【みんなは贅沢というけれど】3話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 亜季が目撃したのは夫・渉の浮気現場ではなく、泥酔した渉を送り届けに来たいとこの巧巳でした。
  • 亜季は夫が倒れている状況で巧巳に気があるような素振りを見せ、さらに「渉に内緒で相談したい」と接触を図ろうとします。
  • この不可解な行動により、巧巳やその婚約者・紗江、近隣住民、そして夫の渉までもが、亜季に対して不信感や嫌悪感を抱くようになりました。
  • 物語は、亜季が周囲から完全に孤立していく様子を、複数の視点から克明に描き出しました。

【みんなは贅沢というけれど】第3話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、複数の人物の視点からその異常性が浮き彫りになった主人公・亜季。第3話では、彼女の不可解な行動の裏に隠された、衝撃的な動機が明らかになります。ご近所さんの目撃譚から始まり、やがては倉田夫婦の核心に迫っていく、息もつかせぬ展開が待ち受けています。

SIDE: 里中真理菜 – ご近所さんの目撃譚

夜ごと出歩く妻と迎えに来る夫

語は再び、近隣住民・里中さんの視点から始まります 。井戸端会議では、倉田亜季に関する不穏な噂が囁かれていました。「奥さんが最近 夜遅くに 出歩いてる みたいよ」 。夜勤のある里中さんの夫が、駅前で亜季を度々見かけるというのです 。

その日の夜、里中さんは偶然にも夜のコンビニで亜季と遭遇します 。娘のお弁当のおかずを慌てて買いに来た自分とは対照的に、「ここのコーヒーが 飲みたくなって…」と優雅にイートインを利用する亜季の姿に、里中さんは「相変わらず 優雅ねぇ…」と呆れた感情を隠せません

しかしその直後、里中さんは意外な光景を目にします。コンビニから出てきた亜季を、夫の渉が車で迎えに来ていたのです 。その甲斐甲斐しい姿に、「ほんと いいご主人…」と感心するのでした

それからも、夜のコンビニで亜季を見かけるたびに、渉が心配して迎えに来るという光景が繰り返されます 。里中さんは「ご主人に迷惑 かけるのいい加減 やめなさいよ」と亜季に忠告したくなりますが 、夫から「無責任に 注意したり するなよ?」と止められてしまいます

響き渡る怒声と閉ざされた扉

そんな中、別の近隣住民である田辺さんが亜季に直接苦言を呈します。「ご主人がいなくなった あなたを探してるとこ 何度も見たわよ」 。この一件が効いたのか、亜季が夜に出歩くという噂は聞かなくなりました 。

これで一件落着かと思われた矢先、ある夜、事件は起こります。里中さんが自宅にいると、倉田家の方からただ事ではない物凄い音が聞こえてくるのです 。慌てて様子を見に行くと、庭にいた亜季はヘッドホンをしており、音に気づいていない様子

里中さんが声をかけると、亜季は静かに、しかし有無を言わせぬ表情でこう言い放ちました。 「これは私たち夫婦の 問題なので 放っておいて もらえませんか?

その言葉と同時に、家の中から男性の怒鳴り声のような音が響き渡ります 。亜季の冷たい拒絶と家の中から聞こえる不気味な音に、里中さんは恐怖を感じ、夫の忠告通り「人の家のことに 首を突っ込む もんじゃない」と自分に言い聞かせ、その場を去るのでした

SIDE: 貴島紗江 – 婚約者の直接対決

4者会談と拭えない疑念

場面は変わり、渉のいとこ・巧巳とその婚約者・紗江が、倉田夫婦の家に引っ越しの挨拶に訪れます 。初めて4人が顔を合わせるこのシーンは、和やかな雰囲気で進みます 。巧巳は亜季に対して「思った以上に 普通の奥さんって 感じだった」と警戒を解き始めますが 、紗江の疑いは晴れません。

だから よけいに 疑わしい

その後、紗江は亜季と連絡先を交換し、お茶をする仲になります 。何度か会ううちに、亜季がメッセージの返信が少し面倒な点を除けば、「ごく普通の主婦だった」と感じるようになります

カラオケボックスでの告白

しかし、紗江は核心を突くことを忘れていませんでした。ある日のお茶の席で、彼女はついに切り出します。 「亜季さんが巧巳に相談があるから 渉さんに内緒で会いたいって 言ったって聞いて… どういうつもり なのかな…って…

