ディストピア

【奴奴奴奴!】第5話をネタバレありでわかりやすく解説する

ずっちー
前話のおさらい
  • 銀座での買い物の帰り道、陽茉莉が謎の人物にバッグをひったくられ、主人公は犯人を追って「中央区裏」と呼ばれる危険区域に足を踏み入れました 。
  • そこで待っていたのは桜子と名乗る女性が率いる無法者集団で、彼らは奴隷制度のない「男女平等」の世界を謳い、主人公に協力を持ちかけます 。
  • 主人公は「真の自由」という甘い誘いを一蹴し、逢坂姉妹への忠誠を示しますが、話は決裂し乱闘に発展しました 。
  • 乱闘の最中、駆けつけた新人警官を桜子が躊躇なく惨殺 。一連の事件は、主人公を「ある人物」に会わせるために仕組まれたものだったことが判明し、彼は絶体絶命の状況で選択を迫られます 。

【奴奴奴奴!】第5話をネタバレありでわかりやすく解説する

中央区裏での悪夢のような出来事の後、物語は新たな舞台へと移ります。第5話では、主人公に大きな変化が訪れると共に、彼の過去の記憶が蘇るのでした。それでは早速、物語の続きを詳しく見ていきましょう。

中央区裏の悪夢と桜子の脅迫

物語は、主人公が逢坂家のベッドで目覚めるシーンから始まります。彼の脳裏には、中央区裏での惨劇が鮮明に焼き付いていました。桜子が新人警官を惨殺したあの光景 。そして、陽茉莉のバッグから出てきた注射器と薬物

桜子は、主人公を脅迫していました。「今日ここでなにもなかったのか それとも殺人事件が起こってその犯人が誰なのか… あたしらが決められるってだけ」と、彼の行動一つで殺人犯に仕立て上げることができると示唆したのです。彼女は「お前とは…長い付き合いにしたいんだよ」と不気味な言葉を残し、主人公を解放しました 。この悪夢のような記憶を胸に秘め、主人公はすずなと陽茉莉の新学期初日に付き添うことになります。

桜葉学園での新たな日常と注目

舞台は、上流階級の子女が通う「桜葉学園」へ。すずなと陽茉莉の奴隷として学園に足を踏み入れた主人公は、すぐに他の生徒たちの注目の的となります 。この学園では、個人で奴隷を所有している生徒はごく僅かなため、彼の存在は非常に珍しいのです

すずなは鷹揚に「学校にいるときはみんなも好きに使っていいから」と宣言し、周囲の歓心を買います 。生徒たちは物珍しそうに主人公に群がり、名前を尋ねますが、彼はこれまで通り識別番号「TK-S502947」としか答えることができません 。陽茉莉は慌てて「ち…違うの!あるの!ちゃんとした名前!!」と必死に取り繕います

「リュウ」という名の誕生と新たなライバル

陽茉莉が慌てる中、すずなが機転を利かせます。「ごめんなさいねー 名前聞かれたら奴隷ナントカーって言うのが持ちネタなのよー」と冗談めかして場を和ませると、彼女はこう続けました

「その奴隷の本当の名前はねー… リュウ」

それは、識別番号でしか呼ばれなかった彼に、初めて「名前」が与えられた瞬間でした 。陽茉莉や周囲の生徒たちが驚きと賞賛の声を上げる中、名付けられた主人公自身も、ただ呆然とするしかありません。

しかし、その平穏な雰囲気を切り裂くように、一人の生徒が彼らの前に立ちはだかります。彼女の名前は十条るる 。この学園で奴隷を持つもう一人の生徒であり、歴史ある名門の逢坂家に対し、ビジネスで成り上がった十条家としての対抗心を燃やしていました 。彼女は、奴隷持ちが二人になったことで、新たな「ヒエラルキーバトル」が始まると宣言します 。

家の誇りをかけた奴隷決闘

超富裕層にとって、個人所有の奴隷は家の力を示す装飾品であり、その強さはそのまま家の強さと見なされます 。周囲の生徒たちも「どっちが強いんだろ」と煽り、事態はリュウとるるの奴隷(ヒデト)による「奴隷決闘」へと発展します

すずなはリュウに、「あなたが負ければそれは…わたしと陽茉莉が負けたということだから」と、勝利を厳命 。放課後、野次馬の生徒や、決闘を娯楽として見物する校長、理事長が見守る中、逢坂家と十条家の誇りをかけた戦いの火蓋が切られました

決闘は、リュウの圧勝でした 。彼は「すずな様が負けんなって」という言葉を胸に、ヒデトを一方的に打ちのめし、その圧倒的な強さを見せつけます

勝利の代償と友の記憶

決闘に勝利し、すずなたちからも賞賛されたリュウは、トイレで一人安堵のため息をつきます 。しかし、「リュウ」という名前を得たことで、彼の脳裏に萬餌工場での辛い記憶が蘇りました

それは、工場で唯一の友人だった青年との出会いの記憶 。

しかし、そんな彼は現在。薬物の影響か、独房のような場所で衰弱しきっていた無残な姿で監禁されています 。警備員が「まああの様子じゃ…そう長くはねえだろ…」と吐き捨てていた友の末路 。名前という個性を手に入れたことで、彼は自分が地獄に残してきた友人のことを、鮮明に思い出してしまったのです。

【奴奴奴奴!】5話を読んだ感想(ネタバレあり)

中央区裏での凄惨な事件が、主人公の心に「脅迫」という形で重くのしかかる幕開けに、息を呑みました。いつ暴露されるかわからない時限爆弾を抱えながら、日常を装わなければならない彼の精神的負担は計り知れません。

そんな中、学園という新たな舞台で、すずなが主人公に「リュウ」という名前を与えるシーンは、今話の最大の救いであり、感動的なハイライトでした。単なる「モノ」や「識別番号」だった彼が、初めて一人の「個人」として認められた瞬間は、彼のアイデンティティが確立される大きな一歩だと感じます。この名前が、今後の彼の生き方に大きな影響を与えていくことは間違いないでしょう。

しかし、その感動の直後に、彼が地獄に残してきた友人の悲惨な記憶が蘇るという展開は、あまりにも残酷で胸が締め付けられました。光が強ければ強いほど、影は濃くなる。リュウが手に入れたささやかな幸せが、皮肉にも過去の罪悪感を呼び覚ますという構図は見事です。彼がいつか友を救い出す日は来るのか、今後の展開から目が離せません。

【奴奴奴奴!】5話のネタバレまとめ

  • 主人公は中央区裏での事件を胸に秘め、すずなと陽茉莉の奴隷として桜葉学園での生活を始めます 。
  • 学園で他の生徒から名前を問われた際、すずなが機転を利かせ、主人公に「リュウ」という名前を与えました 。
  • 学園内のもう一人の奴隷所有者「十条るる」からライバル視され、家の誇りをかけた「奴隷決闘」を挑まれます 。
  • リュウは決闘に圧勝し、その強さを見せつけますが、名前を得たことがきっかけで、萬餌工場に残してきた友人の悲惨な現状を思い出してしまいます 。

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コマさん(koma)
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野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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