【閻魔の教室】13話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 怨馬は、自らの夢が地獄の「王の座」を継承することだと明かし、同じく夢を追う楽羽雪と自分は「同種」だと語りました。
  • 彼は、真のアーティストになるためには、学校も含めたあらゆる経験を吸収し、歌の糧にすべきだと、彼女に新たな視点を与えました。
  • 最終的に、学校に来るか来ないかの選択を楽羽雪自身に委ね、「大事なのは『覚悟』があるかどうかだ」と、彼女の自立を促しました。
  • 物語は、怨馬に道を照らされた楽羽雪が、自らの意志で答えを出すことを示唆して締めくくられました。

【閻魔の教室】第13話をネタバレありでわかりやすく解説する

不登校生徒・楽羽雪の問題を見事に(?)解決した怨馬典明。第13話のタイトルは「祝賀会」。一つの任務を終えた彼のもとに、意外な人物が意外な姿で現れ、物語の根幹に関わる重要な真実が明かされます。

焼肉屋での「祝賀会」

物語は、とある焼肉屋から始まります。店員たちは、いかにも筋者といった風貌の客二人に怯えていました。

暴力団と間違われた親子

店員たちが「あの二人は暴力団だ」と恐れる客。その正体は、主人公の怨馬と、なんと焼肉屋のエプロンをつけた閻魔大王でした。どうやら閻魔大王は、前回の校長に続き、今度は焼肉屋の店員に憑依して息子に会いに来たようです。その物騒な雰囲気は隠しきれず、元ヤンだという店長は「いざとなったら俺が何とかするしかねぇ!!!」と覚悟を決めます。

「祝賀会だ」父からの労い

閻魔大王は、不登校だった楽羽雪を学校に来させた息子の手腕を褒め称え、これはその「祝賀会」だと告げます。特に、「しかもあのお前が一人も殺さずに全て解決したと…」と感心しきりです。しかし、店員たちは「殺したとか殺してないとか言ってますが…」と、その不穏な会話を聞き逃さず、さらに恐怖を募らせるのでした。

明かされる本当の理由

祝賀会という名の父子水入らずの会話の中で、怨馬はこの任務に隠された、父の本当の狙いに気づき始めます。

教師という仕事、そして父の監視

閻魔大王は、人間の子供たちを導く教師という仕事について、怨馬に感想を求めます。怨馬は、罪人を処断するのに比べて退屈だと答えますが、父は「学校の教師は非難はされても称賛されることはないからな」と、その仕事の難しさに理解を示しました。 しかし、怨馬は父の頻繁な訪問に「目障りだ」と苛立ちを隠せません。これに対し閻魔大王は、お前が心配なのではなく、お前の周りの人間の心配をしているのだと、監視が目的であることを明言。そして、「お前が人を殺した時点でお前の王の座はないぞ?」と、契約の条件を改めて突きつけました。

「俺に更生させる経験を積ませようと…」

父との会話の中で、怨馬はある真実にたどり着きます。たかだか学校の一クラスをどうこうしても、地獄の過密問題にはほとんど影響がない。では、なぜ父は自分を地上に送ったのか。怨馬は、父の真の目的を喝破します。 「俺を地上に送り込んだ本当の理由…」「俺に更生させる経験を積ませようとしてるんだろ?」 罪人をただ裁くのではなく、人間を教育し、更生させる経験を積ませる。この任務は、地獄の問題解決というよりも、暴君である息子・天命自身を更生させるための、壮大な教育プログラムだったのです。図星を突かれた閻魔大王は、狼狽しながらも「確かにそうだ…」と、その事実を認めました。

「教師だ」衝撃の告白

父との間で、任務の本当の意味を確認した怨馬。祝賀会が終わり、二人が店を出る際、店長が恐る恐る挨拶にやってきます。

地獄耳と誤解の解消

閻魔大王は、店員たちが自分たちを暴力団だと噂していたことを「地獄耳」で聞いていたと明かし、「ワシらは暴力団じゃないぞ?」と誤解を解きます。店長が「ちなみにご職業は…」と尋ねると、怨馬は静かに一言、こう答えました。

「嘘つけェ!!」元ヤン店長の絶叫

教師」。 その一言に、店長と店員は凍りつきます。目の前の、どう見ても裏社会の人間にしか見えない男が、聖職者であるはずの教師だとは到底信じられません。元ヤンで冥童高校出身だという店長は、全てのプライドを込めて絶叫するのでした。「嘘つけェ!!!」。

【閻魔の教室】第13話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、楽羽雪編の後に訪れた、嵐の前の静けさとも言えるような、面白い箸休めの回でした。閻魔大王が今度は焼肉屋の店員に憑依しているというだけで、思わず笑ってしまいます。地獄の王でありながら、息子のことが心配で何度も姿を変えて様子を見に来るあたり、なんとも人間臭い(?)父親で、この親子のやり取りは本作の大きな魅力の一つです。

そして、今回の最大のポイントは、この物語の真の目的が明かされたことでしょう。「地獄の過密問題解決」という壮大な口実は、実は息子を更生させるための教育プログラムだった。つまり、怨馬は生徒を教育すると同時に、彼自身も父から「教育」されているという、二重構造になっていたのです。この事実が明かされたことで、物語全体に一本の太い芯が通ったように感じます。

最後の、元ヤン店長の「嘘つけェ!!」という魂の叫びは、読者の気持ちを完璧に代弁してくれました。そう、誰もがそう思います。しかし、彼は紛れもなく教師なのです。このギャップこそが『閻魔の教室』の面白さの根源であり、これから彼がどんな「教師」としての姿を見せてくれるのか、ますます楽しみになりました。

【閻魔の教室】第13話のネタバレまとめ

  • 楽羽雪を学校に復帰させたことを祝し、閻魔大王が焼肉屋の店員に憑依して怨馬との「祝賀会」を開きました。
  • 閻魔大王が頻繁に様子を見に来るのは、怨馬が契約を破って殺人を犯さないように監視するためでした。
  • 怨馬は、この任務の真の目的が地獄の人口問題解決ではなく、自分自身に「裁く」ことと「教育」することの違いを学ばせるための、父による教育プログラムであることを見抜きました。
  • 会計の際、怨馬が焼肉屋の店長に自分の職業は「教師」だと明かすと、元ヤンだという店長は全く信じずに「嘘つけェ!!」と叫びました。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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