この単刀直入な質問に、亜季は激しく動揺します。そして、「知ってる人に 聞かれたら 困るので…」と、場所をカラオケボックスに移すことを提案するのでした

密室で二人きりになった状況で、紗江が改めて問い詰めると、亜季はついに重い口を開きます。彼女が巧巳に会いたかった、その驚くべき理由を。

渉さんのことを 聞きたくて

SIDE: 倉田亜季 – 夫の『もうひとつの顔』

知らない夫の一面

物語はついに、亜季の視点へと切り替わります 。紗江から「渉さんのこと なんて… 亜季さんが 一番知ってるんじゃ ないの?」と問われた亜季は 、結婚当初のある出来事を回想し始めます。

渉は結婚当初から、自身の両親と亜季を会わせることに消極的でした。「結婚式には呼ぶけど 必要最低限しか 関わらせないから」と言い 、実際に顔合わせと結婚式で会ったきりだったのです

義母からのプレッシャーと夫の豹変

しかし結婚して2ヶ月が経った頃、義母からの過干渉が始まります 。電話で「そろそろ 落ち着いた?」と孫を催促するような言葉をかけられ 、子供を望んでいない亜季は対応に苦慮します 。電話に出ないようにしていると、今度は「子供の名前辞典」や出産祝いの品まで送りつけてくる始末

耐えかねた亜季がこのことを渉に相談すると、彼の態度は豹変します

穏やかで、怒ったところも見たことがなかったはずの渉が 、電話の向こうの母親に対して、吐き捨てるように言ったのです。

あの ババア…」 「親子仲良くだァ!!! ふざけんな!!!」

普段の彼からは想像もつかない、憎悪に満ちた激しい言葉。亜季はこの瞬間をこう振り返ります。「その時初めて渉さんの 『もうひとつの顔』を知ったの」 。亜季が巧巳に近づいたのは、夫のこの知られざる一面、その暗い過去の秘密を探るためだったのです。

【みんなは贅沢というけれど】第3話を読んだ感想(ネタバレあり)

第3話は、物語の構図が大きく変わる、まさに鳥肌ものの回でした。これまで亜季の奇行に焦点が当てられ、彼女こそが問題の中心だと思わされてきましたが、その行動の動機が「夫への不信感と恐怖」にあったことが明かされ、一気に物語の深みが増したように感じます。特に、夫の豹変を目の当たりにした亜季の告白は、読んでいて胸が苦しくなりました。

最も衝撃的だったのは、やはり渉の「もうひとつの顔」です。あれほど穏やかで完璧な夫に見えた彼が、母親に対して「あのババア」と吐き捨てるシーンは圧巻でした。彼の心の奥底にどれほど深い闇、そして母親との確執があるのか。彼が抱える問題の根深さを突きつけられ、キャラクターの印象が180度変わりました。これはもう、単なる夫婦のすれ違いの話ではありません。

また、探偵のように冷静に亜季に真実を問いただす紗江のキャラクターが、ますます好きになりました。彼女の存在が、この複雑な物語の謎を解き明かす鍵になっているのは間違いありません。

ご近所さんの視点も、物語にリアルなスパイスを加えていて秀逸です。噂話や一方的な思い込みが、当事者を追い詰めていく様子は、現実社会の縮図のようにも見えました。倉田家から聞こえてきたあの物音は一体何だったのか。夫のもう一つの顔を知った亜季の恐怖は、私たちの想像をはるかに超えるものなのかもしれません。

【みんなは贅沢というけれど】第3話のネタバレまとめ

  • 亜季が夜な夜な出歩いていると近所で噂になり、実際に夫の渉が何度も迎えに来る姿が目撃されます 。
  • ある夜、倉田家から激しい物音が聞こえ、駆けつけた隣人に対し、亜季は「夫婦の問題なので放っておいて」と助けを拒絶しました 。
  • 巧巳の婚約者・紗江は、亜季が巧巳に内緒で会いたがっていた本当の理由を直接問いただします 。
  • 亜季の目的は浮気などではなく、夫・渉の知られざる一面について、親族である巧巳から話を聞き出すことでした 。
  • 結婚後、義母からの過干渉について渉に相談した際、渉が「あのババア」「ふざけんな」と激昂し、普段とは全く違う『もうひとつの顔』を見せたことが亜季の告白で明らかになります 。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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