【ひと夏の共犯者】第10話をネタバレありでわかりやすく解説する

ずっちー
前話のおさらい
  • 祭りの準備中、モナは澪の浴衣姿の下に複数の痣があるのを発見した。
  • モナが痣の原因を問い詰めると、澪の脳裏に「殺すぞ」という男の怒声が響く、暴力的な記憶がフラッシュバックした。

【ひと夏の共犯者】第10話をネタバレありでわかりやすく解説する

田んぼに落ちた嘘と眞希の影

過去の忌まわしいフラッシュバックの後、パニックに陥った澪をモナが必死になだめます。 正気を取り戻した澪は、「すみません 大丈夫です」と繰り返し、痣の原因について苦しい嘘をつきました。

転んだときに田んぼに落ちてしまって」「そのときについただけですよ」。

彼女は誰かに殴られたわけではないと必死に否定します。

しかし、その直後、澪は心の中で(……さっきの眞希さんだった気がする)と、別人格の気配を感じ取っていました。 激しい動揺や恐怖を感じた時、彼女を守るために眞希が現れ、その記憶の断片だけが澪の中に残っていたのです。

束の間の平穏、祭りの夜

巧巳も浴衣に着替え、三人はお祭りへと向かいます。 浴衣姿の澪のあまりの美しさに、巧巳は思わず見惚れてしまいます。 祭りの喧騒の中にいる彼女は、行方不明のトップアイドルではなく、ごく「普通の女の子にしか見えない」。 巧巳は、この時間だけは難しいことを考えるのをやめようと、束の間の平穏を楽しみます。

モナにからかわれたり、たこ焼きを食べたりと、三人は夏祭りを満喫。 そして、花火が始まる時間が近づき、モナはたこ焼きを買いにその場を離れました。

幼なじみの疑念とスマホの検索履歴

しかし、モナは澪の嘘を信じていませんでした。 巧巳たちが離れた隙に、彼女がスマホで検索していたのは「dv あざ」「DV 被害相談」といった痛々しいキーワード。 彼女は友達を傷つける存在を、決して許すことができなかったのです。

巧巳は澪を、ある場所へ連れて行きます。 そこは、昔、背の低かった巧巳が大人の頭に邪魔されずに花火を見られるようにと、モナが見つけてくれた「穴場」でした。

花火の前に知らされた衝撃のニュース

思い出の場所で、巧巳がモナとの過去を語っていると、そのモナが追いついてきました。 しかし、彼女の表情は険しく、その手にはスマホが握られていました。

画面に表示されていたのは、衝撃的なニュース速報。

【AMEL片桐澪 行方不明】海斗からDVを受けていた可能性

世間の見方が「加害者」から「被害者」へと大きく変わる可能性を示すニュース。 その文字を見た瞬間、澪の瞳から光が消えます。

穏やかな「澪」は姿を消し、再び現れた「眞希」は、冷たい瞳で巧巳を見つめ、こう言い放ちました。

あなたに 罰を与えないといけないわね

【ひと夏の共犯者】10話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は甘酸っぱい青春と、凍りつくようなサスペンスの緩急が凄まじい回でした。浴衣姿の澪ちゃんにドギマギする巧巳くんや、昔話で盛り上がるモナちゃんたちの姿は、本当に普通の高校生の夏休みそのもので、見ていてすごく和みました。このまま何も起こらなければいいのに、と心から願ってしまいましたね。

しかし、そんな淡い期待を打ち砕いたのが、モナちゃんの鋭さと優しさでした。彼女はただの賑やかしキャラじゃなかった!友達の嘘を見抜き、その裏にある苦しみに気づいて、一人で調べようとする…。本当にかっこいいです。

そして、最後のニュース速報からの眞希さん登場の流れは鳥肌ものでした。世間が澪を「被害者」として見始めた矢先に、眞希さんは「あなたに罰を」と告げます。この「あなた」とは一体誰を指すのでしょうか?DVをしていた海斗?それとも、秘密を守りきれなかった巧巳?彼女の言う「罰」が何を意味するのか、全く予想がつきません。花火が上がる直前の、最悪のタイミングでの宣戦布告。物語はまたしても、一寸先が闇に閉ざされてしまいました。

【ひと夏の共犯者】10話のネタバレまとめ

  • 澪は身体の痣について、田んぼに落ちた時のものだと嘘をついてごまかすが、心の中では別人格「眞希」の気配を感じていた。
  • 巧巳、澪、モナの三人は祭りを楽しみ、束の間の平穏な時間を過ごす。
  • しかし、モナは澪の嘘を信じておらず、一人になった隙にスマホで「DV被害」について調べていた。
  • 花火を見るために訪れた思い出の場所で、モナは「澪が海斗からDVを受けていた可能性がある」というニュース速報を二人に見せる。
  • そのニュースが引き金となり、澪の人格は眞希に交代。 眞希は巧巳に対し「あなたに罰を与えないといけないわね」と不気味に告げる。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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