【さよならお兄ちゃん】38話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 星のビデオメッセージを見終わった後、月がリビングに現れ、三男の哲が激怒して彼女に掴みかかりました。
- 哲は月を突き飛ばし、その拍子に月は心臓発作を起こして意識を失います。
- 病院で、両親は哲を叱責しますが、哲は「ビョルが戻らないなら、俺もあいつを追い出す」と強い決意を示しました。
- 医師から月が遺伝性の心臓病を患っていると告げられますが、家族の家系には心臓病の病歴がないことから、新たな謎が浮上します。
【さよならお兄ちゃん】第38話をネタバレありでわかりやすく解説する
月の心臓病という思いがけない診断結果は、南宮家の人々に深い疑念を植え付けることになりました。医学的にありえない状況に直面した家族は、これまで信じてきた「家族」という概念そのものを疑い始めます。
そして、ついに月の正体を暴くための本格的な追及が始まります。長年にわたって巧妙に隠されてきた衝撃的な真実が、ついにその姿を現そうとしていました。この瞬間から、南宮家の運命は大きく動き出すことになるのです。
疑惑の深まり
病院の廊下で、家族は重苦しい雰囲気に包まれていました。医師の説明を聞いた後、誰もが同じ疑問を抱いていたのです。次男の勛が、その沈黙を破って医師に向かって要求します。
「月のカルテはありますか?」
この要求に医師は一瞬躊躇の表情を見せました。患者のプライバシーに関わる資料を家族とはいえ簡単に渡すことはできません。しかし、南宮家という財閥の権力を前にして、医師は結局抵抗することができませんでした。
おそらく病院の経営にも南宮家の資本が関わっているのでしょう。医師は渋々といった様子で、月の詳細な医療記録が記されたカルテを手渡しました。
勛がカルテを開いて内容を確認し始めると、その表情が次第に険しくなっていきます。そこには、家族の誰もが予想していなかった驚くべき事実が記されていたのです。
「B型?父さんも母さんもA型なのに、どうしてB型なんだ?」
勛の声には明らかな動揺が含まれていました。医学的な常識として、両親がともにA型の場合、生まれてくる子供はA型かO型のいずれかになります。B型の子供が生まれることは、遺伝学的にありえないのです。
「じゃあタルが実の娘じゃないってこと?」
長兄の珉も、ついに口に出してはいけない疑念を言葉にしてしまいます。これまで家族として過ごしてきた月が、実は血のつながりがない他人だったのではないか。その可能性が、重く家族の心にのしかかります。
ところが、父親は首を横に振って否定します。
「そんなことはない。月を引き取った時、孤児院からもらったDNAの資料と照合した。確かに俺たちの娘だ。」
父親のこの言葉は、さらなる謎を生み出すことになりました。DNAで確認したにもかかわらず、血液型が合わないという矛盾。これはいったいどういうことなのでしょうか。
「確認しないと。直接聞いてみましょう。」
次男の勛が提案すると、家族全員が重い足取りで月の病室へと向かいます。真実を知るためには、月本人から聞き出すしかない。その決意を胸に、彼らは病室のドアを開けました。
追及と白を切る月
月のいる病室に入った家族の表情は、誰もが険しいものでした。ベッドに横たわる月は、家族の様子を見て何かを察したのか、警戒するような目つきで彼らを見つめます。重苦しい沈黙が病室を支配する中、三男の哲が単刀直入に問いかけました。
「お前の正体は何だ?」
この直球すぎる質問に、月は驚いたような表情を作ってみせます。しかし、その演技はもはや誰の心も動かすことはありませんでした。
「何の話?お兄ちゃんの妹タルよ。」
この期に及んでもなお、月は白を切ろうとします。彼女のその態度は、家族の怒りをさらに煽ることになりました。これまで何度も嘘をつき、星を苦しめ続けてきた月が、今また新たな嘘で逃れようとしている。その姿に、家族の堪忍袋の緒が切れようとしていました。
長兄の珉が、冷静な口調で証拠を突きつけます。
「まだ嘘をつく気か?うちの家系に心臓病の持病歴はない。なのにお前は先天性心臓病だ。それに父さんと母さんは二人ともA型なのに、お前はB型だ。」
珉の言葉は論理的で、反論の余地がありませんでした。医学的な証拠という動かぬ事実を前にして、月はどう言い訳をするつもりなのでしょうか。
証拠として十分すぎる材料を出されても、月はなおもとぼけようとします。その態度は、まるで最後まで演技を続けようとする役者のようでした。
「きっと何かの手違いが…」
しかし、その言い訳は誰の耳にも空虚に響くだけでした。手違いで血液型が変わることなどありえません。月自身も、もはや言い逃れができないことを理解しているはずです。それでもなお、彼女は最後の抵抗を試みているのでした。
本性の露呈
三男の哲が、ベッドに近づきながら低く威圧的な声で警告します。その声には、星を失った悲しみと怒りが込められていました。
