【前の住人がやってきた】4話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 前の前の住人「令香」が登場し、この部屋が幸運をもたらす「パワースポット」であった過去を語ります。
- さらに4人目の住人、「前の前の前の住人」である安田が現れます。
- 安田は「夜明けまで時間がない」と告げ、「血がついたら面倒」という不吉な言葉と共に「作業」の準備を始めます。
- 後藤が何者かに襲われ、絶叫するところで終わりました。
【前の住人がやってきた】第4話をネタバレありでわかりやすく解説する
第3話のラスト、後藤の悲痛な絶叫で幕を閉じましたが、第4話はその緊迫した状況が一転するところから始まります。歴代の住人たちが集うこの部屋で、ついに呪いの核心が語られます。
緊張と緩和のひととき
絶体絶命かと思われた後藤でしたが、彼を襲ったのは人間でも霊でもなく、天井から落ちてきた照明器具でした。しかし、安堵したのも束の間、歴代住人たちは奇妙な行動を開始します。
解体作業前の腹ごしらえ
安田がこれから「作業」を始めると宣言する中、令香が「メシができたんで腹ごしらえでもしませんか?」と明るく提案します 。津田川が腕によりをかけて作ったサンドイッチがテーブルに並び、安田も「腹が減っては戦はできぬ」とその提案を受け入れました 。しかし、彼らの口から発せられた「これから解体作業が待ってるんだから」という言葉に、後藤は再び血の気が引くのを感じるのでした 。
5人目の住人「岩崎」の存在
和やかに食事が進む中、令香が「そういえば岩崎さんは?」と尋ねます 。安田は、岩崎が「前の前の前の前の住人」であり、今夜の「作業」に必要な薬品の準備で少し遅れていると説明しました 。なんと、この部屋には少なくとも5人もの歴代住人が関わっていることが判明します。後藤は、彼らの間に存在する不可解で強固な繋がりに、ただただ困惑するしかありませんでした 。
部屋の呪いと住人たちの宿命
なぜ歴代の住人たちは、こうして集まってきたのでしょうか。安田の口から、この部屋に住む者が背負う宿命が語られます。
助け合いの連鎖
安田は、「ここの住人は助け合うべきなんだ」と語り始めます 。この部屋の住人は、絶対に避けられない大きな災いを負う運命にある、と 。だからこそ、歴代の住人同士で協力する必要があるのです 。実際に、津田川は令香に、令香は安田に、そして安田は岩崎に、それぞれ次の住人に「救われてきた」という事実が明かされました 。そして、今回は津田川たちが後藤を救うためにやって来た、というわけです 。
頭の中に響く声
歴代住人たちの奇妙な善意に戸惑う後藤に対し、安田は核心に迫る質問を投げかけます。
「後藤 お前さ… 頭の中で声がしなかったか?」
その言葉に、後藤はハッとします。彼自身、自分の中に湧き上がる、抑えきれない衝動や感情の存在に気づいていたからです 。
神の名は「をろずさま」
安田は、後藤を救うために岩崎と共に行った調査の結果を語り始めます。それは、このアパートが建つ土地の、おぞましい歴史でした。
古の神社の跡地
安田と岩崎が国会図書館で調べたところ、このアパートが位置する場所には、かつて小さな社(やしろ)が存在していたことが判明します 。つまり、後藤をはじめ歴代の住人たちは、知らず知らずのうちに
神の住処のど真ん中で生活していたということになるのです 。
忘れられた神「をろずさま」
その社に祀られていた神の名は、「をろずさま」 。古くからこの土地の人々に信仰されてきた五穀豊穣の神でした 。人々は年に一度、6月19日に祭りを執り行い、「をろずさま」に供物を捧げていたと言います 。しかし、時代の変化と共に信仰は忘れ去られ、社も取り壊されてしまいました 。そして、その社の跡地の真上に建てられたのが、このアパートの102号室だったのです 。
後藤の衝撃的な告白
全ての謎が繋がったとき、安田は後藤に最後の問いを突きつけます。
後藤の罪
後藤の頭に響いていた声、それは他ならぬ「をろずさま」の声でした 。後藤は、6月に入ってから頭の中に声が聞こえるようになり、その声は日増しに大きくなっていきました 。日常生活に支障をきたすほど追い詰められた彼は、数日前から会社も休んでいたのです 。
日付は6月20日、午前3時48分 。安田は、声に抗いきれるはずがないと後藤を追い詰めます。
「正直になれ 後藤 お前は何を捧げた?」
「俺は 人を殺した」
安田の言葉に、後藤はついに観念します。「俺は悪くない…仕方がなかったんだ…」と涙ながらにうなだれ、真実を告白しました 。
「俺は 捧げたよ 供物を」
そして、彼の口から絞り出されたのは、あまりにも重く、おぞましい一言でした。
「俺は 人を殺した」
【前の住人がやってきた】4話を読んだ感想(ネタバレあり)
第4話は、物語の根幹を揺るがす重要な事実が次々と明かされる、まさに圧巻の一言に尽きる回でした。後藤の絶叫から一転、歴代住人たちとサンドイッチを囲むシュールな光景には、この作品ならではの緩急の付け方に思わず笑ってしまいました。しかし、その和やかな雰囲気も束の間、部屋の呪いの正体が、忘れられた神「をろずさま」の怒りだったという壮大な背景が明かされ、物語のスケールが一気に広がったように感じます。
これまで不審者でしかなかった歴代住人たちが、実は同じ呪いに苦しみ、次の住人を救うために必死で行動していたという「助け合いの連鎖」には、彼らの間に芽生えた奇妙な連帯感と絆を感じ、胸が熱くなりました。そして、ラストの後藤による「俺は 人を殺した」という衝撃の告白。それまでの伏線が一気に繋がり、サスペンスホラーとしての側面が色濃くなった瞬間でした。彼は一体誰を、なぜ「供物」として捧げなければならなかったのか。謎が一つ解明されたかと思えば、さらに深く、おぞましい謎が提示される。この巧みなストーリーテリングに、完全に心を奪われてしまいました。
【前の住人がやってきた】4話のネタバレまとめ
- 後藤を襲った影の正体は天井の照明で、一同は「解体作業」の前に食事をとることになります 。
- 5人目の住人「岩崎」の存在が明かされ、歴代住人たちが助け合いの連鎖で繋がっていることが判明します 。
- この部屋の呪いの正体は、アパートの真下にかつて祀られていた神「をろずさま」であり、住人たちはその声を聞いてしまうことが語られます 。
- 安田に問い詰められた後藤は、自分が「をろずさま」に供物を捧げたこと、そして「人を殺した」ことを告白します 。
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