2025.08.28

【復讐の王子様】52話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

前話のおさらい

妃菜乃（ひなの）は、母・蘭子（らんこ）が響（ひびき）の家へ向かうのを阻止するため、自分が代わりに様子を見に行くと提案しました。
協力者からの電話で「響が自殺した」という偽の報告を受け、妃菜乃は自分の完全勝利を確信し、狂喜しました。
勝利に酔いしれる妃菜乃の前に、死んだはずの響が生きて現れました。
響は母の仇である妃菜乃に対し、「お前だけは許さない」と復讐の最終宣告を告げました。

Contents

【復讐の王子様】第52話をネタバレありでわかりやすく解説する
【復讐の王子様】52話を読んだ感想（ネタバレあり）
- 【復讐の王子様】52話のネタバレまとめ

【復讐の王子様】第52話をネタバレありでわかりやすく解説する

「お前だけは許さない」。生きていた響から最終宣告を突きつけられた妃菜乃。第52話では、なぜ響が生きているのか、そして妃菜乃がどうやって捕らえられたのか、全ての謎を解き明かす驚愕の回想シーンが描かれます。そこには、もう一人の復讐者の存在がありました。

なぜ生きているの？全ての始まりを紐解く回想

物語は、廃倉庫のような場所で縛られた妃菜乃が、目の前の響に「なぜ生きているの？」と問いかける場面から始まります。そして、時間は数時間前へと遡るのでした。

妃菜乃の誤算、協力者の油断

妃菜乃の協力者である千石玲奈（せんごくれな）は、響のマンションを監視していました。しかし、数日間全く動きのない響に痺れを切らし、「冗談抜きで死んでるって」とぼやきながら、空腹を満たすために持ち場を離れてしまいます。この一瞬の油断が、妃菜乃の完璧だったはずの計画を根底から覆すことになるのです。

もう一人の復讐者、緑原の逆襲

玲奈が監視場所を離れたその時、彼女の前に現れたのは、かつてのいじめの主犯格であり、玲奈が襲撃したはずの緑原でした。彼は、自分と娘の凛（りん）を襲った犯人が妃菜乃の一味であると確信していました。そして、退院してから妃菜乃の周辺を徹底的に調査し、最も怪しい人物として玲奈に目をつけて、ずっと彼女を追っていたのです。

父として、非情の尋問

教師の仮面を脱ぎ捨てた父親

緑原は玲奈を問い詰めます。彼は「僕は教員だ」「生徒を守る役目がある」と語りながらも、その直後に冷徹な表情でこう続けます。

「だが教員である前に僕は1人の父親だ」

大切な娘を傷つけようとした生徒を、許すことはできない。教師の仮面を脱ぎ捨てた父親の顔で、彼は玲奈に非情な尋問を開始します。

偽りの報告と真実の自白

緑原は、かつて玲奈が犯行に使ったものと同じ瓶を取り出します。それが塩酸だと勘違いし、パニックに陥る玲奈。その恐怖心を利用し、緑原は彼女に二つのことを強要しました。

一つは、妃菜乃に電話をかけ、「『美馬君は死んだ』」と嘘の報告をさせること。これが、前話で妃菜乃が勝利を確信した狂喜乱舞の引き金となったのです。

そしてもう一つ、緑原は過去のいじめについて問い詰めます。恐怖に屈した玲奈は、ついに全てを自白しました。

「そうだよ！妃菜乃の命令でいじめてた！！」「今回のことも妃菜乃がやれって言ったんだよ！！」

全ての元凶が妃菜乃であることを証明する決定的な証言を得た緑原は、「…そうか」と静かにつぶやくと、持っていた瓶の中身を玲奈の顔に浴びせかけるのでした。

【復讐の王子様】52話を読んだ感想（ネタバレあり）

前回のラストで、生きていた響が妃菜乃の前に現れるという最高の引きでしたが、今回の52話は、その裏側で何が起きていたのかを明かす、見事なアンサー回でした。まさか緑原が、響とは別のベクトルで動く「もう一人の復讐者」として覚醒していたとは、全く予想していませんでした。

彼の動機は「娘を守るため」。その一点において、彼の行動には同情の余地があります。しかし、玲奈を追い詰めるやり方は、響と同じく法を逸脱した非情なもの。正義とは何か、復讐とは何かを改めて考えさせられる、深みのある展開だったと思います。玲奈を脅して妃菜乃に嘘の報告をさせ、勝利の絶頂から地獄へ突き落とすという作戦は見事としか言いようがありません。

そして、ラストの緑原が玲奈に液体を浴びせるシーン。果たして中身は本当に塩酸だったのか、それともただの水だったのか。真実の自白を引き出した今、彼の目的は達成されたはず。この行動が彼の復讐心の終着点なのか、それとも…。謎を残す終わり方に、次回の展開がますます気になります。