【婚約式は修羅場の始まり】9話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • ソフィーとその母親は、アレッシアのお腹の子の父親が誰か分からないかのように侮辱し、彼女を金と権力のために妊娠を利用する売女だと罵倒しました。
  • アレッシアは最後の望みをかけて「ロレンツォに電話して」と訴えましたが、ソフィーに「白馬の王子様を待っているの?」と嘲笑され、取り合ってもらえませんでした。
  • ソフィーの母親は、アレッシアの必死の抵抗や弁明の全てを「悲劇のヒロインを演じて男を誘惑する手口だ」と決めつけ、彼女の人間性を否定しました。
  • 弁明の手段を全て絶たれ、尊厳を踏みにじられたアレッシアは、完全に孤立無援の状態で、さらに激しさを増す暴力に晒されていました。

【婚約式は修羅場の始まり】第9話をネタバレありでわかりやすく解説する

アレッシアの尊厳を踏みにじる、陰湿な言葉の暴力が続く中、一本の電話が鳴り響きます。それは、一縷の望みか、それともさらなる絶望への引き金か。第9話では、何も知らないロレンツォからの電話が、皮肉にもアレッシアが「偽物」であることの決定的な証拠となり、彼女をさらなる窮地へと追い込んでいく、あまりにも残酷な展開が描かれます。

地獄に響く一本の電話

アレッシアへの暴行が続く部屋に、鳴り響く電話のコール音。それは、この惨状の元凶とも言える、ロレンツォからのものでした。ソフィーは表情一つ変えず、その電話に出ます。

婚約者を騙るソフィーの二枚舌

「やあ、ベイブ。会社の用事で捕まってしまってね。婚約式に遅れるかもしれない」 電話の向こうのロレンツォは、何も知らずに優しく語りかけます。そして、彼は決定的な言葉を口にしました。

姉さんを案内して、会場に連れて行ってくれるかい?彼女は2時にそこに着くから

この言葉を聞いた瞬間、ソフィーの心の中で、目の前にいる女が偽物であることが100%確定しました。電話の向こうで物音がしたのか、ロレンツォが「今の音は何だ?」と尋ねます。ソフィーは「何でもないわ、発情期の野良猫よ」と冷静にごまかし、こう続けました。

「アレッシアさんのことは、自分の本当のお姉さんのように大切にするわ

婚約者の前では完璧なフィアンセを演じきるソフィーの二枚舌は、まさに悪魔そのものでした。

誤解を決定づけた「2時到着」の伝言

ロレンツォは「ありがとう。彼女がどれだけ大切か知ってるだろ」と感謝を述べ、電話を切ります。彼の善意からの伝言が、姉を地獄の業火に突き落とす最後の薪となってしまいました。電話を切った瞬間、ソフィーの優しい仮面は剥がれ落ち、再び憎悪に満ちた表情でアレッシアに向き直ります。

「ロレンツォが言っていたわよ、本物のアレッシアは1時間後に到着するってね。あんたはクソみたいな偽物よ!

最も残酷な対決の提案

もはやアレッシアが何を言おうと、ソフィーには届きません。「偽物」というレッテルを手に入れた彼女は、アレッシアに最大限の屈辱を与えるための、最も残酷な計画を思いつきます。

「本物のアレッシアに会わせてあげる」

「お願い、彼と話させて」と懇願するアレッシア。その言葉に対し、ソフィーは悪魔のような笑みを浮かべて提案します。 「いいわよ。私の婚約パーティーに行きましょう。そこで本物のアレッシア・デュカに、あんたが何者なのか話してやればいいじゃない」 それは、公衆の面前でアレッシアの「嘘」を暴き、彼女を笑いものにするという、あまりにもサディスティックな計画でした。

弟を想う姉の最後の抵抗

しかし、アレッシアはその提案を拒絶します。「ロレンツォに公の場で恥をかかせるわけにはいかない…行かせて」 自分の身の危険よりも、弟の体面を気遣うアレッシア。その気高い姉としての愛情は、しかし、嫉妬に狂ったソフィーには「嘘がバレるのが怖いから抵抗している」としか映りません。この最後の抵抗が、ソフィーの怒りをさらに煽り、アレッシアを最も悲劇的な結末へと導いていくのでした。

【婚約式は修羅場の始まり】第9話を読んだ感想(ネタバレあり)

第9話は、まさに「悪魔の脚本」とでも言うべき、あまりにも残酷で巧妙な展開でした。ロレンツォからの電話という、アレッシアにとって最後の希望になり得たはずの出来事が、逆に彼女が偽物であることの動かぬ証拠になってしまう。この皮肉な展開には、思わず天を仰ぎたくなりました。善意の行動が、ことごとく裏目に出てしまう。これほど救いのない状況があるでしょうか。

特に恐ろしかったのは、電話口で完璧な婚約者を演じるソフィーの二面性です。声色一つでロレンツォを安心させ、彼からの信頼をさらに勝ち取る。その一方で、目の前では一人の女性を嬲り者にしている。その姿は、サイコパス的な恐怖すら感じさせました。

そして、最後のシーン。自分の命よりも弟の名誉を重んじるアレッシアの気高さと、それを「嘘つきの抵抗」としか見なせないソフィーの浅ましさ。この対比が、物語の悲劇性をより一層際立たせています。アレッシアの最後の抵抗が、彼女自身をさらなる地獄へと突き落とす引き金になってしまう。このどうにもならないすれ違いと悪意の連鎖に、ただただ言葉を失いました。

【婚約式は修羅場の始まり】第9話のネタバレまとめ

  • 暴行の最中にロレンツォから電話があり、ソフィーは声色を変えて「良き婚約者」を完璧に演じきり、彼を騙した。
  • ロレンツォが善意で伝えた「姉は2時に到着する」という言葉が、ソフィーの中で、目の前にいるアレッシアが偽物であることの決定的な証拠となった。
  • 電話を切ったソフィーは豹変し、「婚約パーティーで本物のアレッシアに会わせてやる」と、公の場でアレッシアに最大限の屈辱を与えるという残酷な計画を提案した。
  • アレッシアは、自分のことよりも弟に恥をかかせるわけにはいかないという一心でその提案を拒否したが、その気高い抵抗がさらなる悲劇を招くことになった。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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