり、魚の顔を見て「部長にそっくり」と口走ったり 。その時間は、復讐とは程遠い、ただただ楽しい恋人たちのデートそのものでした。

保護色の魚を探している時、夫が「あれじゃない?」とすぐそばに顔を寄せます 。突然の接近に、葵の心臓は大きく音を立てました 。青く幻想的な光の中、葵は目の前にいる「カズ」が自分の夫であることを忘れ、ただ一人の男性として強く惹かれていく自分をはっきりと自覚するのでした。

夫が語る、皮肉すぎる「夫婦論」

デートの帰り道、この奇妙な関係の歪みが、最も皮肉な形で現れます。葵が仕掛けた問いに対し、夫は何も知らずに、自分たちの夫婦関係そのものについて語り始めるのです。

夫にぶつける、妻の心の叫び

葵は意を決して、夫に「自分の夫が不倫している」という話を切り出します

「ウチの夫ね たぶん今日も女と会ってるの」「だから……負けないくらい楽しんで見返してやりたくって」

これはもちろん、目の前にいる張本人、あなた自身の話なのだという、葵からの精一杯の告発でした。さらに彼女は「自分も『奥さん』を裏切ってて思うところはないの?」と、核心を突く質問を投げかけます

あまりにも皮肉な「正論」

すると、夫は驚くべき言葉を口にします。

「それはご主人とちゃんと話したほうがいいよ」

自分の妻に向かって、自分自身との対話を促すという、あまりにも皮肉なアドバイス。葵が「どの口がそんな…」と呆然とする中、夫は続けます。

「もしオレだったら こんなにすてきな人 絶対悲しませたくないって思うから…」 。そう言って、夫は葵(みつば)を強く抱きしめ、キスをしました

「大事なら、なんで不倫なんかするの?」

混乱した葵が「パートナー(妻)のことを大事に思ってる?」と問い詰めると、夫は「大事だよ」と答えます 。そして、まるで全てを見透かしたかのように、こう続けました。「相手が大事で でも伝わらなくて どうにかして紛らわせたかった」「受け止めてほしいのにってつらい そうじゃない?」

その言葉は、葵が抱えていた寂しさそのものでした。しかし、どんなに優しい言葉をかけられても、拭えない疑問が彼女の心を支配します。涙を浮かべながら、葵は心の底から叫びます。

「でも浮気はダメじゃん」「大事ならなんで不倫なんかするの?」

この問いに、夫・和久が答える日は来るのでしょうか。二人の奇妙な不倫ごっこは、さらに先の見えない迷宮へと入っていきます。

【今夜私は夫と不倫する】2話を読んだ感想(ネタバレあり)

全てのシーンに強烈な皮肉と切なさが漂っていて、ページをめくる手が止まりませんでした。

特に鳥肌が立ったのは、夫が葵(みつば)に「ご主人とちゃんと話したほうがいいよ」とアドバイスするシーンです。本人は善意のつもりかもしれませんが、事情を知っている読者からすると、これ以上ないブラックジョーク。同時に、家ではコミュニケーションを拒絶する夫が、外では雄弁に「対話の重要性」を語る姿に、人間の多面性や矛盾を突き付けられた気がして、非常に考えさせられました。

葵が夫の「カズ」としての姿に本気でときめいてしまう描写も、とてもリアルで切なかったです。夫を憎んでいるはずなのに、その夫が見せる理想の姿に惹かれてしまう。このアンビバレントな感情こそが、この作品の大きな魅力だと感じます。

最後の「大事ならなんで不倫なんかするの?」という葵の問いは、全ての読者の気持ちを代弁する、魂の叫びでしょう。この普遍的で根源的な問いに、このいびつな夫婦がどう向き合っていくのか。ただの不倫モノではない、深い人間ドラマとしての側面に、ますます期待が高まります。

【今夜私は夫と不倫する】2話のネタバレまとめ

  • 葵は、夫・和久がSNSで使う別人格「カズ」と、自身の正体を隠したまま水族館でデートをする 。
  • 目的は不倫の証拠集めだったが、家では見せない夫の優しい姿に、葵は不覚にもときめいてしまう 。
  • 葵は夫に「自分の夫が不倫している」という相談を持ちかける 。
  • 夫は、それが自分のことだとは知らずに、「ご主人とちゃんと話したほうがいい」と真顔でアドバイスをする 。
  • 葵は夫にキスをされるが、最終的に「大事ならなぜ不倫をするのか」という根源的な怒りと疑問に立ち返る 。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
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野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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