【60点の夫婦でいいのに】11話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 恋人・瑛次のスマホで、親友・陽菜からの親密なメッセージを発見した梨佳。
- 梨佳は、過去に母・円佳が親友の家庭を壊した記憶から、陽菜の行動に「悪意」があるのではないかと疑ってしまう。
- 梨佳は、関係の破綻を覚悟の上で、陽菜に「瑛次と不倫してる?」と直接問い詰めた。
「60点の夫婦でいいのに」第11話をネタバレありでわかりやすく解説する
親友の無実と、梨佳の涙の告白
前回のラスト、親友である陽菜に「瑛次さんと不倫してる?」と究極の問いを投げかけた梨佳 。物語は、その問いに対する陽菜の答えから始まります。陽菜は、梨佳の目を真っ直ぐに見つめ、きっぱりと否定しました。
「私は梨佳を裏切ったりしないよ 絶対に」
陽菜の力強い言葉に、梨佳の心に張り詰めていた疑いの糸はぷつりと切れ、涙が溢れ出します 。彼女は、学生時代にいじめから守ってくれた陽菜を疑ってしまったことを謝罪し 、瑛次への不安や、消えないトラウマの苦しみをすべて打ち明けました 。陽菜はそんな梨佳を優しく受け止め、「トラウマは消えないもんね…」と彼女の痛みに寄り添い、「いつでも頼ってね」と変わらない友情を示したのです 。
「僕の妻なんだから」― 姿を現した瑛次の支配欲
陽菜との絆を再確認し、少しだけ心が軽くなった梨佳。しかし、その1週間後、彼女は恋人・瑛次の本性を目の当たりにします 。その日は、瑛次の親戚が集まる大切な日でした 。梨佳がお気に入りのワンピースを着て準備を整えると、瑛次は冷たい視線で彼女を制します。「それ 短すぎない?」 。
梨佳が「普通だと思うけど」と返すと、瑛次は有無を言わせぬ口調でこう言い放ちました。「着替えてきてよ僕の妻なんだからさ」 。その言葉は、梨佳を自分の一部であるかのように扱う、明らかな支配欲の表れでした。梨佳は、かつてのようにただ彼の妻になりたいと願っていた自分はもういない、「瑛次の所有物じゃない」と、心の中で静かな抵抗を誓うのでした 。
暴かれる嘘と、現れた恋敵
瑛次の実家での集まりは、梨佳にとって、さらなる衝撃が待つ場所でした。瑛次は親戚の赤ちゃんをあやすと、不意に落としそうになります 。その姿は、心から子どもを可愛がっているというより、どこか「良い夫」を演じているかのようでした。その様子を見て、梨佳はかつて瑛次が言った「僕は梨佳と2人でいたいんだ」という言葉を思い出し、「…嘘つき」と、彼の偽善に気づき始めます 。
そこに、瑛次とやけに距離の近い若い女性が現れます 。彼女は瑛次の従姪(いとこの娘)で、20歳の「姫ちゃん」 。梨佳は彼女の顔に見覚えがありました。彼女こそ、以前、瑛次が深夜に配信を観ていた、人気の配信者「ひめにゃ」だったのです 。
親戚の赤ちゃんを抱かせてもらった梨佳は、自分でも気づかなかった母性を感じ、「『いらない』って自分に言い聞かせてたのかも」と、トラウマによって自らの本当の気持ちに蓋をしていたことに気づきます 。
「女として0点」― 繰り返される悲劇の言葉
梨佳が少し席を外した隙に、事件は起こります。姫ちゃんは瑛次に甘えながら、彼の眼鏡を拭いてあげるなど、あからさまな好意を見せていました 。その裏で、梨佳が聞き取れないと思っていた瑛次は、姫ちゃんに対して「元々欲しいよ 子ども」と、梨佳に話していたこととは全く逆の本音を漏らしていたのです 。
そして、梨佳の耳に入ってきたのは、信じがたい瑛次の心の声でした。彼は、子どもを産むことを望まない梨佳を「産めるのに産みたくないって 女として0点」と、心の中で断罪していたのです 。それは、かつて陽菜の父・尚弥が沙紀を追い詰めた、あの呪いのような言葉そのものでした。
さらに姫ちゃんは、梨佳に対して「わたしはいっぱい産めますよ 彼の子ども♡」「こんな子に不幸にされていいの?」と、残酷な言葉で宣戦布告します 。この屈辱的な仕打ちを受け、梨佳はついに戦うことを決意しました 。
決意の果てに…沙紀との再会
数日後、梨佳は陽菜に会います 。彼女の表情には、もう迷いはありませんでした。梨佳は、ある決意を陽菜に伝えます。それは、メッセージという形で示されました。
「陽菜のお母さんに会いたい」
物語のラスト、梨佳が訪れた家のドアが開きます。そこに立っていたのは、全ての悲劇を乗り越え、幸せを掴んだ最初の主人公・沙紀でした 。世代を超え、同じ痛みを抱える二人の女性が出会った瞬間、新たな反撃の物語が始まろうとしていました。
「60点の夫婦でいいのに」11話を読んだ感想(ネタバレあり)
前回のラストで親友の陽菜を疑ってしまった梨佳の姿に胸を痛めていましたが、今回、陽菜の潔白が証明され、二人の絆の強さが再確認されたことには、まず心から安堵しました。しかし、その安堵はすぐに、瑛次の本性に対する底知れない恐怖へと変わりました。
彼の「僕の妻なんだからさ」という言葉や、子どもに対する態度の裏表、そして何よりも「女として0点」という心の声。これは、梨佳のトラウマが生んだ妄想などではなく、明確なモラハラの兆候です。優しい恋人を演じながら、水面下ではパートナーを自分の価値観で採点し、支配しようとする彼の姿は、第一部の尚弥とはまた違う、陰湿な恐ろしさを感じさせました。梨佳のトラウマは、彼女を苦しめる呪いであると同時に、危険を察知するための鋭敏なセンサーでもあったのだと気づかされ、鳥肌が立ちました。
そして、圧巻だったのはラストシーンです。絶望的な状況の中、梨佳が助けを求めた相手が、この物語における「最強のサバイバー」である沙紀だったという展開には、思わず声が出ました。かつて、同じように夫の裏切りと戦い、見事に勝利を収めた沙紀。彼女が今、梨佳の前に現れたことは、梨佳にとって、そして私たち読者にとって、これ以上ない希望の光です。世代を超えた二人の「同志」が、これからどんな反撃を見せてくれるのか。次回の展開が楽しみでなりません。
「60点の夫婦でいいのに」11話のネタバレまとめ
- 梨佳に不倫を疑われた陽菜は、それをきっぱりと否定し、二人の友情は再確認された。
- 恋人の瑛次は「僕の妻なんだから」と梨佳の服装に口を出すなど、支配的な本性を見せ始める。
- 親戚の集まりで、瑛次は梨佳に「子どもは欲しくない」と言っていた嘘が暴かれる。
- 瑛次の従姪で配信者の「姫ちゃん」が、恋敵として梨佳の前に現れる。
- 瑛次は、子どもを望まない梨佳を、心の中で「女として0点」と見下していたことが発覚する。
- 全てを知った梨佳は、戦うことを決意し、陽菜を通して、母・沙紀に会う約束を取り付ける。
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