【うちの夫は子供がほしくない】第1話をネタバレありでわかりやすく解説する

ずっちー

【うちの夫は子供がほしくない】第1話をネタバレありでわかりやすく解説する

結婚5年目を迎えた夫婦、ミカとシュン。彼らの穏やかな日常の裏で、少しずつ、しかし確実に広がっていく心の溝を描いた物語が、今、始まります。子供を望む妻と、それを望まない夫。二人の価値観の衝突は、どこへ向かうのでしょうか。

穏やかな結婚生活、でも何かが足りない

物語は、妻のミカがカレンダーを眺めるシーンから始まります。結婚5年目、大きなケンカもなく、傍から見れば理想的な夫婦関係 。ミカ自身も「むしろ良い方だと思う」と感じています 。

二人でコーヒーを淹れ、静かな時間が流れるリビング 。しかし、そんな穏やかな風景とは裏腹に、ミカの表情は晴れません。彼女の心の中には、夫であるシュンに切り出せずにいる、ある大切な想いがありました。

「今夜こそは…」ミカの決意と夫の拒絶

ミカは心に決めます。「今夜だ」と 。夫のシュンが翌日休みということもあり、今日こそ「子どもの話」をしようと覚悟を固めるのです 。

しかし、その決意とは裏腹に、ミカの胸には不安が渦巻いています。これまでも何度もこの話題を切り出そうとしては、「そうやってはぐらかされてる」のです 。普段は穏やかなシュンも、この話になると決まって不機嫌になるのでした 。

今年で30歳だよ?」「これ以上はもう先延ばしできない」 。焦るミカは、勇気を振り絞ってシュンに話しかけます。「ねぇシュン、一回真剣に話し合おう?」 。

しかし、シュンの口から出たのは、またしても拒絶の言葉でした。

あ…今日は疲れてるから」「ちょっとダメ」 。ミカの想いは、またしても壁にぶつかってしまいます。

「子どもはほしくない」夫から告げられた本心

一度ははぐらかされたものの、ミカは「でも今日は負けない」と諦めません 。「帰ってきたら続きを話すんだ」と固く決意します 。

そんなミカの強い意志を感じ取ったのか、シュンはついに重い口を開きます。

俺はまだ子どもはほしくない

衝撃的な言葉でした。「でもいずれはとは思ってるよ」と続けるシュンに、ミカは堰を切ったように感情をぶつけます 。

いずれっていつ?」「もう5年待ってるよ?」 。

しかし、シュンは「わからないことを質問されても答えられない」と突き放し、「ちょっとコンビニ行ってくる」と逃げるように家を出て行ってしまうのでした

一人残されたミカは、「てかこういう大事なことは結婚前に話し合っておくべきだったんだよな――今更すぎる……」と深い後悔に沈むのでした 。

すれ違いの原点〜結婚前の思い出〜

ミカは、意見が合わなかった時のことを思い出します。彼女にとって、「結婚したら子どもを望むのが当たり前」でした

結婚前、テーマパークでデートした時のこと。パレードで踊る小さな子供たちを見て、ミカは「やっぱ女の子可愛いなぁ」「あーでも男の子もいいなぁ 2人ほしいな!」と未来の家族に夢を馳せていました 。しかし、その時のシュンの反応を思い出す前に、話がパレードで流されてしまったことしか思い出せません 。

結婚式の準備でもそうでした。式を挙げたいミカに対し、シュンは「俺は式自体やりたくないよ」と乗り気ではありませんでした 。結局、二人の意見の中間をとって、沖縄でフォトウェディングをすることに落ち着いたのです 。

これまで、二人はこうやってお互いの「落としどころ」を見つけ、歩み寄ってきました 。しかし、子どものことだけは違いました。

歩み寄れない「産むか、産まないか」という選択

コンビニから帰ってきたシュンは、ミカにアイスを買ってくるという優しさを見せます 。しかし、その優しさも、今のミカの心には届きません。

「じゃあホントに疲れてるから」「今日はもう寝るね」と、再び話し合いを避けようとするシュン 。ミカは「ダメ」と引き留めようとしますが、その声はかき消されてしまいます

ミカの心は絶望に包まれます。 「でも子どもは……中間をとるなんてできない」 。

そう、こればっかりは、産むか産まないかしか選べないのです 。

【うちの夫は子供がほしくない】第1話を読んだ感想(ネタバレあり)

結婚5年目、穏やかに見える夫婦の日常に突如として現れた、深くて暗い溝。第1話を読んで、まず胸に突き刺さったのは、このテーマのあまりのリアルさでした。「子供が欲しい妻」と「子供が欲しくない夫」、このすれ違いは、現代の多くの夫婦が直面しうる問題ではないでしょうか。

ミカが「今年で30歳」と焦る気持ちは、痛いほど伝わってきます。周りの友人には子供が生まれ始め、自分だけが取り残されていくような感覚。話し合おうとしても、夫にはぐらかされ、時間だけが過ぎていく恐怖。彼女の孤独と不安が、ページの中からひしひしと伝わってきて、読んでいて胸が苦しくなりました。

一方のシュン。彼の態度は、一見すると非常に冷たく、自己中心的に見えます。しかし、「障がいがあったらどうする?」という彼の問いは、子供を持つことの責任の重さを突きつける、非常に重い一言です。彼がそこまで頑なに子供を望まないのには、もしかしたら彼自身の過去や、何か深いトラウマが関係しているのかもしれない…と勘ぐってしまいます。「考えが甘い」「世間体でしょ?」という言葉はあまりに酷いですが、彼の内面にあるであろう不安や恐怖を思うと、一概に彼だけを責めることもできない複雑な気持ちになります。

特に印象的だったのは、ミカが「子どもは…中間をとるなんてできない」と悟るシーンです。結婚式のやり方のように、お互いが少しずつ譲歩して解決できる問題ではない。産むか、産まないか。この究極の二択を前にした時、夫婦はどうなってしまうのか。

これは単なる夫婦喧嘩の話ではありません。それぞれの「幸せの形」「家族の在り方」という、人生の根幹に関わる価値観のぶつかり合いの物語なのだと感じました。あまりにも重いテーマで始まったこの物語、ミカとシュンは、この深い溝を乗り越えることができるのでしょうか。それとも…。今後の展開から目が離せません。

【うちの夫は子供がほしくない】第1話のネタバレまとめ

  • 結婚5年目のミカは、夫のシュンと子供について真剣に話し合いたいと願っている。
  • しかし、シュンはその話題になると「疲れている」とはぐらかし、向き合おうとしない。
  • しびれを切らしたミカに対し、シュンはついに「俺はまだ子どもはほしくない」と本心を告げる。
  • シュンは「もし生まれた子に障がいがあったらどうする?」などと現実的なリスクを突きつけ、ミカが子供を欲しがるのは「世間体」だと厳しく非難する。
  • 子供に対する価値観の決定的な違いが浮き彫りになり、二人の間には修復が難しいほどの深い溝が生まれてしまう。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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