【うちの夫は子供がほしくない】第8話をネタバレありでわかりやすく解説する

ずっちー
前話のおさらい
  • ミカは仕事にやりがいを見出す一方、クライアントの鈴木さんと親しくなりました 。
  • 鈴木さんが離婚経験者でありながら、子供との関係を続け、前向きに生きている姿に、ミカは影響を受けました 。
  • 夫シュンとの関係に希望を見いだせない中、ミカはリスクを避けるために「次の相手を見つけてから離婚する」という、これまでにない選択肢を思いつきました 。

【うちの夫は子供がほしくない】第8話をネタバレありでわかりやすく解説する

夫以外の男性との未来を想像し始めてしまったミカ。しかし、その考えは予期せぬ形で打ち砕かれ、彼女はついに、逃げ続けることをやめる決意をします。第8話「夫以外の男性」では、ミカが本当の問題と向き合い、夫婦の関係が決定的な局面を迎えます。

夫以外の男性という選択肢

「順番さえ間違えなければ別に悪ではないよね?」 。ミカは、次の相手を見つけてから離婚するという考えを、自分の中で正当化しようとしていました

その考えの背景には、夫シュンへの失望がありました 。子供を作ると約束したにもかかわらず、今月も結局生理が来てしまったこと 。それどころか、約束をする前よりも、夫婦の営みの頻度が減ってしまったこと 。今月は一度もなかったのではないか、とミカは気づきます

そんな中、仕事の打ち上げの案内が届きます 。そこには、ミカに好意を寄せる鈴木さんも参加するのでした

打ち上げでの幻滅

仕事の打ち上げの席。会が終わった後、鈴木さんは「よかったらこの後2人で飲み直ししませんか?」とミカを誘います 。彼はすでに、近くのいいお店まで調べてきてくれていました 。夫とは違い、まっすぐに好意を示してくれる誠実そうな彼に、ミカの心は揺れていました

しかし、その期待は脆くも崩れ去ります。 他の参加者との会話で、ミカは衝撃の事実を知ってしまうのです。鈴木さんは現在、東京本社に単身赴任中で、その任期は次の3月まで 。任期が終われば、彼は家族のいる三重の自宅へ帰ってしまうのでした

「なにが第二の青春中だよっっ」 。彼は離婚していたわけではなく、ただの単身赴任中の既婚者だったのです。ミカは、そんな彼に浮かれていた自分自身と、真面目そうなフリをしていた鈴木さんの両方に、深く幻滅するのでした

逃げることの終わり

帰りの電車の中、ミカははっとします。「これじゃあアンナさんに狙われた時と変わんないじゃん」

今まで自分は、本当に向き合わなければいけない「シュンとの今後」や「子どもの問題」から目を背け、ただ楽な方、楽しい方へと流されてここまで来てしまったのだと悟ります

ここで勇気を出してちゃんと向き合わなければ、きっとこれからもずっと同じことを繰り返すのだろう 。そう確信したミカは、決意を固めます。

最後の通告

家に帰る途中、ミカは鈴木さんからの謝罪メッセージを読み、彼のアカウントをブロックします 。「うん」「もうこれ以上繰り返したくない」

そして、帰宅したミカは、まっすぐにシュンと向き合いました。 「子どもの話 しつこくてごめんね」 。そう前置きした上で、彼女は核心を突く質問を投げかけます。「シュンは本当に作る気ある?」

「ホントにしつこいな」「あるって言ってんじゃん」と苛立ちを隠さないシュンに、ミカはきっぱりと言い放ちます 。「なら口だけじゃなくて行動でも示してほしいの」

ミカは、自分がつけていた基礎体温のグラフを彼に見せ、具体的なスケジュールを提示しました 。「次は10日あたりが排卵の予定だからその周辺3日間お願いします」

夫の本心

そのあまりにも事務的な要求に、シュンは愕然とします。「なんだよそれ…」「人を種馬みたいに…」 。彼は、「最近ちょっと必死すぎない?もっと気長に」とミカを諭そうとしますが、彼女の決意は固いものでした 。「それじゃもうダメだから言ってるの」

その言葉が、シュンの心の最後の壁を壊しました。 彼は基礎体温のグラフを投げ捨て、叫びます。

「俺よりもまだ存在すらしない子どもの方が大事なのかよ」

それは、これまで彼が心の奥底に隠してきた、最も根源的な不安と本心だったのでした。

【うちの夫は子供がほしくない】第8話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、ミカが大きな気づきを得て、物語が決定的に動き出した回でした。前半、彼女が「次の相手を見つけてから…」と考えを巡らせる姿には危うさを感じましたが、鈴木さんの正体が発覚した時の幻滅は、彼女にとって必要なショック療法だったのかもしれません。楽な方に逃げても、結局は同じことの繰り返し。その真理に気づいたミカが、電車の中で覚悟を決めるシーンは、彼女の成長を感じさせる名場面でした。

そして、クライマックスの夫婦の対決。ミカが基礎体温表を手に「お願いします」と迫る姿は、彼女の必死さが痛いほど伝わってきました。もはや愛情や情緒を抜きにしてでも、とにかく「行動」を求める。そこまで追い詰められていたのですね。

一方で、シュンの「人を種馬みたいに」という言葉も、彼の立場からすれば自然な感情だと思います。妊活が義務的になり、愛情が失われていく苦しみは、多くの夫婦が経験することかもしれません。

そして、最後に彼が叫んだ「俺よりもまだ存在すらしない子どもの方が大事なのかよ」。この一言に、彼のすべての不安、寂しさ、そして嫉妬心が凝縮されているように感じました。彼が子供を欲しがらなかった根本的な理由は、生活の変化や経済的な不安だけでなく、「ミカの一番が自分でなくなることへの恐怖」だったのかもしれません。

ついに本音をぶつけ合った二人。しかし、その本音はあまりにもかけ離れていて、交わる点を見出すのは非常に困難に思えます。物語は、最も深刻で、最も根深い核心部分に触れました。ここから二人がどこへ向かうのか、目が離せません。

【うちの夫は子供がほしくない】第8話のネタバレまとめ

  • ミカは、シュンの非協力的な態度から、「次の相手を見つけてから離婚する」という考えを巡らせていました 。
  • 仕事の打ち上げで、期待を寄せていた鈴木さんが実は単身赴任中の既婚者だと知り、深く幻滅します 。
  • この出来事をきっかけに、ミカは自分が楽な方へ逃げて本当の問題から目を背けていたことに気づき、シュンと向き合うことを決意します 。
  • ミカはシュンに基礎体温表を見せ、排卵予定日に合わせた具体的な協力を要求します 。
  • 追い詰められたシュンは、「俺よりもまだ存在すらしない子どもの方が大事なのかよ」と、これまで隠してきた本心を叫んでしまいます 。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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