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【岩肌の花嫁は愛で溶かされる】32話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 白蘭は離島での任務で、「狂宴の印」という呪いで強化された敵兵と交戦していました。
  • 彼の持つ「神の呪い」には、敵の呪いを吸い出して無力化するという、世界で唯一の特異な力があることが明かされました 。軍はこの能力を戦略に組み込んでいたのです。
  • 激しい戦闘の最中、白蘭は岩子が作ってくれたお守りを手に、彼女への「狂おしく愛おしい」想いを募らせていました 。
  • しかし、愛する人を想い無防備になったその一瞬の隙を突かれ、敵の狙撃手に撃たれるという絶望的な形で物語は終わりました。

【岩肌の花嫁は愛で溶かされる】第32話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回のラストで響いた一発の凶弾。第32話は、その絶望的な報せが岩子(いわこ)の元に届けられるところから始まります。愛する人の命の灯火が消えかかっていると知った彼女は、ただ嘆き悲しむだけの少女ではありませんでした。自らの力で運命を切り開こうとする、彼女の強い決意が光る回となっています。

届けられた絶望的な報せ

白蘭の屋敷では、岩子が穏やかな時間を過ごしていました。しかし、その平穏は、一人の兵士の来訪によって無慈悲にも打ち砕かれます。

束の間の平穏を打ち破る凶報

キネがお茶を運んできたその時、白蘭の部下である犬目(いぬめ)が、血相を変えて廊下を駆け込んできます 。彼のただならぬ様子に岩子が息を呑むと、犬目は息も絶え絶えに叫びました。

「黒峰少佐がっ 重体です!!!!」

その一言が、岩子の世界から音を奪います。すぐさま帝国軍本部に駆けつけた彼女を待っていたのは、さらに残酷な現実でした。

余命二日

軍の最高幹部である厳格な将軍は、岩子に白蘭の容態を淡々と告げます。彼は敵兵の砲弾をまともに受け、瀕死の重傷を負いました 。医師団も手の施しようがない絶望的な状態です

将軍は、「もって二日」「今も生きていられるのが不思議な状態だ」 と、非情な事実を突きつけます。皮肉にも、今かろうじて彼の命を繋ぎ止めているのは、彼自身を蝕む「神の呪いの力」だろうと推測されるのでした 。

絶望の淵で、岩子の決意

白蘭の命の期限が宣告され、岩子の心は深い絶望の淵に沈みます。「白蘭様が…死ぬ…?」 という言葉が頭の中を巡り、これまでの彼との温かい思い出が次々と蘇り、彼女の瞳からは大粒の涙が溢れ出しました。

見殺しにされる白蘭

追い打ちをかけるように、将軍は「そんな状態での本島への移動は難しい」 と告げます。これは、白蘭がいる離島から動かすことができず、事実上、彼を見殺しにするしかない、という死の宣告に他なりません。

「私の力ならきっと…!」

しかし、岩子はここで諦めませんでした。涙に濡れる顔を上げた彼女の瞳には、悲しみだけではなく、燃えるような強い意志の光が宿っていたのです。彼女は自分の両手を見つめ、そこに宿る癒やしの力を思い出します。

そして、将軍の前に進み出ると、決然とした声で訴えました。

「私を白蘭様のところへ 連れて行ってください!」「私の力ならきっと 白蘭様の傷を治せます!」

かつて虐げられるだけだった少女は、もうどこにもいません。愛する人の命を救うため、自らの持つ「神の乙女の力」を武器に、巨大な軍組織に真正面から立ち向かおうとしていたのです。

差し伸べられた一筋の光

岩子の悲痛な願い。しかし、現実はあまりにも無情でした。

非情な軍の掟

将軍は、彼女の訴えを「ならんならん!」 と一喝します。「あなた一人を運ぶのに軍艦を出せというのか!」 「軍が私情のために動けば国が滅ぶことにも繋がる!」 と、個人のために軍は動かせないという組織の論理を突きつけます。正論ではありますが、それは岩子にとって希望が完全に断たれたことを意味しました。

救世主、鳳条紫苑現る

岩子が床に膝をつき、万策尽きたかと思われたその時、部屋の扉が開き、一人の男が静かに入ってきました。 純白の軍服に身を包み、片目に眼帯をした、ミステリアスな雰囲気の男性。彼は、帝国海軍大佐・鳳条紫苑(ほうじょう しおん)と名乗ります 。

彼は、将軍の言葉を覆す、意外な事実を告げました。

「軍の作戦に沿っていれば問題ないのでは?」

実は、海軍は上層部から、白蘭のいる島へ援軍に向かうよう、すでに命令を受けていたのです

そして紫苑は、呆然とする岩子に向き直り、こう申し出ます。

「我が艦隊で あなたをお連れしましょう 黒峰の奥様…岩子さん」

絶望の闇の中に差し込んだ、あまりにも劇的な一筋の光。この謎多き海軍大佐の登場が、岩子と白蘭の運命を再び大きく動かそうとしていました。

【岩肌の花嫁は愛で溶かされる】32話を読んだ感想(ネタバレあり)

息もつけないほどの、まさにジェットコースターのような展開でした。前回のラストで絶望の淵に突き落とされたかと思えば、今回のラストでは一転して大きな希望が示される。この巧みなストーリーテリングには、完全に心を鷲掴みにされてしまいました。

今回の主役は、間違いなく岩子ちゃんです。彼女の成長には本当に胸が熱くなりました。白蘭様の余命が二日と宣告された時の絶望感は計り知れませんでしたが、彼女はそこで泣き崩れるだけではなかった。自らの力を信じ、軍の最高権力者であろう将軍に「私を連れて行け」と啖呵を切る姿は、本当にかっこよかったです。愛する人を救いたいという一心は、人をここまで強くするのですね。

そして、なんと言っても新キャラクター、鳳条紫苑の登場が鮮烈でした。まさに絶体絶命のタイミングで現れるなんて、ヒーローそのものじゃないですか。彼の理路整然とした反論で、頭の固い将軍を黙らせたシーンは、読んでいて胸がスカッとしました。彼が一体何者で、どうしてここまで協力的なのか、謎は深まるばかりですが、今はただ、岩子ちゃんにとって力強い味方が現れたことを素直に喜びたいです。

白蘭様の命のタイムリミットが刻一刻と迫る中、岩子ちゃんは間に合うのか。そして、この鳳条紫苑という男は、敵か、味方か。物語は新たな局面を迎え、ますます目が離せなくなりました。

【岩肌の花嫁は愛で溶かされる】32話のネタバレまとめ

  • 岩子の元に、白蘭が戦場で砲弾を受け瀕死の重体となり、余命二日であるという絶望的な知らせが届きます 。
  • 白蘭は、彼自身の「神の呪いの力」によってかろうじて命を繋いでいる状態で、医師団も手の施しようがありませんでした 。
  • 岩子は自らの「神の乙女の力」で白蘭を救うため、軍の将軍に彼がいる離島へ連れて行くよう懇願しますが、軍は私情では動かせないと一蹴されます 。
  • 絶望する岩子の前に、帝国海軍大佐・鳳条紫苑と名乗る謎の男が現れます 。
  • 彼は、公式の援軍任務に便乗する形で、岩子を自分の艦隊で白蘭の元へ連れて行くと申し出てくれました 。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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