【フウフヤメマスカ】44話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 元カノの沙耶は、マンションで鉢合わせた賢吾に対し、息子の存在や自身の弱さをちらつかせ、巧みに彼の同情と罪悪感を煽ります 。
- 詩織は、食事に行った居酒屋で、新人の佐久野くんから「ご主人は不倫しています」と衝撃的な事実を告げられます 。
- 佐久野くんは、昼間に賢吾と同僚の鬼束くんが「不倫」について話しているのを聞いた、と詩織に説明しました 。
- 詩織が「もう解決した」と気丈に振る舞うと、佐久野くんは彼女の手を取り、「俺は(ご主人が)あなたを傷つけたら許しません」と強く宣言します 。
【フウフヤメマスカ】第44話をネタバレありでわかりやすく解説する
「俺は許しませんから!」という新人・佐久野くんからの、あまりにも力強い宣言。第44話では、その言葉に詩織が戸惑いながらも冷静に対応しようとする姿と、彼のあまりにも繊細な心が描かれます。そして場面は、賢吾が元カノ・沙耶に無責任な希望を与えてしまった、あの食事シーンへと遡るのでした。
詩織の冷静な対応と、後輩の涙
佐久野くんの突然の行動に驚き、詩織は思わず彼の手を振りほどきます 。我に返った佐久野くんが「すみません…」と謝ると 、詩織は努めて穏やかに、「気まずくなるの嫌だから今後はこういうことやめようね」と、先輩として、そして既婚者として、彼に優しく釘を刺しました 。そして、空気を変えるように「それで今日面談で何があったの?」と、本来の目的であった仕事の相談へと話を戻します 。
しかし、詩織がトイレに立った後、戻ってきた佐久野くんは、なんと泣いていました 。詩織が「どうしたの?」と尋ねると、彼は「だって俺 梶さんに拒絶されました」と答えます 。詩織の慎重な言葉を、彼は「拒絶」と受け取ってしまい、深く傷ついていたのです 。
回想:元カノに与えた無責任な希望
場面は、賢吾が沙耶の家で食事をご馳走になった時の回想へと移ります 。沙耶が「あんまり大丈夫じゃないかも」と弱さを見せたことで、賢吾の心は激しく揺れ動いていました 。こんな重大な問題を突きつけられて、自分はなんと声を掛ければいいのかと混乱する賢吾 。彼は咄嗟に「俺に出来ることがあったらなんでも言って!」と口走ってしまいます 。
さらに、「俺の家のことは俺がなんとかするし!」「嫁は話せば分かってくれる人だから!」と、何の根拠もないまま、見栄を張ってしまうのでした 。その言葉に沙耶は「ありがとう」と微笑みますが 、賢吾は言ってしまった言葉の重さに、すぐに後悔するのでした 。
「隙があるの…?」揺れ動く詩織の心
再び現在の居酒屋。一人になった詩織は、先ほどの佐久野くんの行動を振り返っていました 。急に手を握ってくるなんて、と驚きつつも、「私ってほんとに隙があるのかな…?」と自問自答します 。
夫の賢吾との関係が上手くいっていないせいで、自分でも気づかないうちに、誤解させるような態度をとってしまっているのではないか 。そんな不安が、彼女の心をよぎるのでした。
予期せぬ抱擁、そして重なる夫の影
物語の最後、詩織と佐久野くんの現在の関係と、賢吾と沙耶の過去の関係が、二組の男女の対比として巧みに並行して描かれています。
賢吾と沙耶のやり取りでは、沙耶が巧みに賢吾の同情を引く様子が明らかになります 。彼女はシングルマザーとしての弱さを見せ、賢吾が立ち去ろうとするまさにその去り際に、彼に身を寄せるのです 。この計算された行動は、賢吾に「自分が支えなければ」という無責任な使命感を抱かせ、彼女との関係の深みへと引きずり込んでいきます 。
一方で、現在の詩織と佐久野くんの場面では、彼の詩織への届かない恋心が、静かな形となって現れました。詩織からの、先輩としての優しくも明確な拒絶を受け止めきれず、感情のままにその場を去ろうとする佐久野くん 。詩織は彼を店の外まで見送りますが、彼はすぐには立ち去ろうとはせず、ただ黙って、心配そうに詩織のことを見守っているのでした 。これは、彼の不器用で純粋な、しかし一歩間違えれば誤解を生みかねない好意の表れでした。
賢吾が計算された罠の中で感傷に浸る一方で、詩織は後輩からのあまりに純粋で、しかしどこか重たい視線を受け止めることになります。二人がそれぞれ異なる形で夫婦関係の外側へと引かれていく様が、静かに、しかし鮮烈に描かれた瞬間です。
【フウフヤメマスカ】44話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、登場人物たちの心の「脆さ」が際立つ回でした。特に佐久野くんの繊細さには驚かされます。詩織が先輩として、また既婚者として当然の対応をしたに過ぎないのに、それを「拒絶」と捉えて涙を流してしまう。彼の心の傷つきやすさは、もはや危うささえ感じさせます。しかし、その純粋さが、最後に見せる、詩織をただ静かに見守るという、あまりにもまっすぐな(そして少し異質な)行動に繋がっているのが、このキャラクターの魅力であり、怖さでもあると感じました。
一方、回想シーンで描かれた賢吾の脆さも印象的です。彼は、元カノの弱さを受け止める強さがなく、その場しのぎの無責任な言葉で取り繕ってしまいます。そしてすぐに後悔する。佐久野くんの脆さが内へ向かうベクトルであるのに対し、賢吾の脆さは外へ向かい、結果的に他人を傷つけ、事態を悪化させていく。この対比が見事でした。
夫との関係がうまくいかないことで「自分に隙があるのでは」と悩む詩織の心境は、非常にリアルで胸が痛みます。そんな彼女の心の隙間に、佐久野くんの不器用でまっすぐすぎる感情が、今後どのように影響を与えていくのでしょうか。物語が新たな段階に進んだことを予感させる、静かで印象的なラストでした。
【フウフヤメマスカ】44話のネタバレまとめ
- 佐久野くんの宣言に対し、詩織は彼を諭すように冷静に対応しますが、彼はそれを「拒絶された」と捉えてしまいます 。
- 回想シーンで、賢吾が元カノの沙耶に対し、「なんでも言って」「嫁は分かってくれる」と無責任な言葉をかけてしまったことが描かれます 。
- 詩織は、佐久野くんの行動をきっかけに、「夫との関係がうまくいっていないせいで、自分に隙があるのではないか」と悩み始めます 。
- 深く傷ついた佐久野くんは、店の外まで見送りに来た詩織からすぐには立ち去らず、ただ黙って彼女のことを見守るのでした。
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