【みんなは贅沢というけれど】5話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 亜季の告白により、夫・渉が義母からの過干渉をきっかけに豹変し、「もうひとつの顔」を見せていたことが明らかになりました 。
- 巧巳が母親に連絡したことで、渉が幼少期から父親に嫉妬され、母親からは常に巧巳と比較されるという「教育虐待」を受けていた過去が判明します 。
- 渉自身も、巧巳が近くに越してきたことで過去のトラウマがフラッシュバックし、感情のコントロールが効かなくなっている恐怖を同僚に告白していました 。
- 物語の最後、帰宅した渉が亜季のスマホに巧巳から着信があったのを目撃した直後、2階から物音が聞こえ、最悪の誤解が生まれることを予感させました 。
【みんなは贅沢というけれど】第5話をネタバレありでわかりやすく解説する
ついに物語が第1話の冒頭シーンへと繋がる、運命の第5話。巧巳からの着信という最悪の引き金によって、渉の心のダムは決壊してしまいます。衝撃的な「離婚してくれ」という言葉。しかし、その一言に隠された渉の本当の想いが明らかになるとき、夫婦の関係は新たなステージへと進んでいきます。
SIDE: 倉田亜季 – 悲しい誤解
物語は、荒れ果てた書斎で立ち尽くす渉と、血の付いた彼の右拳、そして惨状を目の当たりにして言葉を失う亜季の姿から始まります 。前回、巧巳からの着信の直後に起きた出来事です。
亜季はすぐに渉の怪我に気づき、「手当てしなきゃ!!!!」と駆け寄りますが、渉は「ほっといて くれ!!!!」と、心のシャッターを固く閉ざしてしまいます 。
亜季は、渉が激昂した理由を、巧巳からの着信にあると確信していました。
「渉さんは私と巧巳さんが 連絡を取り合う仲と 思って怒ったんだわ」
「紗江さんと同じで私が 巧巳さんに言い寄ってると 疑ってるのね…」
真実を知りたいという一心からの行動が、最愛の夫に最悪の誤解を与えてしまった。自分のせいだと感じた亜季は、どう声をかけていいかわからず、ただ立ち尽くすことしかできません 。
そんな亜季の心を置き去りにして、渉は「もう嫌だ…」と呟くと、夜の闇へと飛び出していってしまいました 。亜季は、その不安定な後ろ姿を必死に追いかけます 。
SIDE: 倉田渉 – 絶望と離婚宣言
恐れていた現実
場面は、家を飛び出した渉の視点へ。彼の心は、深い絶望に包まれていました。
「とうとう 一番恐れて いたことが 起きてしまった」 。亜季と結婚してからの穏やかな日々の中で、「もう何も 問題のない普通の男に なれたんだと安堵した」はずの平穏は、あまりにも脆く崩れ去ってしまったのです 。
彼の脳裏には、過去の記憶が鮮明に蘇っていました。それは、結婚後に母親が亜季に子供のプレッシャーをかけたことで激怒し、実家に乗り込んだ日のこと。彼は両親に、今までにかかった費用を全て返済すること、そして「金輪際 関わらないで くれ」と、決別の言葉を叩きつけていたのです 。
蘇る亡霊と壊れゆく心
両親との絶縁で、もう大丈夫だと安心していた渉。しかし、彼のトラウマの元凶であるいとこ・巧巳が近くに引っ越してきたことで、状況は一変します 。不意に過去の記憶がフラッシュバックし、猛烈な怒りが湧き上がるようになってしまったのです 。
悪気のない巧巳からの「仲良くしような」という言葉を断れず、ヤケになって深酒をした結果、亜季と巧巳を出会わせてしまったこと 。そして今回、巧巳からの着信を目にしたことで、劣等感、嫉妬、疑心といった黒い感情が爆発し、我を忘れてしまったのです 。
公園で一人、渉は自らの精神の脆さに恐怖します。
「いつか亜季を傷つけて しまうかもしれない」 、「亜季にもっと ひどいことを してしまったら…」 。その恐怖が、彼に究極の決断をさせました。追いついてきた亜季を前に、彼は第1話冒頭の、あの言葉を口にするのです。
「離婚してくれ」
夫婦の再生、そして新たな告白へ
渉が告げた「離婚」という言葉。それは亜季を拒絶するためではなく、これ以上自分の醜い姿を見せたくない、愛する妻を傷つけたくないという、彼の不器用で歪んだ愛情表現でした。
その真意を、亜季は静かに受け止めます。彼女は、勝手に渉の過去を探ろうとしたことを謝罪した上で、まっすぐに自分の想いを伝えました 。
「
渉さんが 何に苦しんでるのか ちゃんと理解して どうにかしたい」
「大切な家族 だから」
亜季の揺るぎない言葉に、渉の目からは涙が溢れました。「ありがとう…」 。
帰り道、渉は初めて亜季に、自分の辛い過去のすべてを打ち明けます 。親とのこと、巧巳への複雑な想い。話に詰まる渉の手を、亜季は何も言わずに強く握り、励まし続けました 。
家に着いたとき、二人の間にはもう壁はありませんでした。渉が「ちゃんと先に 話せばよかった」と後悔を口にすると、亜季は「言いづらいこと 話してくれて ありがとう」と微笑みます 。そして、今度は亜季が、自らの過去と向き合う番でした。
「私も… 聞いてほしい 話があるの」
「私の… 両親の話…」
渉の告白を経て、本当の意味で向き合い始めた夫婦。物語は、亜季が抱える新たな秘密を予感させて、次なる章へと進んでいきます。
【みんなは贅沢というけれど】第5話を読んだ感想(ネタバレあり)
第1話の冒頭からずっと謎だった「離婚してくれ」というセリフの真意が、これほどまでに切ないものだったとは、想像していませんでした。渉が亜季を愛しているからこそ、彼女を自分の闇から遠ざけようとした不器用な優しさに、思わず涙がこぼれました。彼の苦しみは計り知れませんが、ようやく一人で抱え込まずに済むのだと思うと、少しだけホッとします。
そして、亜季の強さと優しさには本当に心を打たれました。夫が目の前で暴れ、離婚まで切り出された状況で、彼から逃げずに「大切な家族だから」と言い切れる。これは、並大抵の覚悟ではできないことだと思います。彼女がいたからこそ、渉は救われたのですね。二人が手を繋いで歩くシーンは、この物語屈指の名場面だと感じました。
ようやく夫婦の心が一つになったかと思いきや、最後に提示されたのは、亜季自身の過去という新たな謎。彼女もまた、両親との間に何かを抱えているようです。今度は渉が亜季を支える番ですね。これまで様々な困難がありましたが、この二人ならきっと乗り越えていけると信じたいです。次回、亜季の口から何が語られるのか、固唾をのんで待ちたいと思います。
【みんなは贅沢というけれど】第5話のネタバレまとめ
- 巧巳からの着信をきっかけに渉が書斎で暴れ、亜季は自分と巧巳の関係を疑われたのだと誤解してしまいます 。
- 渉は、愛する亜季をこれ以上自分の暴力で傷つけたくないという思いから、絶望の中で「離婚してくれ」と告げました 。
- 渉の真意を理解した亜季は、「大切な家族だから」と彼に寄り添う姿勢を見せ、その言葉に渉は救われます 。
- 帰り道、渉は自らの辛い過去をすべて亜季に打ち明け、二人は心を通わせます 。
- 物語の最後、今度は亜季が「私の両親の話」をすると切り出し、彼女自身も何かを抱えていることを示唆して終わります 。
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