【さよならお兄ちゃん】33話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 屋根裏部屋の革のポーチの中から、星の「死亡証明書」が発見され、家族は絶望の淵に突き落とされました。
  • 兄たちはそれぞれ異なる形でその残酷な現実を受け止めようとしますが、その後悔はあまりにも深く、そして重いものでした。
  • 家族のあまりにも身勝手な言動についに家政婦の我慢が限界を迎え、彼女は涙ながらにその怒りをぶつけます。
  • 物語の最後、家政婦は長兄の珉の手に星からの最後の贈り物を握らせました。

【さよならお兄ちゃん】第33話をネタバレありでわかりやすく解説する

家政婦から長兄・珉の手に託された星からの最後の贈り物。それは一つの小さな記録媒体でした。その中には星がこの世を去る前に、家族に伝えたかった最後のメッセージが記録されていたのです。

星からの最後のメッセージ

物語は少し時間を遡ります。星の死期が間近に迫っていたある日のこと。リビングで一人静かに涙を流している家政婦の元に、星がやってきます。

おばさん
いつか家族みんなが真実を全て知ることになったら、これを渡してください。余計なことは何も言わなくていいですから

星はそう言うと、一つの小さなUSBメモリを家政婦に手渡しました。

かしこまりました、お嬢様

家政婦は涙ぐみながらも、しっかりと星の目を見てその最後のお願いを聞き入れるのでした。

忌まわしき記憶

現実の時間へと戻ります。

これはお嬢様があのお祝いパーティーの日に録画された映像でございます

家政婦はさきほど長兄の珉に渡したUSBメモリを見ながら、静かにそう言いました。

お祝いパーティー…

その言葉を聞いた瞬間、家族一人ひとりの脳裏にあの忌まわしき記憶が鮮やかに蘇ります。家族それぞれが星に対して投げつけた、あまりにも残酷でそして非情な言動の数々が。

父親が怒りに声を震わせています。
お前、頭がおかしいのか!?月は、お前の姉さんだぞ!一体何を、やっているんだ!

母親もまた失望の色を隠そうともせずに言います。
私たちはあなたに何でもしてあげてきたというのに、こんなにも意地悪く振る舞うなんて…。

星はただ力なく、そして諦めたように呟きました。
私が何を言っても、どうせ信じてはくれないのでしょう…。

長兄の珉もまた星を厳しく突き放します。
俺たちがこれまでどれだけお前のことを大事にしてきたと思っているんだ…。それを全て台無しにしてしまうなんて、本当にガッカリだよ

そして父親の最後の一言が、星の心を完全に打ち砕きました。
この性悪女め!今日限りでこの南宮家との関係は全部終わりだ!

そう言って星の頬を力いっぱい平手打ちする父親のシーンで、忌まわしい回想は終わります。

最後の決意

長兄の珉は、そのあまりにも醜い過去の自分たちの記憶を許すことができず、自らの頬を思い切り平手打ちしました。

俺たちが…星を追い出したんだ…。

そして何かを固く決意したような表情で、家族に言います。

リビングに行って見よう

【さよならお兄ちゃん】第33話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回の第33話は、星が家族に残した最後のメッセージの内容が明らかになるという、非常に重要な回でした。そしてそのメッセージが、あの忌まわしいパーティーの日に録画された映像であったという事実に、改めて星の深い覚悟とそして悲しみを感じずにはいられませんでした。

彼女は自分自身の死を覚悟しながらも、最後まで家族のことを思い、そしていつか真実が明らかになる日のためにこの映像を残したのでしょう。そのあまりにも健気で、そして自己犠牲的な愛情にただ胸が締め付けられる思いです。

そしてその映像を見る前に蘇る家族の忌まわしい記憶。彼らが星に対して投げつけた言葉の一つ一つが、鋭い刃となって読者の心にも突き刺さります。「この性悪女」という父親の言葉は、もはや家族の言葉とは思えません。この一言が星の最後の希望の糸を断ち切ってしまったのでしょう。

最後に長兄の珉が言った「居間に行って見よう」という言葉。その言葉にはこれからどんな残酷な真実を目の当たりにしようとも、決して目を背けないという彼の強い決意が感じられました。彼らはようやく本当の意味で、自分たちの罪と向き合う覚悟を決めたのかもしれません。

物語はいよいよ最終回を迎えます。星が残した最後の映像には一体何が映っているのでしょうか。そしてそれを見た家族はどのような結末を迎えるのでしょうか。最後までその行く末を見届けたいと思います。

【さよならお兄ちゃん】33話のネタバレまとめ

  • 家政婦が長兄の珉に渡したのは、星がこの世を去る前に録画した映像データでした。
  • その映像はあの忌まわしいお祝いパーティーの日に、撮影されたものであることが明らかになります。
  • その事実をきっかけに、家族はそれぞれパーティーの日に星に対して投げつけた、あまりにも残酷な言葉の数々を思い出します。
  • 長兄の珉はその過去の自分たちの罪を深く後悔し、星が残した最後の映像を見ることを決意しました。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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