「警告しておく。お前のした汚いこと、全部明かさなければ、ビョルにしたことよりも、もっと悲惨な目に遭わせてやる。」
哲の凄みは本物でした。星を守れなかった後悔と、月への憎しみが、彼を普段とは別人のように変えていたのです。その迫力に、月の顔から血の気が引いていきます。
ついに月は観念したのか、これまでとは打って変わった態度で本性を現しました。病弱で可愛らしい妹を演じていた仮面が、音を立てて崩れ落ちる瞬間でした。
「そうよ。やっとわかった?この家にはマヌケしかいないの?」
月の口から出た言葉は、家族全員を凍りつかせました。これまでの優しく弱々しい口調とは全く異なる、冷たく嘲笑的な声。それは、彼女が長年演じ続けてきた「妹」という役から完全に降りた瞬間でした。
そして、衝撃的な告白が続きます。月は薄笑いを浮かべながら、まるで勝利宣言をするかのように言い放ちました。
「そうよ。私は娘じゃない。」
この一言が、南宮家の「家族」という幻想を完全に打ち砕きました。ついに、長年隠し続けてきた謎が明かされる瞬間が訪れたのです。しかし、この告白は新たな謎の始まりでもありました。月が娘でないなら、彼女は一体何者なのか。なぜこれほど長い間、家族を騙し続けることができたのか。その答えは、まだ闇の中に隠されたままでした。
【さよならお兄ちゃん】第38話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回の第38話は、ついに月の正体が暴かれるという、物語の核心に迫る衝撃的な回でした。これまで積み重ねられてきた伏線が、一気に収束していく様子は圧巻です。
血液型の不一致という決定的な証拠は、実にシンプルでありながら、誰も反論できない強力なものでした。医学的にA型の両親からB型の子供が生まれることはありません。この単純な事実に、なぜ今まで誰も気づかなかったのでしょうか。おそらく、家族というものは互いを疑うことなく信じ合うものだという前提があったからでしょう。それほどまでに、この家族は月の演技に騙され、盲目的に信じ込んでいたということです。
特に印象的だったのは、父親の「DNAの資料と照合した」という言葉です。もしかして、その資料自体が偽造されていたのでしょうか。それとも、何か別のトリックがあったのでしょうか。孤児院から引き取ったという経緯を考えると、その時点で何らかの工作が行われていた可能性があります。月は単独で行動していたのか、それとも協力者がいたのか。この謎は、物語の今後の展開において重要な鍵となりそうです。
そして、ついに本性を現した月の変貌ぶりには驚かされました。「この家にはマヌケしかいないの?」という言葉は、彼女がこれまで家族をどう見ていたかを如実に表しています。愛情深い家族を演じながら、心の中では彼らを見下し、騙すことを楽しんでいたのかもしれません。彼女にとって、この家族は騙すべき対象でしかなかったのです。その冷酷さは、星を死に追いやったことを考えれば当然かもしれません。
「私は娘じゃない」という最後の告白も、多くの疑問を生み出します。これは一体どういう意味なのでしょうか。本当の実の娘は別にいるのでしょうか。それとも、月自身が何か別の目的を持って、この家に潜り込んでいたのでしょうか。復讐なのか、財産目当てなのか、あるいはもっと複雑な理由があるのか。真相はまだ霧の中です。
星を失った今、さらなる真実が明らかになろうとしています。しかし、どんな真実が明かされても、星は戻ってきません。この残酷な事実が、物語をより一層悲劇的なものにしています。月の正体が暴かれたところで、失われた命は取り戻せない。この虚しさと悲しみが、読者の心に重くのしかかります。
次回、月の正体の全貌が明らかになることでしょう。彼女は一体何者なのか、なぜこれほど長期間にわたってこの家族を騙し続けてきたのか。その動機は何だったのか。そして、本当の南宮家の娘はどこにいるのか。これらの答えが、物語に最後の衝撃をもたらすことになりそうです。
【さよならお兄ちゃん】38話のネタバレまとめ
第38話では、月の正体に関する決定的な証拠が次々と明らかになりました。次男の勛が月のカルテを確認すると、彼女の血液型がB型であることが判明します。これは、両親がともにA型であることを考えると、遺伝学的にありえない事実でした。
この矛盾に直面した家族でしたが、父親はかつてDNAの資料と照合して確認したと主張します。しかし、血液型という動かぬ証拠を前にして、家族は月本人に直接問いただすことを決意しました。
病室で追い詰められた月は、最初は白を切ろうとしましたが、哲の脅しと証拠の前についに観念します。そして、これまでの仮面を脱ぎ捨て、本性を現しました。「この家にはマヌケしかいないの?」という嘲笑的な言葉とともに、「私は娘じゃない」という衝撃的な告白をしたのです。この告白により、南宮家の「家族」という幻想は完全に崩壊することになりました。
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