【婚約式は修羅場の始まり】38話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • パーティー会場のゲストたちは、犯人が特定されたことで自分たちは解放されると主張しましたが、ロレンツォはそれを拒絶しました。
  • ロレンツォは、「姉が虐待されているのを見て見ぬふりをしたお前たちも、赤ん坊の死の共犯者だ」と、傍観者たちの罪を断罪しました。
  • 「残酷だ」と非難するゲストに対し、ロレンツォは「まだ指一本触れていない。これが慈悲だ」と、これから始まる本当の裁きを宣告しました。
  • ロレンツォから慈悲を引き出せないと悟ったゲストたちは、最後の望みをかけて、被害者であるアレッシアにひれ伏し、許しを請い始めました。

【婚約式は修羅場の始まり】第38話をネタバレありで解説する

全ての罪人たちが、自分たちの命運を握るただ一人の人物、アレッシアの前にひれ伏す。第38話では、彼女が下す「判決」が語られます。ソフィーは、アレッシアの優しさにすがり、最後の嘘でこの場を乗り切ろうとします。しかし、地獄から蘇った復讐の女神は、冷静に、そして冷徹に、彼女たちの罪状を一つ一つ読み上げていくのでした。

偽りの許しと最後の嘘

ひれ伏すソフィーを前に、アレッシアは「許すわ」と一言。

「お姉様は私を許してくれたわ!」

ソフィーは、ロレンツォに向かって、まるで勝利宣言のように叫びます。 「聞いて、ロレンツォ!あなたのお姉様は、私を許してくれたわ!さあ、婚約式を続けましょう!」 それは、この土壇場における、あまりにも厚かましく、そして哀れな最後の嘘でした。

「いつ、私がそんなことを言ったの?」

しかし、その嘘は、アレッシアの氷のような一言によって、即座に打ち砕かれます。 「いつ、私があなたを許すと言ったのかしら?」 狼狽するソフィーは「今よ!ここにいる皆が聞いたわ!」と、周りのゲストたちに同意を求めます。しかし、ロレンツォの怒りを恐れる彼らが、ソフィーの嘘に同調するはずもありません。会場は、気まずい沈黙に包まれました。

アレッシアによる罪状認否

アレッシアは、静かに、しかしその場にいる全員の心に突き刺さるような声で、罪人たちの罪を数え始めます。

「私の声は、あなたたちには聞こえなかった」

「おかしいわね。誰も聞いていないようだわ。ちょうど、私が子供の命を助けてと懇願した時、あなたたちが誰も耳を貸さなかったようにね」 彼女は、彼らの罪深い沈黙を、痛烈な皮肉で断罪します。

暴かれる数々の罪

アレッシアの告発は続きます。 「あなたがたは、私がロレンツォの姉だと名乗っても、信じなかった。ロレンツォから電話がかかってきた時、あなたたちは私の口を塞いだ。そして…」

「あなたが壊したのは、あなたへの贈り物だったのよ」

アレッシアは、最後の、そして最も残酷な真実を突きつけます。 「最後にもう一つ。あのエヴァーライトは、あなたの婚約祝いの贈り物になるはずだったのよ、ソフィー。そしてあなたは、それを自分の手で砕いた」 自分が手に入れるはずだった未来と幸福を、自らの嫉妬と狂気によって破壊してしまった。その耐えがたい真実を前に、ソフィーはついに完全に崩れ落ちました。

崩れ落ちるソフィー

「ごめんなさい…私が愚かだった。嫉妬していたの。どうか許して…」 泣きじゃくりながら謝罪するソフィーに、アレッシアは静かに告げます。 「私は、あなたに何度も引き返すチャンスを与えたわ。最初に私がロレンツォの姉だと言った時も…」 しかし、ソフィーはその全てのチャンスを自ら手放したのです。もはや、許しの言葉など、どこにもありませんでした。

【婚約式は修羅場の始まり】第38話を読んだ感想(ネタバレあり)

第38話は、アレッシアが完全な意味で「裁定者」となった、非常にカタルシスのある回でした。彼女はもはや、ただの被害者ではありません。冷静な頭脳と揺るぎない意志で、罪人たちの嘘を暴き、その罪を一つ一つ数え上げていく。その姿は、もはや復讐の女神というより、正義の女神そのものでした。感情的な暴力ではなく、理詰めで相手を追い詰めていく彼女の姿に、経営者としての過去の片鱗が見え、そのキャラクターの深みに改めて感嘆しました。

そして、今回の白眉は、なんと言っても「あなたが壊したのは、あなたへの贈り物だった」という真実の暴露です。これは、物語全体を通しても屈指の名シーンではないでしょうか。ソフィーの愚かな行為が、単なる暴力や器物損壊ではなく、「自分自身の幸福の破壊」であったことを突きつける。これ以上ないほど、痛烈で皮肉な復讐の言葉です。

アレッシアが、ソフィーに与えられた「チャンス」について語り始めるラストも印象的でした。この物語は、運命によって決められた悲劇ではなく、登場人物たちが自らの「選択」を間違え続けた結果、起こるべくして起こった人災なのだという、深いテーマを提示しているように感じます。罪を償う機会は何度もあった。しかし、彼らはそれを選ばなかった。その重い事実を前に、彼らがどのような結末を迎えるのか、最後まで見届けたいと思います。

【婚約式は修羅場の始まり】第38話のネタバレまとめ

  • ソフィーは、「アレッシアが自分を許した」という最後の嘘をついたが、アレッシア本人によって即座に、そして完膚なきまでに論破された。
  • アレッシアは、罪人たちの罪状を一つ一つ冷静に数え上げ始めた。その中には、ロレンツォからの電話の際に、彼女の口を塞いでいたという新たな事実も含まれていた。
  • そしてアレッシアは、ソフィーが自ら破壊した伝説のダイヤモンド「エヴァーライト」が、実は彼女自身への婚約祝いだったという、最も残酷な真実を暴露した。
  • 全ての嘘が暴かれ、自らの愚行の全てを悟ったソフィーは完全に崩壊し、ただ許しを請うことしかできなくなった。
  • アレッシアは、そんな彼女に「何度もチャンスは与えた」と冷徹に告げ、裁きが情状酌量の余地のないものであることを宣告した。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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