【婚約式は修羅場の始まり】35話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 全ての罪をなすりつけられたソフィーに対し、ロレンツォは「殺せ」という非情な死刑宣告を下しました。
  • ロレンツォは、アレッシアが自分のためにどれほどの犠牲を払ってきたかを涙ながらに語り、彼女の唯一の子供を殺したソフィーへの怒りを爆発させました。
  • 感情のままにソフィーを殴り続けるロレンツォだったが、その暴力は、突如現れたアレッシア本人によって制止されました。
  • 自分を地獄に突き落とした張本人を、被害者であるアレッシアが庇うという、あまりにも衝撃的な形で物語は幕を閉じました。

【婚約式は修羅場の始まり】第35話をネタバレありでわかりやすく解説する

憎しみの連鎖を断ち切るかのように、弟の暴力を制止したアレッシア。その行動に、ソフィーとその一族は一縷の望みを見出します。第35話では、彼女の「優しさ」にすがり、許しを請う罪人たちと、そんな彼らに冷徹な「正義」を突きつけるアレッシアの姿が描かれます。そして、追い詰められた者たちの間で、醜い責任のなすりつけ合いが始まるのです。

聖母か、それとも復讐の女神か

「なぜここに戻ってきたんだ!怪我をしているんだぞ!」。弟のロレンツォは、姉の無謀な行動を叱責します。しかし、アレッシアの瞳には、確固たる決意が宿っていました。

「私がここに来たかったの」アレッシアの覚悟

「医者には診てもらったわ。私が自分の意志でここに来たかったの」 アレッシアは、もはや誰かに守られるだけの存在ではありませんでした。彼女は、自らの手でこの惨劇にケリをつけるため、地獄の舞台へと舞い戻ってきたのです。その覚悟を前に、ソフィーは床にひれ伏し、命乞いを始めます。

「あなたを許すと思う?」冷徹な問い

「デュカ様、私は嫉妬に狂っていました。どうかお許しください。あなたは心が広いはずです。どうか…」。ソフィーの哀れな懇願を、アレッシアは氷のような一言で遮ります。 「あなたを許すと、本気で思っているの?あなたは私の子供を殺したのよ、ソフィー」 そして、こう続けました。「許すですって?私の子供の命の代償は、誰が払うのかしら?」 その言葉は、彼女がこの場に戻ってきた目的が、「許し」ではなく「清算」であることを、その場にいる全員に明確に理解させました。

醜い責任のなすりつけ合い

アレッシアの揺るぎない態度に、今度はソフィーの母親が口を開きます。しかし、その言葉もまた、見苦しい言い訳に過ぎませんでした。

「誤解だったのです」母の往生際

「どうかお許しください。私たちは、あなたが誰なのか知らなかったのです。これは、全て誤解だったのです!」 その往生際の悪い言い訳に、アレッシアは冷たく言い返します。 「そう、誤解ね。その誤解が、私の子供の命を奪ったのよ。誰かが、その命の代償を払わなければならないわ」

新たな裏切り「オリバーがやりました」

「代償を払うのは誰か」。アレッシアのその言葉が、彼らの脆い結束を完全に破壊しました。ソフィーは、生き残るために、自らの兄弟を差し出したのです。

オリバーです!最初にアレッシア様に手を出したのも、彼女の赤ちゃんを殺したのも、オリバーなのです!」 オリバーとは、ソフィーの兄の名前でした。彼女は自らを助けるため、平然と兄弟を「生贄」として売ったのです。罪人たちの間で、醜い責任のなすりつけ合いが始まりました。

【婚約式は修羅場の始まり】第35話を読んだ感想(ネタバレあり)

第35話は、アレッシアのキャラクターが持つ深みに、改めて感嘆させられる回でした。弟の暴力を止めたのは、決してソフィーを許したからではなかった。彼女は、法や感情に任せた安易な復讐ではなく、自らの手で、自らの正義に基づいた「清算」を行うために戻ってきたのです。その冷静で気高い姿は、まさに復讐の女神そのものでした。「私の子供の命の代償は、誰が払うのかしら?」というセリフは、静かでありながら、どんな暴力よりも恐ろしく、そして重い響きを持っていました。

そして、追い詰められた母親が、息子であるオリバー(ニール)を売るシーン。この一族の醜悪さが、これ以上ないほど見事に描かれていました。彼らの間にあるのは、家族愛などではなく、ただの損得勘定だけ。自分の身が危うくなれば、息子さえも切り捨てる。その非情さに、強い嫌悪感を覚えました。

物語は、単純な「犯人探し」のステージを終え、「誰が、どのような形で罪を償うのか」という、より深い問いのステージへと移行しました。ソフィーによって差し出された生贄、オリバー。アレッシアは、このトカゲの尻尾切りで満足するのでしょうか。それとも、この腐りきった一族全員に、等しく裁きを下すのか。彼女の次の一手に、全てがかかっています。

【婚約式は修羅場の始まり】第35話のネタバレまとめ

  • 弟の暴力を制止したアレッシアは、自らの意志で裁きを下すため、パーティー会場へと戻ってきた。
  • ソフィーとその母親は、アレッシアの「広い心」にすがり許しを請うたが、アレッシアは「私の子供の命の代償は誰が払うの?」と、それを冷徹に一蹴した。
  • 母親は、自分たちの罪を「誤解だった」と言い訳したが、アレッシアには全く通用しなかった。
  • 追い詰められたソフィーは、自分が助かるために、「アレッシアの赤ちゃんを殺したのは、オリバーだ」と、仲間を裏切り罪をなすりつけた。
  • 物語は、罪人たちの間で始まった醜い責任のなすりつけ合いと、アレッシアによる本格的な裁きの開始を予感させて幕を閉じる。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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