【うちの夫は子供がほしくない】第12話をネタバレありでわかりやすく解説する

ずっちー
前話のおさらい
  • シュンの本心を知ったミカは、子供を望むか望まないかは、理屈ではなく変えることのできない個人の本質的な感覚だと結論付けました。
  • 彼女は自分の気持ちを諦めることはできないと悟り、自ら離婚届に署名し、家を出て一人暮らしを始めるという決断を下しました。
  • 新生活を始めたミカは、過去に諦めた夢など、自分のための人生を歩み始める希望を見出しました。
  • 一方、一人になったシュンのもとに、故郷の友人から連絡が入り、彼もまた自身の過去と向き合うきっかけを得ました。

【うちの夫は子供がほしくない】第12話をネタバレありでわかりやすく解説する

ミカとの別れをきっかけに、長年避けてきた故郷へと向かうシュン。第12話「実家の仮面夫婦」では、彼を待ち受けていた衝撃の事実と、彼の心の傷の根源となった「家族」の真の姿が描かれます。

仮面夫婦の実家へ

シュンは、新幹線に揺られ実家へと向かっていました。ここ数年は、コロナ禍が帰省しないための好都合な理由になっていた、と彼は思います。 もともと、地元に帰りたいと思ったことは一度もありませんでした。

彼は、これから父親に離婚するかもしれないと伝えた時のことを想像します。 きっと父は「そんなみっともないマネするな!」と、世間体を気にする言葉を口にするだろう、と。

両親の離婚と長年の嘘

実家に到着すると、父親が出迎えます。 シュンが母親の所在を尋ねると、父は衝撃の事実を告げました。「離婚したんだよ」。 しかも、二人が離婚したのは、なんとシュンがミカと結婚してすぐのことだったのです。

混乱するシュンは、ミカの父親の葬式に二人が揃って参列したことを問い詰めます。 しかし父は、「あんな一日くらい」「いくらでも取り繕える」と冷たく言い放ちます。 なぜそんな嘘をついていたのか。その理由は、すべて「体裁」のためでした。 両親が揃っていた方が、シュンの就職にも有利だろうという、歪んだ親心からでした。

父は悪びれる様子もなく、「…お前だってわかってただろ?」「父さんと母さんが仲良くないことくらい」と、シュンに言葉を投げかけるのでした。

母との再会

父から母の居場所を聞き、シュンが向かった先は「ピアニッシモ」という名前の小さなスナックでした。 そこで母の鈴香は、明るく彼を迎え入れます。 そして、息子の顔を見るなり「何かあったから来たんでしょう?」と、すべてを見透かしたように尋ねるのでした。

母が語る「愛」の形

シュンが、ミカと離婚することになったかもしれないと打ち明けると、母は静かに耳を傾けます。 彼女は、自分もあの人と別れてよかったと心から思っている、と語ります。 しかし、一度は結婚してよかったとも思っている、なぜなら「シュンに会えたからね」と、優しい笑顔を見せるのでした。

そして、ミカの決断について、彼女自身の経験からアドバイスを送ります。「女が離婚を切り出すって相当な覚悟よ?」。 「その覚悟を尊重してあげるのも愛だと思うけど」。

旧友との再会と現実

場面は、同級生が開店した店のプレオープンパーティーへと移ります。 高校時代のサッカー部の仲間たちは、久しぶりに会うシュンを温かく迎えました。彼らにとってシュンは、東京の商社で働く、順風満帆なエリートです。

「大学ん時の彼女と結婚したんだっけ」「子どもは?」。 旧友たちの悪気のない質問が、シュンの胸に突き刺さります。彼らの理想像と、自身の現実とのギャップ。物語は、友人たちの驚きの表情で幕を閉じます。

【うちの夫は子供がほしくない】第12話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、シュンの心の傷の根源が、より深く、そして残酷な形で描かれた回でした。両親がとっくに離婚していたという事実は、衝撃的でしたね。しかもその理由が、息子のための「体裁」。良かれと思ってついた嘘が、結果的にシュンをどれだけ深く傷つけ、人間不信に陥らせていたのかを思うと、胸が痛みます。父親の、感情を一切介さない冷徹な論理は、シュンの性格形成に大きな影響を与えたことでしょう。

そんな息の詰まるような父親とは対照的に、母親の鈴香さんの姿には救いを感じました。自分の人生を歩み始め、スナック「ピアニッシモ」(音楽用語で”きわめて弱く”の意味)で静かに、しかし確かに自分の居場所を築いている。彼女が語った「結婚してよかった、シュンに会えたから」「覚悟を尊重するのも愛」という言葉は、非常に重く、そして温かいものでした。それは、所有や束縛ではない、成熟した大人の愛の形を示唆しているように感じます。

最後の旧友たちとのシーンも印象的でした。周りが思う「成功したシュン」のイメージと、彼が抱える現実のギャップ。彼はこれまで、そのイメージを壊さないように生きてきたのかもしれません。しかし、そのパーティーで、彼は初めて自分の弱さや失敗をさらけ出すことを選んだのではないでしょうか。それは、彼が長年まとってきた「仮面」を脱ぎ捨て、本当の自分として生きていくための、小さな、しかし重要な一歩だったのかもしれません。

【うちの夫は子供がほしくない】第12話のネタバレまとめ

  • 離婚の報告のため、シュンは長年疎遠だった実家へ向かいます。
  • そこで父から、両親はシュンの結婚直後に離婚しており、世間体やシュンの就職のために夫婦のフリを続けていたという衝撃の事実を知らされます。
  • その後、自分の店を持って自立していた母と再会し、「相手の覚悟を尊重するのも愛」という、これからの彼の人生にとって重要なアドバイスを受けます。
  • 旧友との再会で、周囲が抱く理想のイメージと現実とのギャップに直面し、彼は自らの口から離婚の事実を告げることになります。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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